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名古屋が示した確かな成長…3試合連続の完封勝利で無敗を維持

名古屋は敵地で大分に勝利。開幕から無敗を維持している [写真]=名古屋グランパス

 これはある意味で、“無形の形”なのではないか。リーグ戦未だ無敗にして2試合連続で無失点での勝利を得ていた名古屋グランパスは大分トリニータとのアウェイマッチで、これまでとはまた違った強さを発揮し3-0の快勝を収めた。周到な準備と堅実な守備力を利して試合を支配下に置く戦いぶりは変わらない。だが、この試合ほど外的要因に対応しながら戦ったことはなく、それでも勝利への流れを手放さなかったことに大きな意味がある。

「(3-0という)スコアと同様に、試合展開としてもこちらのやりたいことが一方的にできた試合だと思っている」。名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督は充実のコメントで試合後の会見を切り出した。やや相手に勢いを与えた立ち上がりから、それをいなしての前半の先制、後半の追加点、ダメ押しと、守備を安定させながらの快勝劇には確かにそういった手応えもあるだろう。フォーメーション的なミスマッチにも試合中に慣れ、開始11分で阿部浩之が負傷交代するアクシデントにも「(ガブリエル)シャビエルに同じ役割を持たせた。そこに特別な戦術的影響はなかった」と胸を張るだけの試合展開が、確かにピッチ上にはあった。

 得点経過も、その仕留め方も力強かった。攻撃の形がうまく生み出せない中で、先制点を決めたのはサイドバックの吉田豊である。「準備してきたことができずにいた中で、サイドからは外からえぐってのクロスなのか、中にもぐってシュートなのか、と考えていた」。金崎夢生がペナルティエリア内でボールをキープした瞬間を逃さず、インナーラップから落としをダイレクトで流し込む。それは「相手もこちらの分析をしっかりしてきていた」(丸山祐市)という相手の裏をかき、さながら飛び道具のごとくゴールに突き刺さった。「喜び方がわからなかったけど、ゴールが決まれば楽にもなるので、良かったです」とはにかんだ伏兵の一撃は、「できれば前半は0-0で、粘り強く90分を戦いたかった」(片野坂知宏監督)という大分のゲームプランに、浅からぬ亀裂を生じさせたに違いない。

 名古屋は後半最初のセットプレーで丸山が追加点を決め、73分にはロングフィードからの速攻を右サイドバックの成瀬竣平前田直輝金崎夢生と一気にゴール前につなぎ、最後はまたも金崎の落しを今度は米本拓司がミドルで仕留めた。3得点すべてが守備的な選手によるものという興味深い結末は、しかし全員攻撃・全員守備をベースに置いてきた指揮官からすれば当然のことでもあった様子だ。

「攻撃の時にDFの選手も参加しているから得点できる。FWの選手たちが頑張っていないわけではなく、得点を振り返っていけば、金崎、前田、マテウスと絶対に前線の選手が絡んでいる。狙いの中で、たまたま今日は決めたのが守備的な選手だったということ。得点を奪われていないことを振り返れば、FWが守備にしっかり走っているので後ろが守りやすい形にもなっている。そういったところで私は全員を褒めたいと思う」

 試合は前半の阿部、後半にも稲垣祥、米本と相次いで主力が負傷交代し、最終的にはマテウスをウイングバックに、相馬勇紀をインサイドハーフに据える5-3-2のような継ぎ接ぎの布陣で戦うことにもなった。だが監督の意図を瞬時に読み取った選手たちは、「しっかりゼロでゲームを終わらせるという形だった」(丸山)とすべき仕事と役割を理解し、外的要因にも負けずにタフに戦い抜いた。そこには自分たちを支えてきた“準備”の要素は少なく、しかし培ってきたベースに沿った形で即興を紡ぐという新たな強みを見せている。土台はあるが、型ではサッカーをしない。原理原則を踏まえたうえで、目の前の状況を柔軟にクリアしていく。名古屋が本当の意味での強さを身につけつつあることを、印象付ける勝ち点3でもあった。

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