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「基準がまた一段階上がった」同僚・川辺駿も太鼓判! 広島の大卒ルーキー中村草太、9月の日本代表入りへ連発狙う

2025.08.24
「基準がまた一段階上がった」同僚・川辺駿も太鼓判! 広島の大卒ルーキー中村草太、9月の日本代表入りへ連発狙う

[写真]=金田慎平

 ミヒャエル・スキッベ監督就任後、サンフレッチェ広島は毎年のようにJ1優勝争いを繰り広げている。しかしながら、今季は序盤からトルガイ・アルスラン、中島洋太朗らキーマンが負傷。FW陣の得点数が伸び悩むなど苦しい状況が続き、今季のJ1リーグではまだ一度も首位に立っていない。しかも、8月20日のJ1第30節ヴィッセル神戸との上位対決をホームで落とすという苦境に直面した。これ以上の停滞は悲願のタイトル獲得への足かせになりかねない。中2日で迎えた23日のJ1第27節 アウェイでの東京ヴェルディ戦は勝ち点3がマストの一戦だった。

 指揮官は神戸戦からスタメンを5人を入れ替えた中、目下チーム最大の得点源となっている中村草太は連続で先発。1トップの木下康介の背後にヴァレール・ジェルマンと2シャドーを形成し、攻撃にダイナミズムをもたらす役割を託された。

 こうした中、広島は開始早々の6分に左CKから先制点を手に入れる。中島が蹴ったボールをジェルマンがニアでヘッド。これが右ポストに当たり、跳ね返りを中野就斗がしっかりと押し込む形だった。早い時間帯の1点リードがチーム全体を楽にしたのは間違いないだろう。1−0で後半に折り返し、スキッベ監督はジェルマンに代えてジャーメイン良を投入。最初は中村とジャーメインが2シャドーを組む形だったが、後半15分以降はジャーメインが最前線へ移動。中村は若い中島とシャドーを形成したが、どちらかというと2トップに近いような立ち位置でプレーすることもあった。

 そういった流れの中から後半17分に勝負を決める2点目が生まれる。斎藤功佑のバックパスを中村がカット。これをジャーメインに預け、背番号39は一目散に大きなスペース目がけて走り、リターンを受けた。次の瞬間、GKマテウスを抜き去り、カバーに来た谷口栄斗の位置をしっかりと見据えて左足を一閃。左ポストに当てながらもシュートを決め切り、勝利を決定づける追加点を奪ったのだ。

「広大なスペースがあったんで、『来た』と思ったんですけど、(平川怜に)ちょっと足引っ掛けられて『これ倒れたらレッドなんじゃないかな』と思いながら、倒れるか倒れないか迷っちゃった。でも倒れずに行って良かったなと思います。GKをかわした時にちょっと外側になっちゃったので、そのまま右足で打ったら相手もカバーに来ていた。少しでもゴールに近いようにと思って左足で持ち替えました。DF(谷口の)動きは見えていたというか、予測ですね。ポストに当たって入るのはやっぱり持ってるのかな」

 中村は細かくゴールに至る流れを振り返っていた。そこまで一つひとつをしっかり考えながらプレー選択できるあたりが、規格外の大卒ルーキーの頭抜けたところだ。「(草太は)重要な役割をする選手になった。最近まで大学生だったが、チームで重要な役割りを担える存在。いろいろなポジションができるし重要な働きができる。裏に抜けるし、アシストもできるし点も取れる」とスキッベ監督も絶賛していたが、今の広島に欠かせないアタッカーになったのは事実。彼に続いて新井直人のFK弾も決まり、広島は3−0で勝利。J1タイトル争いに踏みとどまることができた。

 ご存じの通り、広島には7月の東アジアE-1サッカー選手権2025に挑んだ選手が6人いる。その中でも中村の成長曲線の上がり方は破格ではないか。同じ代表参戦組の川辺駿もこんな話をしていた。

「今回、代表へ行って、チームとは違うレベルや求められる戦術を感じて、基準がまた一段階上がったのは確かです。特に草太はまだプロになって8カ月の選手ですけど、すごく成長しているなと感じますし、スピードやクオリティがチームの助けになっている。このまま活躍し続ければ、欧州行きに近づくのも間違いないと思います」

 自身も欧州を経験して古巣に復帰した川辺だからこそ、Jリーグ規格にとどまらない中村の大きなポテンシャルを実感しているのだろう。その期待通りにゴール・アシストという目に見える数字をグングン伸ばしてくれれば理想的だ。

 実際、今季の広島は総得点が33と上位グループでは最も少ない。最多得点者は中村の5点で、ジャーメインと新井が4点、木下(広島移籍後の得点数)と荒木隼人、東俊希が3点と突出した点取り屋がいない。ゆえに、中村が2桁ゴールを取れるような存在にならなければ、タイトルを手にするのは難しくなる。彼にはコンスタントに結果を残せるアタッカーになってほしいところだ。

「今日1日だけ良くて、次の試合はまたダメっていうのは一番やってはいけないこと。この次の試合が本当に一番大事なんです。連戦ということもありますし、いろいろ選手が起用されると思うので、その中でコミュニケーションを図りながら、精度を高めていきたいですね」

 語気を強めた中村草太。その言葉通り、27日の天皇杯準々決勝・名古屋グランパス戦での連発は必須だ。翌28日の予定されている9月シリーズの日本代表メンバー発表につながるような華々しい活躍をぜひとも期待したいものである。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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