執念の一撃を決めた仲川輝人(右) [写真]=柳澤健太
2025明治安田J1リーグ第24節が19日に行われ、FC東京と浦和レッズが対戦した。
東アジアE-1サッカー選手権2025が行われていた関係で、約1週間の中断期間を挟んだ2025明治安田J1リーグ。再開初戦では、複数名の新戦力を迎え入れて、下位からの脱出を目指すFC東京と、FIFAクラブワールドカップ2025の戦いを終えて、約1カ月半ぶりのリーグ戦を戦う浦和レッズが、『味の素スタジアム』で激突する。
FC東京は前節終了時点で7勝5分11敗の成績を記録し、現在は16位に沈む。降格圏の18位横浜FCとは勝ち点が「7」離れており、リーグ後半戦はより上の順位を目指す期間としたい。対する浦和は、消化試合数が2つ少ない状況で、9勝7分5敗の成績を残し、現在は暫定8位につける。首位に立つ柏レイソルとの勝ち点差は「10」と開いているが、未消化分の2試合を勝利すれば、優勝争いを続けることも決して困難ではない。世界の戦いで感じた経験を、まずは国内の舞台にぶつける。
FC東京は前記の東アジアE-1サッカー選手権2025に出場していた長友佑都と俵積田晃太が先発に名を連ねたほか、夏の新戦力であり、古巣の浦和戦に臨むアレクサンダー・ショルツもスタメンに入る。16日に行われた天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会からは中2日と過密スケジュールだが、GKを除く10名を入れ替えている。対する浦和は、サミュエル・グスタフソンやマテウス・サヴィオ等の主力に加えて、ショルツと同じく古巣戦の渡邊凌磨も先発。クラブW杯前に加入が発表された小森飛絢は、スタメンで浦和デビューを果たす。
試合はキックオフからわずか6分にして、ホームチームがスコアを動かす。最終ラインからボールを持ち出したショルツが右サイドへ広げると、高い位置をとった長友が切り返しから左足でクロスボールを供給。ボックス内の遠藤渓太が頭で触り、コースを変えると、ボールはGK西川周作の手を超えてゴールへ。FC東京が先手を取った。
だが、浦和も即座に反撃へ転じる。15分、ペナルティエリア手前の位置でセカンドボールを拾ったマテウス・サヴィオが、相手を引き寄せてスルーパスを送ると、左サイド深い位置から金子拓郎がクロスボールを送る。これは跳ね返されたものの、セカンドボールを巡って、安居海渡が俵積田からボールを刈り取ると、自ら右足を振り抜く。グラウンダーのミドルシュートがゴールネットを揺らし、浦和が同点に追いついた。
勢いに乗る浦和は20分、左サイド大外のスペースでグスタフソンからボールを受けたサヴィオが、右足アウトサイドでスルーパスを送ると、ショルツが足を滑らせ、渡邊凌磨がフリーで抜け出す。右足でニア下を射抜き、渡邊の古巣弾で浦和が逆転に成功した。
ホームで逆転を許したFC東京は、マルセロ・ヒアンが複数の決定機を迎えたものの、フィニッシュがうまく決まらずにゴールとはならない。前半アディショナルタイムには、右サイドで渡邊からボールを奪った橋本拳人がクロスボールを送り、ヒアンがヘディングシュートを仕留めたものの、ここは橋本のプレーがファウルの判定。前半は浦和の1点リードで終了した。
後半に入っても、FC東京が前半と同様にサイド攻撃からゴールを脅かす。その姿勢が実ったのは67分のこと。クリアボールを拾ったショルツが縦パスを送り、タッチライン際で残した長友が、安斎颯馬とのワンツーから右足でクロスボールを送る。中央でボールを収めたヒアンが反転から左足を振り抜くと、シュートは石原広教に当たって、ゴールに吸い込まれる。再三の決定的を仕留め損なっていたヒアンが遂にゴールを奪い、FC東京が試合を振り出しに戻した。
終盤にかけては、FC東京がより多くのチャンスを作ったものの、なかなか次の1点は生まれない。それでも88分、左コーナーキックのこぼれ球を拾った野澤零温が左足を振ると、松尾佑介がクリアしたボールが仲川輝人に当たってそのままゴールに吸い込まれる。終盤の劇的な一撃で、FC東京が逆転に成功した。
後半アディショナルタイムには荻原拓也が左足で放ったシュートがクロスバーを叩くなど、浦和も攻撃に出たが、同点弾は奪えない。試合はこのままタイムアップ。ホームゲームで3得点を奪ったFC東京が、劇的な形でリーグ戦2試合ぶりの白星。天皇杯も含めると公式戦連勝を記録した。一方、浦和はクラブW杯明けの初陣を勝利することはできなかった。
2025明治安田J1リーグは今節をもって中断期間に突入。天皇杯を挟んで迎える次節、FC東京は8月10日にホームで鹿島アントラーズと、浦和は9日にアウェイで横浜FCと、それぞれ対戦する
【得点者】
1-0 6分 遠藤渓太(FC東京)
1-1 15分 安居海渡(浦和レッズ)
1-2 20分 渡邊凌磨(浦和レッズ)
2-2 67分 マルセロ・ヒアン(FC東京)
3-2 88分 仲川輝人(FC東京)
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By サッカーキング編集部
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