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【土屋雅史氏のJ2展望】横浜FCのGK南は7試合で5度の完封…讃岐は勢いに陰りのある山形を下すと予想

“黄金世代”を牽引してきた南雄太は、今節も横浜Cのゴールマウスに鍵をかける [写真]=J.LEAGUE

■けがに苦しめられた一年を乗り越え、再びゴールマウスへ帰ってきたベテランGK

 6月以降はやや結果に停滞感が生まれ、昇格プレーオフ圏内を争っている福岡と、一気に自動昇格圏内を狙える位置まで順位を上げてきた横浜FCが、レベスタで激突する上位対決。このゲームからは横浜FCのゴールマウスに帰ってきた、頼れる守護神をご紹介します。

 南雄太。38歳。改めて説明するまでもなく、いわゆる“黄金世代”を牽引してきたGKであり、高校1年時には全国高校選手権で日本一、1999年にはFIFAワールドユースで世界準優勝を経験。ここまでJリーグ通算で550を超える出場試合数を重ねてきた日本有数の選手が、昨シーズンを通じて苦しめられたのは、「そういう経験は今までなかったのでツラかった」と語るけがによる長期離脱。キャリアを通じてほとんど大きなけがに見舞われなかった南でしたが、昨年は負傷が度重なり、結局リーグ戦出場は開幕戦の1試合のみ。今シーズンもメンバー入りこそするものの、ベンチを温める日々が続きます。

 そんな南にようやく出番が回ってきたのは第18節の大宮戦。並々ならぬ決意で臨んだ1年3ヶ月ぶりのリーグ戦でしたが、結果は4失点を喫する完敗。ただ、「いきなり大宮で4発ぶちこまれたので、崩れかけましたけど(笑)、その次の試合でまた使ってもらえたので、もう開き直ってやりました」という南の名前を、タヴァレス監督は続く岡山戦のスタメン表にも書き込むと、スコアレスドローだったとはいえ、無失点に貢献するパフォーマンスを披露し、以降は完全にスタメンを奪取。岡山戦からのリーグ戦5試合中、4試合でクリーンシートを達成するなど、横浜FCの躍進を最後方から支えています。

 第24節の岐阜戦も1-0で迎えた7分に風間宏矢、41分に田中パウロ淳一の決定的なシュートをそれぞれファインセーブで凌いだことが、45分に武田英二郎が奪った追加点へ繋がった感も。「あれを止めてこそ自分の価値を示せると思うし、ああいう所で力を発揮していかないと僕がピッチに立つ意味がないですから」と話しつつ、「個人でミスしないことが大事ですけど、それプラスアルファ1本か2本、チームを救う、流れを変えるセーブができればチームが勝ちに近付くと。そういう所でも貢献できるようにという気持ちでやっています」と語ったあたりに、今のプレーへの自信も窺えます。

 試合は3-0で快勝を収め、南はリーグ戦7試合の出場で早くも5度目の完封を記録。「試合をこなしていく内にいろいろなものが甦っていて、身体も最初の3試合くらいは凄く疲労したり、出ていた頃にはあまりなかったことを凄く感じながらやっていましたけど、ここ2~3試合で『やっと戻ってきたな』っていう感覚は、自分の中に凄くあるので」と話す充実ぶり。「試合にも飢えていますし、自分がプレーできなかった分の貸しはまだまだ返せてないし、もっともっとプレーで見せていかなきゃいけないなと。悪くなる時は一瞬なので、気を抜かないように、1試合1試合、1日1日を大切に。もうちょっとで39歳になるので、ゴールはいつなのかわからないですけど、そのゴールを少しでも遠ざけられるように頑張りたいと思います」と言い切った南は、この年齢でもきっとさらなる成長した姿を見せ続けてくれることでしょう。

今シーズンはリーグ戦7試合で5度目の完封を記録。ベテランの存在感は、いまだ衰えを知らない [写真]=J.LEAGUE

 福岡は第22節が延期になったため、ホーム3連戦となった第21節からの3試合は1勝2分。決して悪い試合内容ではないものの、勝ち点3を積み切れません。今節は南の華麗なファインセーブにも期待しつつ、チームのバイオリズム的に横浜FCが福岡を上回ると予想。「2」で勝負します。

