2015.06.15

ハリルジャパンの新たな武器へ…長友と宇佐美の“ホットライン”確立に注目

長友,宇佐美
日本代表の新たな武器として期待される長友と宇佐美の左サイド [写真]=Getty Images
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。

文=元川悦子

 1日にスタートした欧州組合宿から半月。2018年ロシア・ワールドカップへの重要な一歩となる2次予選初戦・シンガポール戦(埼玉)がいよいよ翌16日に迫った。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は15日夕方、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を約1時間半消化。24人全員で最終調整を実施した。川島永嗣(スタンダール・リエージュ)も「最高の準備をしてきた」と強調したとおり、選手たちはここまで積み重ねてきたものを明日のピッチに思い切りぶつけるつもりだ。

 注目のスタメンは、前日練習後半に行われたハーフコートでの11対11を見る限りだと、11日のイラク戦(横浜)と全く同じ。この練習時の並びはGK川島、DF(右から)酒井宏樹(ハノーファー)、吉田麻也(サウサンプトン)、槙野智章(浦和)、長友佑都(インテル)、ボランチ・柴崎岳(鹿島)、長谷部誠(フランクフルト)、右FW本田圭佑(ミラン)、左FW宇佐美貴史(G大阪)、トップ下・香川真司(ドルトムント)、1トップ・岡崎慎司(マインツ)となっていた。が、12日の練習でアンカーシステムを試したように、相手の出方次第では柴崎と香川がインサイドハーフに並ぶ形になるかもしれない。「ピッチも狭かったし、2トップ気味というか高い位置を意識した」と香川もこの日は意図的にプレーエリアを前目にしていたことを明かした。明日の本番でも攻撃陣は流動的なポジショニングを取りながら効果的なプレーを見出していくだろう。

 日本より実力的に下回るシンガポールは、自陣に引いてブロックを作り、カウンターを狙う戦いを仕掛けてくるだろう。となると、日本はゴール前を固めた相手をどう攻略するかという「対アジアの定番課題」に挑まなければならない。

 その攻略の一案として、ハリルホジッチ監督は12日の練習でクサビをうまく使いながら、酒井宏樹と長友の両サイドバックをタッチライン際に飛び出させ、そこから中を崩す形を繰り返した。左の長友にしてみれば、縦関係を形成する宇佐美との連携をよりスムーズにし、お互いを生かし生かされる関係を熟成し、ピッチ上で表現していかなければならない。そこは本人も強く意識していくところという。

「イラク戦の時は宇佐美が前にいたんで、彼の能力を引き出したい、気持ちよくプレーさせたいと思ってやってました。宇佐美に守備の負担を負わせることのないように前に残ってもらって、自分がサポートすることを心がけました。彼は中に入ってシュートというストロングポイントがある。僕がディフェンスを引きつけておとりになって、彼が中というパターンをサポートしたいと思ってやりました。ただ、もちろん、自分も外でボールをもらえるタイミングで走ってます」と長友は宇佐美がフィニッシュに行っても、自分がパスを受けて外から勝負してもいいように、幅広い選択肢を持ちながらやっていくつもりだ。

 宇佐美の方も「自分のパスで佑都君の推進力を生かせればいいですし、逆に佑都君の推進力を生かしておとりにつかうこともできる。間違いなく消し合うことはないですね。ただ、イラク戦の時は相手が佑都君と真司君のところにだいぶ来ていた。そのケアを試合の中で話し合いながらやってましたけど、自分が佑都君のところにいいパスを通す場面はもっとできたと思います」と改善の余地があることを口にした。

 長友がハリルホジッチ体制初陣だった3月2連戦(チュニジア・ウズベキスタン戦)に負傷で参戦できなかったこともあり、長友と宇佐美の関係は6月8日から約1週間しかトレーニングする時間がなかった。ザックジャパン時代の4年間、じっくり時間をかけてコンビネーションを研ぎ澄ませてきた「長友・香川のホットライン」ほどの精度はまだ出せないかもしれないが、2人の関係が確立されてくれば、当時以上の破壊力を出せるはずだ。

 それを実践するためにも、ロシアへの第一歩となるシンガポール戦の一挙手一投足が気になるところ。ザック時代の「左の生命線」を上回る新たな可能性をぜひとも埼玉スタジアムのピッチで示してほしいものだ。

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