4日のオークランド・シティ戦に出場した日本代表MF乾貴士 [写真]=Getty Images
2015年の初実戦となった4日のオークランド・シティ戦から一夜明けた5日。日本代表は2015年アジアカップ(オーストラリア)の事前合宿地であるセスノックで、10時半から地元クラブのランブトン・ジェファスFCと2日連続で練習試合(30分×2本)を行った。
この日は前日フル出場した本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(マインツ)、長谷部誠(フランクフルト)ら主力メンバーは出場せず、途中で下がった遠藤保仁(ガンバ大阪)、香川真司(ドルトムント)、乾貴士(フランクフルト)、後半途中から出た今野泰幸(ガンバ大阪)、清武弘嗣(ハノーファー)、武藤嘉紀(FC東京)と昌子源(鹿島アントラーズ)、出番のなかった吉田麻也(サウサンプトン)や小林悠(川崎フロンターレ)らが30分×2本のゲームを消化。遠藤、中島翔哉(FC東京)、昌子、清武、乾の2発、小林のゴールで7-0と圧勝した。チーム全体が活性化されるとともに、今後に弾みがついた模様だ。
前日のゲームでは待望の先発というチャンスを得ながら、武器であるドリブルを前面に押し出すシーンが少なかった乾。しかし今回のゲームで2点をマークしたことで、一段とレギュラーに近づいた印象だ。
「全然まだフィットしていると自分としては思ってないですけど、もっとコンビネーションとか崩しの形を増やしていかないといけないし、もっと攻めのパターンも増やしていかないと。今はクロスだけの状態になっているので、それで決められればもちろんいいんですけど、単純な攻めだけだと厳しくなってくる。もうちょっと中で崩したりっていうのをやっていきたいかなと。外の(長友)佑都君(インテル)に出すのもいいけど、俺のところで当てて、そこからオカちゃん(岡崎)とか真司を使いながら崩していくのも入れないと、相手も対応しやすいですし」と乾は自分のチームの課題をズバリ口にした。
オークランド・シティ戦のパフォーマンスにしても、自分自身の弱気な部分が気になったという。
「この暑さですし、(ボールを)取られると守備にすぐ回らなければいけないっていうのが一番きつい。そういうところの弱気な姿勢が昨日は目立ちましたね。前に出せるところは狙っていかないといけないっていうのは、昨日圭佑君やオカちゃんとも話していました」
確かに4日の試合後には、本田、岡崎、長友、乾という4人でストレッチをしながら盛んにコミュニケーションを取っていた。2009年から代表招集されている乾にしてみれば、岡田武史監督時代から代表でプレーしている選手たちとは垣根が全くないのだろう。さっくばらんに自分の意思を伝えられる関係を構築できれば、ピッチ上でのより良いパフォーマンスにもつながる。そういう積極的な話し合いを若いメンバーともやっていけるようになれば、乾の存在感もより一層高まっていくだろう。
今回のアジアカップは彼自身のキャリアが大きく変化するビッグチャンス。ここで勝負を賭けたいものだ。
文=元川悦子