■調子を上げる讃岐に途中加入を果たした、百戦錬磨の35歳

 6月中旬から白星を取り切るゲームも増えてきた讃岐が、7月に入ってやや勢いを落としつつある山形を、ホームのPikaraスタジアムで迎え撃つ第26節。このゲームでフィーチャーしたいのは、加入早々の活躍が期待されている讃岐のニューカマーです。

 7月24日。讃岐から1つのリリースが発表されます。タイトルは「田中英雄選手 テゲバジャーロ宮崎より期限付き移籍加入のお知らせ」。現在35歳。今年はテゲバジャーロ宮崎へ完全移籍で加わり、自身にとって初めてとなるJFLを戦っていた田中英雄は、この夏から四国の地に新天地を求めることとなりました。

 もともとは神戸に入団したのも、練習生から契約を勝ち獲ってのこと。ルーキーイヤーの2005年も出場機会を得ていたものの、その真価が発揮されたのは1年でのJ1復帰を義務付けられていた2006年のJ2リーグ。シーズン序盤はなかなか出番が訪れなかったなかで、5月以降は完全に定位置を掴み取り、入れ替え戦でも2試合にフル出場を果たして、J1復帰にきっちり貢献してみせます。

 以降もコンスタントにJ1でのプレー時間を積み重ねていきましたが、2013年シーズンには7年ぶりのJ2を戦うチームをピッチ内外で支え続け、開幕からの数試合こそベンチスタートとなったものの、最終的には主力としてまたも1年でのJ1復帰を後押し。クラブが苦しい時ほど、田中の存在はより際立っていたように感じます。

 J1に帰還した2014年シーズンの夏には、プロ10年目にして初めて神戸を飛び出し、J2を戦っていた京都へ期限付きで加入。当時、西京極を取材で訪れた際にも、ポジティブな言葉ばかりが口を衝いていた印象があり、「どこでプレーしていてもヒデさんはヒデさんだなあ」と改めて思ったことをハッキリと記憶しています。

 ここ数年は出場時間も明らかに減ってきていた状況下で、個人的に彼の凄さを感じたのは昨年の夏前のこと。ある選手の取材で神戸のクラブハウスを訪れた際、遠くの別室から聞き慣れた大きな声が聞こえてきます。気になって覗いてみると、そこにはクラブの告知的な企画をフルパワーで盛り上げている田中の姿が。そこまでのリーグ戦出場はゼロ。選手であれば難しい立ち位置の中でも、自らの役割を理解し、全うしている田中が妙にカッコよく見えました。

 持ち味は90分間出し惜しみなく、ピッチ上を走り回れる絶対的な運動量。そして前述したような明るい性格の持ち主なので、きっとすぐに新しいチームの輪にも溶け込んでいることでしょう。降格圏付近を漂っている現状を考えても、讃岐にとって数々の修羅場を潜り抜けてきた彼の存在は大きな補強。きっと若手選手も彼の姿勢を見て、学ぶ部分はたくさんあるはずです。

豊富な運動量でピッチを駆け回るだけでなく、数々の修羅場を潜り抜けてきた経験値も田中の大きな武器。神戸で存在感を示してきたように、讃岐でも重要な役割を担うことだろう [写真]=J.LEAGUE

 現時点で田中の出場可否はわからないものの、是非この第26節に出場することを期待しながら、讃岐と山形を比較してみると、勢いは明らかに前者。ここはホームチームが勝ち点3を積み上げると予想し、「1」で勝負したいと思います。

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! 『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』はサッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/)』にて好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェイチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第26節
2018年7月29日(日)18時キックオフ
アビスパ福岡vs横浜FC(レベルファイブスタジアム)

■明治安田生命J2リーグ第26節
2018年7月29日(日)18時キックオフ
カマタマーレ讃岐vsモンテディオ山形(Pikaraスタジアム)

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