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厳しい夏場でも圧倒的な運動量…首位・松本、強さの秘訣は「根底の闘う・走る」

2018.08.04

豊富な運動量で右サイドを制圧した岩上祐三 [写真]=J.LEAGUE

 近年のJ2を語る上で必ず付きまとう言葉といえば“混戦”だろう。今季は一時、首位とJ1昇格プレーオフ圏内の6位の勝ち点差がわずか「2」と例年以上の“混戦”だったが、その差が徐々に開きつつある。

 現在、J2で首位に立つのは松本山雅FCだ。開幕から6試合未勝利とスタートダッシュには失敗したものの、堅守速攻をベースとした戦いで第7節以降は順調に勝ち点を獲得。先週末の台風の影響などで試合数に若干のバラつきはあるが、2位FC町田ゼルビアとは「4」差、6位横浜FCとは「10」差をつけて、首位に君臨している。

 第27節は2連勝中と復調気配を見せるジェフユナイテッド千葉と対戦。相手に先制を許したものの、前半終了間際にU-21日本代表FW前田大然が同点弾。後半立ち上がりの52分、反町康治監督の指示通り「サイドを起点に攻撃を仕掛ける」と、右ウイングバックの岩上祐三が勝ち越し点をマークする。さらにその9分後にはまたも右サイドを起点とした攻撃から岩間雄大が決勝点を沈めた。

 前半はポゼッションを主体とする千葉の攻撃に手を焼き「腰が引けた(反町監督)」状態だったが、後半開始から一気にギアチェンジ。永井龍も「山雅らしい後半だった」と振り返ったように、運動量が一切落ちることなく走力を生かした攻撃で千葉ゴールに襲い掛かった。走力の面で特に光っていたのが右の岩上祐三と左の石原崇兆の2人だ。千葉の攻撃時には5バック気味の布陣にシフトし守備を遂行。そしてチャンスと思えば一気にゴール前へ駆け上がり、途絶えることなくサイドを走り続けた。「キャンプから厳しいトレーニングをやってきたので、蒸し暑い中でも走れる自信はある」と岩上。そして何よりも勝利を重ねることにより「全員が自信を持ってプレーできている」という。

 逆転勝利を収めた松本はこれで4連勝。さらに8戦無敗と好調を維持している。「まだ(昇格を)意識するのは早い。最後の順位だけが大事(岩上)」と気を引き締めているが、まだまだ続く厳しい夏場、そして勝負の終盤戦でも「根底の闘う・走る(反町監督)」がきっちりとできていれば、最大の目標「J1昇格」が自ずと見えてくるはずだ。

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By 三島大輔

サッカーキング編集部

サッカーキング編集部所属。 週刊J2&月刊J3 MC。Jリーグ&ブラジルサッカーウォッチャー。

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