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徳島のDFリーダー、森昂大が意識する「チームを勝たせるプレー」 首位・清水撃破へ「自分のところでどれだけ止められるか」

2024.08.26

[写真]=J.LEAGUE

 プロ3季目を迎えたDF森昂大徳島ヴォルティスの“守備の要”として、今季全試合に出場中。昨季限りで現役を引退した石井秀典氏(現クラブコミュニケーションオフィサー)の背番号5を継承し、最終ラインからチームを支える若きDFリーダーだ。

クラブ創立20周年記念試合として行われる明治安田J2リーグ第29節では、ホームで首位・清水エスパルスと対戦する。多くのタレントを擁し、J1昇格争いをリードする首位・清水を相手にも「圧倒する気持ちで臨みたい」と力強い意気込みを語ってくれた。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

――今季リーグ戦全試合に出場し、第2節の鹿児島ユナイテッドFC戦からフルタイム出場を続けています。今季ここまでを振り返っていかがでしょうか?
森  開幕戦はアクシデントがあり、前半の途中から出場しました(※内田航平に代わり、29分から出場)。スタメンで出場できなかった悔しさもありましたし、チームとしても個人としてもなかなか結果を出せず葛藤もありました。4月以降はチームの成績も上向き、個人としても周りを見てより良いプレー選択ができるようになったと思います。ポジションはDFですが、チームを勝たせるプレーを意識しています。無失点で終わることや、苦しい状況の中でもセットプレーで1点を取るという意識を持ってプレーしています。

――第12節のモンテディオ山形戦から最終ラインを3バックに変更し、森選手はその中央という重要なポジションを担っています。
森  昨季も3バックはやっていましたが、3バックの右が多かったので、中央の経験はありませんでした。中央は全体が見えるポジションですし、DFリーダーの自覚を持って試合に臨んでいます。最終ラインを統率することや、ビルドアップでは中央の選手がフリーになりやすいので配球面も意識しています。

――先日行われた第25節の愛媛FC戦では、坪井清志郎選手の決勝点につながる岩尾憲選手へのスルーパスがありました。配球面での成長を感じたのではないでしょうか?
森  最後まで相手DFと岩尾選手の動きを見てパスを出すことができました。もともと後ろからの組み立ては得意でしたが、押し込んだ形でゴールの起点になるパスを出せるようになったのは成長した部分だと思います。

――ポジションはサッカーを始めた時からセンターバックでしたか?
森  センターバックになったのは、小学校6年生の時です。それまではFWやトップ下をやっていました。チーム事情でなかなか後ろの選手が揃わず、当時から身体能力は高い方だったのでセンターバックに抜擢されたのだと思います。

――ご自身のストロングポイントはプロの世界に入っても変わらず発揮できていると感じていますか? またプロ入り後に特に成長したと思う部分があれば教えてください。
森  空中戦の強さはストロングポイントだと思っているので、変わらず自信を持ってプレーしています。後ろからの組み立ては徳島に加入して成長したと思いますし、特に2人のスペイン人監督(ダニエル・ポヤトス監督、ベニャート・ラバイン監督)には鍛えられました。スペースを見つけ、より良い立ち位置を取って相手を剥がしていくという頭を使う部分ではすごく成長させてもらったと思います。

――今夏は岩尾選手を筆頭に多くの選手が加入しました。チームのムードはいかがですか?
森  いろいろな特長を持った選手が加入して、チームにより活気が出てきたと思います。その中でも岩尾選手は試合や練習で締めるべきところで締めたり、流れを見ていろいろと発信してくれます。そういった発信や落ち着きを与えるという部分は、僕ら若い選手も見習っていかなければいけないと思っています。

――8月31日(土)の第29節はホームに首位の清水を迎えます。クラブ創立20周年記念試合ということで、OBマッチや記念Tシャツの配布などがあります。たくさんのファン・サポーターが来場する一戦となりますが、どんな試合を見せたいですか?
森  自分たちのサッカーを全面に出して、上位の清水を圧倒する気持ちで臨みたいと思います。清水には個の能力が高い選手もたくさんいますが、清水に負けないくらい徳島にもいいメンバーは揃っています。ホームでファン・サポーターの皆さんに戦う姿勢を見せて勝ちたいです。

――清水との前回対戦(4月3日の第8節)は増田功作新監督の初陣でした。後半アディショナルタイムに追いつきドローという結果でしたが、改めて振り返っていかがでしょうか?
森  新体制での初戦だったので、戦術云々よりもまずは戦う姿勢を見せることだと思っていました。清水を相手に臆することなく、特に後半は押し込むこともできて、あと一歩というところまで行けました。浮上するきっかけの一つだったかなと思います。

――今回はより自信を持って清水戦に臨むことができると思います。
森  4月とはまた違った内容の試合ができると思っていますし、練習から一体となってやっていくことが大事です。今はどのチームも対策を講じてくる中、その対策を上回って一人ひとりが良いパフォーマンスを見せなければいけません。清水には個の能力が高く、経験値が豊富な選手もたくさんいます。ですが、そういった選手たちを自分も個の力で止められるようにならないと、この先のキャリアで活躍していくことは難しいと思っています。清水戦は自分のところでどれだけ止められるのか。個で負けないことがポイントだと思っています。

――清水戦を含め、残り10試合となりました。序盤戦の苦しい時期も乗り越えたからこそ、いい形で今季を終えたいという気持ちも強いと思います。
森  序盤戦の苦しい時期を経験したからこそ、今の自分たちがあると思っています。J1昇格という目標は変わりません。最後に目標を達成できれば、徳島を応援してくれる皆さんに「苦しい時期があったからこそ成長できた」と思ってもらえるはずです。そのために自分たちはピッチの上で結果を残していきます。

――その中で改めて今季ここからどういったパフォーマンスを見せていきたいですか?
森  ゼロで終えることができれば、最低でも勝ち点1が手に入ります。DFとしては最後に絶対やらせないという気持ちを見せていきたいですし、自分のプレーでチームを勝たせられるようにやっていきます。徳島にはいい選手が前線に揃っているので、毎試合得点を取ってくれると信じていますし、攻撃と守備が噛み合えば結果もついてくると思っています。

――第17節のいわきFC戦ではプロ初ゴールを決めました。ホームで森選手のゴールを見たいファン・サポーターも多いと思います。
森  初ゴールを決めて「嬉しい!」というより、「この試合に絶対勝たなければ」という思いで頭がいっぱいでした(笑)。ホームでも得点を取りたいですね!

――では、最後にファン・サポーターにメッセージをお願いします。
森  今季の徳島は苦しみながらも少しずつ上がってきていて、ファン・サポーターの皆さんもここから期待してくれていると思います。声援は選手たちの力になっているので、ホームでもアウェイでもたくさんの方に来ていただいて、僕たちの勝利を生で見てほしいです。これからも応援よろしくお願いします!

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明治安田J2リーグ 第29節
徳島ヴォルティス vs 清水エスパルス
8月31日(土)19時〜 @鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム

試合前には歴代の名プレーヤーたちによる20周年記念OBマッチを開催! 徳島ヴォルティスレジェンドアンバサダーの青山隼さんが所属する『SHOW-WA』の来場や、20周年記念Tシャツのプレゼント(来場者先着10,000名様)など、イベントが盛りだくさんです!

20周年記念試合 徳島vs清水 試合情報

By 三島大輔

サッカーキング編集部

サッカーキング編集部所属。 週刊J2&月刊J3 MC。Jリーグ&ブラジルサッカーウォッチャー。

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