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理想の崩しを追い求める香川…カンボジア戦でエースナンバー10の証明へ

2015.11.16

15日のトレーニングに参加したMF香川真司 [写真]=兼子愼一郎

 香川真司ドルトムント)、岡崎慎司レスター)という日本の3大得点源のうちの2人を温存し、12日のシンガポール戦を3-0で勝利した日本代表。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は金崎夢生鹿島アントラーズ)や柏木陽介浦和レッズ)ら新戦力の活躍を前向きに捉えていたが、やはり日本攻撃陣の中核を担う2人が爆発しなければ、手放しでは喜べない。17日の2018年ロシア・ワールドカップアジア2次予選第6戦・カンボジア戦(プノンペン)では彼らの先発復帰が有力視されるだけに、その一挙手一投足が注目される。

 2015年の国際Aマッチ最終戦となるこの一戦を2日後に控え、日本代表は18時45分からプノンペンのナショナル・オリンピック・スタジアムでトレーニングを行った。前日までは一般市民が自由に出入りしていた同競技場だが、この日はカンボジア・日本両国の非公開練習に備え、至るところにガードマンを配置。厳重な警備体制が敷かれた。そんな中、ハリルホジッチ監督を筆頭に23人のメンバーが登場。2分半の短いミーティングの後、ランニングやウォーミングアップが始まった。右太もも打撲の金崎は今回も別メニューで、次戦は欠場が濃厚のようだ。メディアを締め出した後は戦術確認や紅白戦などが行われた見通し。指揮官も年内ラストマッチの内容と勝利に強くこだわっている様子だ。

 エースナンバー10・香川も自身の思い描く得点を奪って今年を締めくくりたいはず。ハリルホジッチ体制になってから、彼は9月のカンボジア戦(埼玉)の3点目、アフガニスタン戦(テヘラン)で先制弾と3点目の合計3ゴールを叩き出しているが、完全に相手を崩して奪った得点は原口元気(ヘルタ・ベルリン)とのワンツーから左サイドに侵入したアフガニスタン戦の3点目だけ。ドルトムントではもっとチームメイトと連動して完璧な崩しで得点を奪っているだけに、このままではやはり不完全燃焼に違いないだろう。

「理想のゴールを奪うには、やはりコンビネーションが一番。どれだけみんながゴールに対していいイメージの共有ができるか、いい距離感でやれるかは、こういう引かれた相手、自陣を固められる時は特に大事。一瞬のスペースを動き、そこを生かす動きがかみ合った時に、初めていい形の崩しでゴールが決まる。そういうバランスだったりイメージをみんなが試合の中で共有しながら、流動的にやれればいいと思っています」と香川は意思統一の重要性を今一度、強調した。

 確かに今シーズンのドルトムントでは、最前線に位置するピエール・エメリク・オーバメヤンや2列目のマルコ・ロイスらとあうんの呼吸で動けていることが多い。特にともにゲームメークに比重を置くイルカイ・ギュンドアンとの息の合った連携は文句なしだ。それだけの高度なコンビネーションを日本代表では築けていないのが実情だ。岡崎らFW陣、山口蛍セレッソ大阪)らボランチ陣の関係構築を図るうえで、代表ではベテランの域に達しつつある香川が自らイニシアティブを取りつつ周囲を動かすことが今、強く求められている。

 カンボジアのような自陣に引いて徹底的に守ってくる相手なら、その重要性はより一層、高まる。香川自身も「分厚い攻め」を最重要テーマに掲げて、年内ラストマッチに挑むという。

「ホントに相手は11人くらいで守ってくるし、僕たちも人数をかけてゴール前に進んでいかなきゃいけない。前回のカンボジア戦を今日改めて見ましたけど、まだまだ攻撃の枚数も足りないし、タイミングもあまりよくない。チームとしての距離感もまだまだだし、迫力もなかったんで、もっと全員が攻撃を意識してサポートに回らなきゃいけない。ゴールを意識するのも大事だけど、ゴールを崩すうえでやはり最後のところのコンビネーションのイメージの共有が大事。味方のために受け手になることも意識してやらないといけない。そういう部分を前回より上げていかないといけないと思います」

 10月のイラン戦(テヘラン)では相手の屈強なフィジカルにつぶされ、シンガポール戦では終盤15分間のみの出場で見せ場なく終わっただけに、本人もエースとして強烈なインパクトを残さなければいけないと考えているはず。尻上がりに調子を上げつつある2015年の代表活動を納得いく形で終えるべく、香川真司は理想的な崩しと創造性あふれるゴールで周囲を驚かす……。今の彼ならば、それだけの仕事が確実にできるはずだ。

文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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