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清水MF滝裕太は真の“ラッキーボーイ”になれるか…「北川航也に似ている」と期される伸びしろ

2019.03.29

印象的な活躍を見せている、清水の滝裕太

 若い力の突き上げなくして、チームの成長は望めない。今季の清水エスパルスはここまで公式戦1勝2分3敗となかなか勝ちきれないが、数少ない光明として、5試合で3得点を挙げているアカデミー出身のMF滝裕太が一躍スポットライトを浴びるようになった。

 特にYBCルヴァンカップ・ジュビロ磐田戦で今季公式戦初勝利につながる決勝点をマークした後には、地元メディアで早くも「チーム内得点王」の文字が並んだ。だが、GK六反勇治の目は冷静だ。

「僕が感じていることとして、エスパルスには“ラッキーボーイ”になれる力を持っている選手が多いんですけど、それで終わってしまう。滝はまだスタートラインに立ったばかりだし、もっとできると思うので、これに満足せずにしっかりと目標を持って続けていってほしい」

磐田戦でマークしたゴールは、チームに今季公式戦初勝利をもたらした

 滝は明治安田生命J1リーグ第4節・ヴィッセル神戸戦で待望のリーグ初スタメンを飾った。これには、FWの核であるドウグラスが不整脈により離脱している影響が大きいことは否めない。しかし、ルーキーイヤーの昨季から地道に体幹トレーニングや居残りの自主トレを続けてきた下積みがあり、今季は5月のFIFA U-20ワールドカップに照準を合わせ、キャンプから好パフォーマンスを披露してきた。そして開幕後も5試合出場3得点という形で指揮官の期待に応え、チャンスをつかんだのだ。滝はこのまま好調を保ち、または上げ続け、未だリーグ戦での勝利がないチームにとって真の“ラッキーボーイ”となり得るのだろうか。

 経験豊富なFW鄭大世に意見を聞くと、「まさに今の若い世代らしい選手」と評した。現時点では、滝との2トップは「やりにくい」というのが率直な印象なのだそうだ。

「器用な選手ですよね。フリックがうまくて、ゴール前でボールを受ければ簡単に周りを使うことができる。だけど、戦えない。苦しいところで体を張ったり、ボールをキープしたりすることができない。守備も頑張ろうとはしているけど、切り替えが遅いし、気を遣えないし……正直、まだまだだと思います(苦笑)」

 ただ、今の姿はある選手の過去と重なるのだと言う。それは昨季、日本代表まで上りつめ、今年1月のAFCアジアカップにも出場したFW北川航也だ。

「航也も一昨年はそんな感じだったんですよ。足は速いけど、まだまだ他に伸ばさなきゃいけない部分がたくさんあった。当時は、まさか航也が日本代表に入るなんて全く想像できなかったですから。それでもいつ、どう変わるか分からないのは、若い選手だからこそ」

 鄭大世が挙げた滝の長所は、機動力、スピード、アジリティ。そして素直な“聞く耳”を持っていること。試合中、鄭大世が滝に声を掛ける場面は何度もあるが、高い要求には期待が込められている。

「羨ましいほどですよ、僕なら追いつけないボールにも追いつけるんだから。もっとガツガツ行けよ、と。滝の長所と短所は、二面性じゃなく一面性だから、良いところを殺さずに、残しながら改善できるものなんです。だから、これからできることが増えてくれば、もっと伸びる可能性は秘めていると思いますよ」

ハーフタイムに話し込む滝(右)。周囲からのアドバイスに対して“聞く耳”を持っていることは大きな強みだろう

 磐田戦での得点シーンでは、滝が相手GKまで激しくプレスを掛けにいったことが奏功した。これについては金子翔太が試合前、「剥がされてもいいから、ダイナミックに行け」と助言していたことを明かしている。鄭大世や金子のおかげで、と言いきりはしないが、おそらく滝の頭の片隅には彼らの言葉が残っていたはずだ。

 そして近年の清水には、若手の成長に適した土壌がある。現在、チームの中核を担う北川や金子は、六反や鄭大世らベテラン勢の背中を必死で追いながら、歳の近い選手とは切磋琢磨し、昇格や残留の厳しい荒波に揉まれる中で着々と力をつけてきた。その彼らが今となっては、滝を含めた若手たちが進むべき道標となり、チームをけん引している。

 金子は自身の経験と重ね合わせながら、「調子が良い時は(周りが何もしなくても)良いんです。でも今後、滝がうまくいかなくなった時が大事」と後輩の様子を窺っている。また、清水ユース出身の先輩である立田悠悟は、「ユース出身の選手が結果を残すのはチームにとって大事なこと。この流れを持続させるために、僕は下の代をサポートできるだけの力をつけていかないといけない」と、20歳ながら頼もしさを覗かせた。

 一方、滝と同学年の高橋大悟は、「リーグ戦で先に点を取った方にご飯を奢る」約束をしていたという。滝の初ゴール後、「もちろん、奢りましたよ(笑)。同期として悔しいですけど、滝は素晴らしい選手だし、自分の力をしっかり出せているんだと思う」とライバルの活躍を称えた。そして、「次は僕がご飯を奢ってもらえるように頑張ります!」とさらに奮起している。厳しくも温かい目で見守ってくれる先輩がいて、互いに刺激を与え合う同期がいる。これらの人間関係によって生まれる好循環は、若手にとって「恵まれた環境」と言える要素の一つだろう。

好調の滝(中央)だが、「うまくいかなくなった時」にどう立ち振る舞うかが大事だ

 磐田戦で初めてヒーローインタビューを受けた滝は、「このままの勢いで優勝したい!」と高らかに宣言した。それは欲深さよりも、無邪気さに溢れる19歳の素顔だった。鄭大世いわく、「サッカーって自信がついたもん勝ちなんです」。今はまだ才能が咲き始めた段階だが、目の前の課題を一つひとつクリアし、“自信”という武器を確固たるものにした時、滝裕太の前にはどんな景色が広がっているのだろう――。伸び伸びと純粋に夢を追いかける彼の伸びしろは、クラブ生え抜きのMFに期待を掛ける清水サポーターの胸を高鳴らせるほどの可能性に満ちている。

文・写真=平柳麻衣

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By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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