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中村憲剛が18年間の現役生活に幕「フロンターレに入れて本当に良かった」

2020.12.21

中村憲剛が現役引退セレモニーを実施した [写真]=金田慎平

 川崎フロンターレは21日、等々力陸上競技場にてMF中村憲剛の現役引退セレモニーを実施した。

 まず、マイクを持った中村は「皆さんこんばんは。川崎フロンターレ中村憲剛です。まず、この新型コロナの影響で外出するのもままならない大変な中、そして寒い中、ここに足を運んでくださった皆さん、本当に本当にありがとうございます。そして、DAZNさん、僕というような人間のために、僕のような人間の引退セレモニーのために、ここに来られなかった方々のために生配信をしていただき、本当にありがとうございました」と話した。


 続けて、川崎フロンターレへの感謝の思いをコメント。入団した2003シーズンの思い出や今後のフロンターレへの期待などを口にしている。

「ずっと、この日が来ないことを考えていて。けれども今、真太郎さんとSHISHAMOの4人でつくってくれたVTRを見て、『あ、俺引退するんだ』って思いました。どこかで会見もしましたし、発表もしましたが、自分の中では他人事のようなところがあったんじゃないかと、今になって思います。けれども、これだけの人が来てくれて、ハシゴがすごく高い消防車が弾幕を出してくれたり、桐谷さんがチャリンコで走ってくれたり、パトカーを追いかけたり、本当に『このクラブすげーな』と思ったんですけど、それは全て自分のためにやってくれたことであって。『ありがとう』って、皆が言ってくれたけど、『ありがとう』と言いたいのは僕の方です。なんでもない大学生を拾ってくれたフロンターレに感謝しかありません。本当にありがとうございました」

「僕はフロンターレで学んだことがあって。Jリーガーというのは、お金を稼いで、いい車に乗って、いいものを買って・食べて、サッカーをすればいいと、入る前に思っていました。けれども、このクラブに入って、そうではないことに気づかせてもらえました。それは、地域密着、『川崎市の皆さんを笑顔に、元気にする』という合言葉を持つクラブに入ったことで、本当に多くの方々と接し、本当に多くのものを学び、何より僕自身が皆さんと触れ合うことを楽しみにしていました」

「今でも忘れません。2003年の開幕戦は雨でした。3000〜4000人しか入りませんでした。『本当か?』と思いました。それでも、地域密着を続けて、皆さんとともに歩んできた結果、今フロンターレはこれだけ大きなクラブになりました。これは先輩たちから始まって、川崎フロンターレを強くしたい、良いクラブにしたいと思う、クラブ・サポーター・スポンサーの皆さん、本当にみんなが同じベクトルを、同じ方向を向いた結果だと、僕は思いました。これは多分、自分がただサッカーをやっていればいいという発想の人間だったら、ここまでプレーヤーとして続けられませんでしたし、フロンターレも地域の皆さんを巻き込んでここまで大きくなることはなかったと思っています。本当にそういった意味で、僕はフロンターレに拾ってもらって心から良かったと思っていますし、この18年間、本当に感謝の気持ちしかないです。僕はこの後、今いる選手たち、クラブのみんな、スタッフのみんな、サポーターの皆さん、スポンサーの皆さんが、これまで以上に愛する・愛されるクラブになっていってほしいなというのを、心から願っていますし、フロンターレに関わる1人1人が、フロンターレ愛を持って、それぞれがそれぞれの立場でフロンターレのために戦ってほしいなと心から思います」

 また、中村はプロサッカー選手を目指している子どもたちへもメッセージを送った。「今フロンターレに入りたい、フロンターレを目指している子どもたち。僕自身は小さい頃、小学生の時は本当に小さくて、高校に入った時も小さくて、今も体は華奢ですし、体は強くないですけれども、40までプレーすることができました。何が言いたいかっていうと、体の小ささや身体能力の低さはハンデじゃないということです。おそらく小学生、中学生、高校生で悩んでる子はいっぱいいると思います。けど、そうじゃないと、僕のキャリアが言っています。子どもたち1人1人の皆に可能性があります。それに自ら蓋をして欲しくないし、指導者の人たちも『ただ小さいから使わない』『足が遅いから使わない』という目線で見ないで欲しいなと心から願っています。逆にそのハンデをチャンスだと思ってください。周りの環境やチームメイトは一切関係ないです。全部自分にベクトルを向けてください。そうすれば、その気持ちを持って1日1日頑張れば、必ず道は拓けます。そして、周りが助けてくれます。なので、今サッカー選手になりたいけど少し悩んでいる子どもたち、もう一度明日から新しい気持ちでボールを蹴って欲しいなと思っています。そして、川崎フロンターレは、こういう風に頑張った選手に素晴らしい舞台を用意してくれる最高のクラブです。フロンターレを想っている選手たちがここに入って、1人でも多くの選手がこのような舞台で引退セレモニーを行うことを僕は心から願っています」

 中村は「最後になりますが」と前置きし、家族への感謝を言葉にした。「18年間、ちょっと最後は前十字を切ってしまいましたけど、この年齢になるまで大きなケガもなくプレーできる体に産んでくれた、そして育ててくれた両親、小さい頃から応援に来てくれて、今でもずっとサポートしてくれている姉2人、本当にありがとう。僕はみんなのサポートがなければサッカー選手になっていなかったと思うし、ここまで頑張れなかったと思っています。本当に、2人の子どもで良かったなと思っていますし、中村家の人間で良かったと思っています。そして、先ほど素晴らしい文を書いてくれた息子の龍剛、桂奈、里衣那、本当にありがとう。パパは3人がいたからここまで頑張ることができました。3人にこの景色を見せられて、父親として本当に誇りに思います。悔しい時期もありましたけど、皆と一緒に優勝を喜べたことを一生忘れません。そして、加奈子さん。僕は多分君がいなければここまでには育っていなかったと思います。どんな時もポジティブなことを言ってくれて、前向きに、自分とは逆のことを言ってくれて、常に僕を引っ張ってくれた。本当に感謝しかないです。貴方と出会ってなければ僕はここまで来れなかったと思います。出会ったのは大学4年でしたが、18年間本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします」

「本当に最高のプロサッカー選手生活でした。川崎フロンターレに入れて本当に良かった。みんなに会えて良かったです。僕は頼もしい後輩たちフロンターレの今後を任せて、先のステージへ進みたいと思います。多分これが選手として話す最後の言葉になると思いますが、僕は今日のこの景色を一生忘れません。本当に本当に感謝しています。フロンターレ最高です。ありがとうございました」

By サッカーキング編集部

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