[写真]=J.LEAGUE、小林渓太
■湘南ベルマーレ 2年ぶりの白星奪取へ。持ち前の粘り強い守備の復活がカギに
【プラス材料】
前節の名古屋グランパス戦は0-1で敗れた。勝ち点を持ち帰ることはできなかったものの、すべてが否定される内容ではなかった。特に前半はポゼッションを高めて序盤から押し込み、流れやセットプレーから一度ならずゴールにも迫った。第23節の鹿島アントラーズ戦を上回る7本のシュートを前半だけで記録したところにも、攻勢のほどが表れている。
合流間もないDF杉岡大暉が好パフォーマンスを示したことも心強い。左センターバックで先発すると、対人の強さを発揮して守備を締め、縦パスやオーバーラップで攻撃の推進力も喚起した。鹿島でチームメイトだったMF名古新太郎を始め、周囲との連係も悪くない。勝ち点は得られなかったが、すぐにフィットして特長を発揮した手応えは今後にポジティブにつながるに違いない。
【マイナス材料】
名古屋戦での黒星を受け、中断前から続いている連敗は今季最長を更新して「5」に伸びた。降格圏内に陥っている中、勝ち点3差で上を行く清水エスパルスとの直接対決が重要であることは言うまでもない。
ただ、過去をひも解くと、清水との対戦成績は芳しくない。通算対戦成績は8勝6分20敗、湘南ベルマーレのホームゲームでも4勝3分8敗と黒星が先行。最後に勝利したのは2019年の第5節で、それ以降は2分2敗と4試合未勝利が続いている。前回対戦は相手にペースを握られながらも引き分けに持ち込んだが、果たして今回はどうか。
鹿島戦、名古屋戦と中断明けの2試合続けてセットプレーから失点している点も気がかりだ。粘り強い守備で失点を抑えてきた前半戦の戦いを思えばこそ、セットプレーに至る流れも含めて見直したい。
文:隈元大吾
■清水エスパルス 新加入組が随所で存在感を発揮。今度こそ勝利をつかめるか
【プラス材料】
新戦力やケガから復帰した選手が徐々に試合に絡み始めているのは大きなプラス材料と言える。
水曜日の天皇杯ラウンド16の川崎フロンターレ戦では、新外国籍選手のMFホナウドとMFベンジャミン・コロリ、復帰組のMF中村慶太がそれぞれ45分間プレー。特にホナウドはボランチとしてボールを奪う強さやキープ力、展開力と多くの面で能力の高さを示した。B・コロリと中村も他にない特長を備えており、調子が上がれば大きな戦力となる予感を漂わせた。FW藤本憲明はヴィッセル神戸で天皇杯に出場していたため出られなかったが、コンディション的には合流直後の今節からでも出場可能。ゴールへの嗅覚や決定力は折り紙つきなので楽しみにしたい。
同じく新加入組ではMF松岡大起とDF井林章も試合ごとに存在感を高めており、攻守両面でプラスの効果を与えている。
【マイナス材料】
公式戦5試合勝ちなし(2分3敗)と結果が出ておらず、勝ちきるという面で自信や冷静さが不足しているのは否めない。
点が取れていないわけではないが、取るべき選手が取れておらず、エースのFWチアゴ・サンタナは6試合ノーゴール。また、セットプレーやカウンター以外からの得点が少ないという課題も続いている。決定力のある藤本の加入は好材料だが、彼に良いラストパスを供給できるかという部分は未知数だ。加えて、FWカルリーニョス・ジュニオのケガが全治6週間と発表され、長期離脱になったのも痛い。
守備面では、公式戦ここ5試合の1試合平均失点が「1.80」と増加傾向にある。決めきる・守りきるという部分の課題は個の力とも関係するが、新戦力や復帰組が入ってくる中、そこに変化が見られるかどうかが注目される。
文:totoONE編集部