イラク戦でゴールを決めた槙野智章(中央) [写真]=Getty Images
11日に行われたキリンチャレンジカップ2015で4-0とイラク代表に快勝した日本代表。本田圭佑(ミラン)のゴールで早々に先制点を奪ったチームに貴重な追加点をもたらしたのは、「自分の仕事は守備」と語っていたセンターバックの槙野智章(浦和レッズ)だった。
9分、香川真司(ドルトムント)の左CKがファーサイドに流れたところに詰め、左足のインサイドで確実に押し込んで追加点。アルベルト・ザッケローニ体制だった2012年2月24日のアイスランド戦(長居)以来となる代表2ゴール目を叩き込むと、力強く右腕を天に突き上げた。
「ホイッスルと同時に、(本田)圭佑くんたちがかなり自分たちから高い位置でプレスをかけようと話をしていたので、短い時間での1点だったと思いますし、僕のゴールに関しては分析結果と言ってもいいと思います」
分析結果とは——。槙野は続けてこう口にした。
「ワンクッション前で置くことと、ファーサイドがフリーになるのは分析の結果で、監督も僕によく言っていましたし、試合が始まる中で『危険なところに走って行け』とは言われていました」
事実、槙野のゴールシーンでは、ニアに酒井宏樹(ハノーファー)、中央に吉田麻也(サウサンプトン)がいたが、ファーサイドの槙野はフリーだった。「分析が非常にレベルが高いので僕たちもやりやすかったし、相手の弱点を突くことができた」。
前日練習後に「自分の仕事は守備」と語っていた槙野。所属の浦和レッズでは3バックの一角から見せる攻撃参加を大きな武器としているが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表では4バックの中央に陣取り、相手FWにチャンスを作らせないことを心掛けていた。
「勝つことはもちろんだけど、絶対に失点しないことは今日僕らに与えられた仕事だったので、まずはそれを全うできたことは良かったです」とDFとしての及第点を与えた上で、初めて組んだ最終ラインについては「前の試合よりも高いライン設定をしていたので、相手にシュートに持っていかれるシーンもなかったですし、オフサイドも取れましたし、いつもよりも非常にライン設定が高くコンパクトに試合運びができた。非常にやりがいのある、手応えを感じられた試合だった」と満足気だった。
16日に行われるロシア・ワールドカップのアジア2次予選、シンガポール戦に向けて、「次は(W杯)予選なので点を取らないといけない。あとあとに響いてくるので、取れるところではしっかり点を取らないといけないし、守備陣にとってはしっかりゼロで抑えることが重要な仕事になる」と槙野。まるで自分自身に言い聞かせるように、力強く語った。
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