代表合宿でトレーニングを行うDF槙野智章 [写真]=兼子愼一郎
文=青山知雄
キックオフからの10分間で主導権を握るべし。
11日にイラク代表とのキリンチャレンジカップ2015に臨む日本代表が10日、神奈川県内で前日練習を実施。スタメン出場が濃厚と思われる浦和レッズ所属のDF槙野智章がキックオフから10分間のプレーに集中力を傾ける意欲を見せた。
この日の前日練習でスタメン組と思われるメンバーに入った槙野はイラクの印象について、「たくさんビデオで試合を見ています」と説明。親善試合でもヴァイッド・ハリルホジッチ監督がしっかりと相手国を分析して勝利を目指していることを明らかにした。今年1月のアジアカップで対戦した際には日本代表が1-0で勝利したが、当時からメンバーが半分程度入れ替わって監督も交替。それを受けて槙野は「より良いチームになっている印象を受けています」と評価し、その上で試合のポイントが開始10分にあるとした。
「ハリルホジッチ監督も言っていましたけど、開始からの10分間で相手とチームの特徴を一人ひとりが把握しなければいけないと思っています。そのへんは僕自身もそう。特に相手の攻撃陣は把握しなければいけないですね」
いくら映像でチェックしていても、実際に向かい合わなければ、相手選手が仕掛けてくるタイミングやクセは分からない。槙野自身も「選手一人ひとりの特徴は対峙してみないと分からないですしね。そういう部分でも賢い選手にならなければいけない。二度三度対峙することで分かるはず。ガムシャラにやるより、一歩引いて相手の出足を見ることも必要かなと思います」と試合への入り方に細心の注意を払うことを意識している。
横浜へ移動してからの練習をサンフレッチェ広島ユース時代の恩師でもあるU-15日本代表の森山佳郎監督が視察。「サッカーよりも人間的な部分を育ててもらった恩師ですから」と振り返る槙野も、師匠の下へ足を運んであいさつしていた。「こうやって代表に選んでもらえるのも“森山イズム”があったからこそ。ゴリさんにはサッカー以外の部分を徹底的に教えてもらった。本当に感謝しています」と原点を思い返した槙野が、いよいよ本格的にロシアへ向けて出航する。