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カンボジア戦のスタメンと戦術が漏洩…ハリル、急いで隠すも間に合わず

2015.09.01

戦術ボードを隠すハリルホジッチ監督

 ハリルの秘めた思惑が思わぬ形でベールを脱いでしまった。

 3日にロシア・ワールドカップアジア2次予選のカンボジア戦を控えた日本代表は1日、試合会場の埼玉スタジアム2002でトレーニングを実施。この日から戦術練習を行うためにメディアには冒頭の15分間だけが公開されたが、ピッチサイドに置かれた戦術ボードがめくれ上がり、両チームのスタメンと戦術的な狙いが書かれた紙が見えてしまうハプニングが発生する事態となった。

 練習スタートから約15分が経過したところだった。全員でのランニングを終え、メインスタンド側でウォーミングアップを続ける代表選手を見守っていたヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、突然小走りに駆け出した。

 その行き先はゴール脇に置かれた戦術ボード。選手全員でピッチ内へ運んだゴールの横に置かれたボードには、当初ピッチ図のみが描かれた用紙が張られていた。だが、何かの拍子に表紙がめくれ上がってしまい、メディア撤収後に非公開で選手に伝えるはずだった戦術ボードが見えてしまっていた。これに気づいたハリルホジッチ監督が急いで駆け寄り表紙を戻したが、時すでに遅し。多くのメディアが内容を目にすることになってしまった。

 その戦術ボードからカンボジア戦のスタメンと見られるメンバーが判明した。それによるとGKは西川周作浦和レッズ)、最終ラインは右から酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ)、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、森重真人FC東京)、長友佑都(インテル/イタリア)、ダブルボランチは山口蛍セレッソ大阪)と長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)、トップ下に香川真司(ドルトムント/ドイツ)、ウイングは右が本田圭佑(ミラン/イタリア)、左が武藤嘉紀(マインツ/ドイツ)で、1トップに岡崎慎司(レスター/イングランド)。対するカンボジア代表はメンバー発表会見でハリルホジッチ監督が口にしていたように5バックで、中盤は3ボランチ+トップ下に1トップを配した布陣を想定している模様で、人やボールの動きを想起させる矢印も記入されていた。これがカンボジア戦の狙いということなのだろう。

 思わぬ形でメンバーや相手チームの分析内容の一部が漏れてしまったハリルホジッチ監督だが、経験豊富な指揮官だけに複数の戦術を準備しているはず。たとえ情報が漏れようとも、スタメンが明らかになろうとも、FIFAランキング180位のカンボジアに苦戦するようなことはあってはならない。監督の狙いを的確に突くことができれば、そして各選手が臨機応変な判断を下すことができれば、必ずや勝ち点3は獲得できるはず。想定外の事態となってしまったが、状況に応じた戦術と狙いを選手たちに落とし込み、3日の試合ではしっかりと内容と結果を出すことを期待したい。

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