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広島の新スタジアム完成!仙田社長「試合なくても楽しめる施設を目指す」 来季スローガンは「シン・ぶちあつ!」

2023.12.28

広島の新スタジアムが完成した [写真]=湊昂大

 サンフレッチェ広島の新たな本拠地となる新スタジアムが28日に完成した。指定管理者に任命されたクラブは同日、広島市からスタジアムを引き渡された。

 仙田信吾代表取締役社長は、「新サッカースタジアムは37万人もの署名をいただいて動き出し、それから紆余曲折を経て場所が決まり、目標を大きく上回る募金も寄せていただきました。その上で、これだけのスタジアムを作っていただいた広島市、短い工期を克服してスタジアムを完成させた建設関係者の皆様に心より感謝を申し上げたいと思います」と話した。

 新スタジアムは広島市中心部の中区基町にある中央公園に建設され、2022年2月1日の着工から約2年をかけて完成した。観客席は2万8520席で、最前列の席とピッチの距離は約8メートルの近さ。メインビジョンは幅32メートル、高さ9メートルと国内最大級を誇る。スタジアムの名称は株式会社エディオンが年間1億円、期間10年間の契約で命名権を取得し、今年6月に「エディオンピースウイング広島」に決まった。

新スタジアム前で取材に応じた仙田社長 [写真]=湊昂大

 サンフレッチェ広島は今年2月8日に新スタジアムの指定管理者に内定。スタジアムが完成した12月28日、指定管理者として広島市から書類や鍵を引き受けた。仙田社長は、「とにかくまずはスタジアムを満員にしていく。そのムーブメントを作っていく」と力強く語りつつ、「広島の新しいランドマークとして試合がなくても楽しめる施設を目指します」と意気込んだ。

「これから男女のプロサッカーチームが迫力ある懸命なプレーをお見せし、最新の大型映像装置が感動を高めていきます。試合のない日にもショップやミュージアムを開きます。ミュージアムは被曝の惨禍から立ち上がる若者に生きる勇気を与えた広島サッカーの歴史を中心に発信し、SNSなどでもサッカーによる平和宣言としてグローバルに発信していきたいと考えています。スタジアムツアーやさまざまなイベントも計画していて、施設の貸し出しも可能になり、来年夏に完成する公園広場とともに広島スタジアムパークとしての一体運用が可能になってきます」

 エディオンピースウイング広島は来年2月10日にグランドオープンを迎える。同2月1日~5日には広島市主催の内覧会が行われ、同6日~9日はプレオープン。グランドオープンの日には、こけら落としでガンバ大阪を迎えてプレシーズンマッチを行う。

 規模も環境も違う新スタジアムで、クラブとしても新たな挑戦が始まる。仙田社長は、「これから竣工式まで1カ月しかありません。40日後にはこけら落としのトライアルマッチ、そして2月後半にはJリーグが開幕します。助走期間がない中で、まずは試合がスムーズに運営できる体制を固めて、それから施設利用のアイディアについては広くお声を伺っていきたいと思っています」とコメント。すでに、新スタジアムでアウェイゲームのパブリックビューイングを実施することも検討しているという。

 クラブは2024シーズンのスローガンも合わせて発表し、「シン・ぶちあつ!」に決定。広島弁で「すごく熱い」を意味する「ぶちあつ」が3年連続で継続され、そこに新たに「シン」が追加された。

仙田社長が来季スローガンを発表 [写真]=湊昂大

 仙田社長は、「新スタジアムの『シン』、進化したサッカーを展開するという意味の『シン』、自分と仲間を信じて戦うという意味の『シン』、タイトル獲得を果たして真の王者になるという意味の『シン』。そういった強い決意を込めたスローガンです」と説明。「2年続いた『ぶちあつ』に『シン』を入れたのは、とりわけ新スタジアムの『シン』が大きい。新スタジアムで経営規模もワンステップ上がるので、J1の中のさらにトップ層を目指すという思いをこのスローガンに込めています」と意気込んだ。

 また、仙田社長は、広島広域公園第一球技場の命名権取得を目指すことも表明。「中学生年代のジュニアユース、小学生年代のジュニア、そしてスクールについては練習場が不足しているので、第一球技場に深く関わっていく1つのきっかけとしてネーミングライツを取りにいきたい」と明かした。広域公園第一球技場はこれまでサンフレッチェ広島レジーナの本拠地だったが、来年2月から新スタジアムに移転する。

取材・文=湊昂大

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By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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