ブラジルW杯の韓国戦でゴールを喜ぶハリルホジッチ [写真]=FIFA via Getty Images
日本代表監督に内定し、正式契約が間近となったヴァヒド・ハリルホジッチは情熱家であり、勝利に対して強いこだわりを見せることで知られる気鋭の監督だ。
フランスリーグのナントで2度の得点王に輝いたストライカーは、指導者としてはモロッコのラジャ・カサブランカでCAFチャンピオンズカップを制して頭角を現すと、フランスのリールでは2部リーグで優勝した翌シーズンにリーグアンで3位に躍進させた。
さらにチャンピオンズリーグの予備選で中田英寿を擁するパルマを破り、本大会に出場。この時、中盤のハードな守備でパルマの攻撃を潰し、さらに中田をマンマークで封じ込めた戦いぶりは、徹底して相手を研究するハリルホジッチのスタンスを象徴する“原点”として振り返ることができる。本大会では1次リーグで敗れたものの、マンチェスター・Uに敢然と挑み、ホームでは1−1で引き分けるなど確かなインパクトを残した。
そこからパリ・サンジェルマンなどクラブで実績を築き上げたハリルホジッチは2008年から率いたコートジボワール代表で破壊的な攻撃サッカーを構築。ディディエ・ドログバを中心とするタレント集団に組織を植え付け、厚みのあるサイド攻撃を武器に、W杯予選を圧倒的な強さで突破。当時はアフリカ最強国として南アフリカW杯の躍進が期待されたが、上層部と確執が強まり、アフリカネーションズカップの準々決勝敗退により解任されてしまった。
その後、ディナモ・ザグレブでクロアチア人以外では1999年にオズワルド・アルディレスが率いて以来の外国人監督となり、クロアチアリーグとカップを掲げ、2011年にアルジェリア代表の監督に就任。個性派を揃えながら組織の統率制に欠けたチームを堅守と鋭いカウンターの戦闘集団に変貌させ、ブラジルW杯で大方の予想を覆しグループリーグを突破。さらに世界王者となるドイツを敗退寸前まで追い込む戦いを見せた。
こうしたキャリアの中で見られるのはチームを強化し、勝利に導くために妥協しない性格と、不満があれば協会やクラブの上層部にも容赦なくぶつける性格だ。実際、昨年のブラジルW杯後に就任したトルコのトラブゾンスポルでは、半年も経たないうちに双方合意による契約解除をしている。日本サッカー協会も、これまで良くも悪くもエキセントリックだったフィリップ・トルシエや頑固なイビチャ・オシムなど、気難しい指導者を経験しているが、強化のための要求にしっかりサポートしていけるかどうかは正否の生命線となるだろう。
チームの強化に関してはコートジボワールでもアルジェリアでも、その国を代表する選手たちの特徴をしっかり見極めて基盤を作り、そこにハードワークと組織を植え付けていくのが“ハリルホジッチ流”であり、チームの中に選手の個性を取り込む手腕にも優れている。ただし、規律に関しては非常に厳しい部分があり、勝利のために自分を犠牲にできない選手はどれだけのタレントでも代表チームから外される可能性が高い。ただ、オン・オフの切り替えはしっかりしていて、対話を好む明るい素顔を持つ人物としても知られる。
ハリルホジッチが理想とするのは1、2タッチで素早くスペースにボールをつなぎ、高い位置に起点を作って前線に人数をかけていく攻撃的なサッカーだが、守備のベースは崩さない。またそうした理想を掲げながら、対戦相手の研究を徹底して行い、必要なら高い位置からのプレスを捨てて、ドイツ戦の様にリトリートから縦を切り、ボールを奪ったら素早いカウンターに勝機を見出す戦い方も選択させることもできる。
チームのベースをしっかりと磨き、対戦相手を分析して試合ごとにアレンジしていく。システムは実際に日本の選手たちを見極めながら固めていくことが予想され、またブラジルW杯のアルジェリアで見せた様に、試合や流れによって形を柔軟に変えられるチームを作っていくはず。クラブの様に継続して強化できないが、これまでの経験からその事情は百も承知だろう。
また選手のモチベーティングも得意としており、大きな試合になるほど勝利の意欲を高め、実際に“格上”のチームと好勝負を演じ、時に負かしてきたのがハリルホジッチだ。ドイツ戦で善戦しながら延長戦の末に敗れると、一目もはばからず涙を流した。そんな熱い監督を日本に迎えられることを喜びつつ、新チームがスタートしたら厳しく、しかし希望を持って見守っていきたい。
文=河治良幸
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