柏は手塚康平がスタメンに入ったことで、ビルドアップがスムーズになった [写真]=J.LEAGUE
■北海道コンサドーレ札幌 九州からの移動で疲労蓄積が懸念
【プラス材料】
リーグ前節、敵地で勝ち点3を奪ったことはあまりにも大きい。W杯による中断前後を含め、リーグ戦では4試合、勝星から遠ざかっていたなかで前節も引き分けが濃厚な展開となっていた。その試合を勝利に持ち込めたのは、ここから流れを生み出す意味でも非常に大きいと言えるだろう。
また、得点の奪い合いという展開で勝利をしたこともまた、攻撃的なチーム作りを目指すなかでは意味が大きかったはずだ。ジェイ、チャナティップ、都倉賢という前線の選手たちが揃って得点を奪ったことも好材料だろう。ジェイ、チャナティップともに若干、得点から遠ざかっていただけに良いきっかけとなりそう。暑い敵地で勝利したことも自信となったはずだ。
【マイナス材料】
今節、唯一のデーゲームとなっていることからもわかるように、会場となる札幌ドームは空調が完備されていて涼しい気候条件。もちろん札幌にとってはプレーしやすいのだが、首都圏から移動してきた柏にとってはより一層、好条件に感じることだろう。その部分はホームアドバンテージが強みにならない可能性もあり、マイナス材料とも言える。
また、スケジュール的には中3日ではあるが、九州からの移動を終えてからのスケジュールとしては中2日。第19節が延期となっており3連戦は免れたものの、この夏場のタイトなスケジュールは、基本的にはスタートメンバーを固定して戦っている今季の札幌にとっては試合を難しくするはずだ。
文:totoONE編集部
■柏レイソル 手塚が課題改善のキーマンとなるか
【プラス材料】
4連敗中だが、リーグ前節の湘南戦は3連敗時の内容とは大きく異なっていた。それまでの「ビルドアップがスムーズにできない」「攻撃のテンポが上がらない」「イメージの共有ができていない」という課題が、わずかだが改善する兆しが見えた。
その要因はビルドアップの起点になれる手塚康平がスタメンに入り、ボールの回りがスムーズになり、効果的に空いたスペースを突いていく攻撃の形が蘇ったことに尽きる。また、新戦力の高木利弥も左利き独特のボールの持ち方で、敵陣深くまで侵入する場面を何度か作った。高木がそれまでの柏になかった左サイドの攻撃にアクセントをもたらしている点もプラス材料の一つである。
【マイナス材料】
9年ぶりの4連敗を喫し、かなり危機的な状況下にある。しかも4連敗のうち3試合は無得点と得点力不足は深刻だ。
湘南戦ではチャンスこそ作ったものの、最後のシュート、パス、クロスの精度に欠けた。得点を奪えないからこそ守備を安定させ、できるだけ無失点に抑えて僅差で勝利を手にしたいというプランを描くも、湘南戦では開始2分に失点を許し、その失点が焦りを招いて攻撃の精度低下に影響した部分は否めない。
また、失点の形も、自陣ゴール前に人数が揃っているにもかかわらず、ボールホルダーへの対応の甘さや、ボールウォッチャーになる悪い癖が抜けず、あっさりと失点をしてしまうケースが多い。
文:鈴木潤