2015.08.01

92年組の宇佐美と柴崎…東アジア杯で真価が問われる2人の天才

東アジア杯で日本代表の中軸として期待される宇佐美(左)と柴崎(右) [写真]=Getty Images
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。

文=元川悦子

 2015年東アジアカップの開幕(武漢)が8月1日に迫ってきた。大会はなでしこジャパン対北朝鮮女子のゲームからスタートするが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は2日の北朝鮮戦が初戦。7月29日にJ1セカンドステージ第5節を終え、30日に強行日程で現地入りした選手たちは31日夜、試合会場となる武漢体育中心のサブグランドで1時間超のコンディション調整を実施。2年前の監督大会に続く2連覇に向けて、本格的な一歩を踏み出した。

 前回大会では柿谷曜一朗(バーゼル)が得点王、山口蛍(C大阪)がMVPに輝き、森重真人(FC東京)や青山敏弘(広島)、齋藤学(横浜)らが2014年ブラジルワールドカップへの切符を手にするきっかけを得た。そういう意味でも、今回も新戦力の台頭と結果を両立させる必要がある。指揮官も「新たに呼んだ(初招集の)8人には期待している」と発言。若い世代の浅野拓磨(広島)や遠藤航(湘南)らのブレイクが必要だ。

 そんな中、やはりチームを引き締めなければならないのが、ブラジル大会以降、代表の軸を担いつつある柴崎岳(鹿島)と宇佐美貴史(G大阪)の92年生まれコンビだ。

 ボランチに関してはご存知の通り、これまでは遠藤保仁(G大阪)と長谷部誠(フランクフルト)の鉄板コンビが7年間も中盤を担ってきた。しかし、ハリルホジッチ監督就任後は遠藤が世代交代のために招集見送りとなり、欧州組の長谷部も今回は不在。2年前の前回大会優勝の立役者の青山、代表経験のある柏木陽介(浦和)も負傷離脱したこともあり、司令塔を担う柴崎にかかる役割は非常に重要になっている。

「代表でもクラブでも基本的にやることは変わらない。自分の特徴を生かしたプレーを出したいし、それがチームの結果に結びつけばいいパフォーマンスになると思う」

 柴崎本人もあくまでチームの勝利のために献身的にプレーすることを強く意識しているという。

 3月のウズベキスタン戦ではその柴崎とアベックゴールを決め、ガッチリと抱擁をかわした宇佐美も、攻撃陣を力強くリードしなければならない。というのも、今回はアルベルト・ザッケローニ監督時代から日本代表の前線を背負ってきた本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)の3枚看板が揃って不在。ゲームを決め切れる点取り屋の筆頭がやはり宇佐美ということになる。

「まだまだ自分のポジションが確立されたわけではないですし、海外組がいるいない関係なく、どの試合もつねに個の力をしっかり出してアピールするっていうことしか考えてない。それは代表に行くまでもそういう気持ちでやってます」と彼自身は謙遜気味にコメントしていたが、「もちろんそこ(攻撃の軸)を担っていきたという気持ちはあります。自覚とか覚悟とかよりは、常にやってるメンタリティで日本の攻撃を引っ張るようなプレーをしたい。海外組がいないから改めて決心を強くすることはないです」と宇佐美は自然体でのプレーを貫いて、存在感を発揮するつもりだ。

 23歳というのは、今の日本代表の中では若い方に入るが、世界を見渡せば決して若手とは言えない。むしろ彼らの世代がチームの中心としてチームを統率し、年長者にも注文を出していくくらいにならないと、日本サッカーの新たな勢いは生まれない。ハリルホジッチ監督もそういう彼らの意気込みをぜひともピッチ上で示してほしいと考えているはずだ。

 10代の頃から天才という名をほしいままにしてきた2人の真価が問われるのは、まさに今。酷暑の武漢をが彼らの飛躍の地にしてほしいものである。

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