2018.03.27

【ライターコラムfrom磐田】濃密な12日間を過ごしたDF大南拓磨…磐田で育つ東京五輪世代の若手たち

大南拓磨
18日の広島戦でJ1デビューを果たした磐田DF大南拓磨 [写真]=J.LEAGUE

 2020年東京五輪出場が期待されるジュビロ磐田の若手選手が、順調に育っている。

 18日のサンフレッチェ広島戦でDF大南拓磨がフル出場し、J1リーグ戦初出場を果たした。DF新里亮ら主力がインフルエンザ感染で欠場したことで巡ってきたプロ3年目でのJ1デビュー。「前半はミスばかりだった。修正する能力を身につけたい。大井(健太郎)さんら周りの人に助けられた」と試合後の大南は反省しきりだった。序盤は緊張からか、球離れが遅く、自陣で相手に囲まれる場面もあった。だが、攻撃では14分にアーリークロスをMF田口泰士の頭に合わせ、守備では後半アディショナルタイム、相手の速攻からの決定的な場面で体を張って食い止めるなど、攻守で存在感を示した。

 努力が一気に報われたような2018年3月の12日間だった。そして、間違いなくプロのキャリアを積み上げていく上でターニングポイントになる。

大南拓磨

濃密な12日間を過ごした [写真]=J.LEAGUE

 清水エスパルスとの静岡ダービーとなった7日のYBCルヴァンカップでプロA契約締結の資格となる公式戦通算450分出場に到達。大南は「ここからがスタート。ルヴァン杯で出場を続け、まだ出たことがないリーグ戦につなげたい」と試合後に意欲を高めていた。言葉通り、14日のルヴァン杯・北海道コンサドーレ札幌戦もフル出場して無失点勝利に貢献すると、16日にはパラグアイに遠征するU-21日本代表に追加招集された。ベガルタ仙台のDF板倉滉が負傷で辞退したことに伴う招集とはいえ、18日の広島戦出場で、東京五輪出場をたぐり寄せた12日間だった。

 愛知県出身で、高校は鹿児島実業へのサッカー留学を選んだ。元々はセンターフォワードで、センターバックに転向したのは高3から。経験は浅いが、名波浩監督は「スピードと高さを兼ねそろえる。大井が20歳のときより能力は上」と期待を高める。中学時代に所属した名古屋FCでは、2016年1月の全日本女子高校サッカー選手権で優勝した静岡の藤枝順心高でエースだった児野楓香さん(日体大)とチームメートだった。児野さんに負けじと、ジュビロで静岡のサッカーを盛り上げたい気持ちも少なからずある。また、お笑い芸人を目指し、上京している仲の良い双子の兄・良樹さんと励ましあいながら、兄より有名なサッカー選手になりたい気持ちを口に出さずとも、闘志が伝わってくる。

 磐田には東京五輪世代をはじめとする若手が成長できる環境が整っている。

小川航基 針谷岳晃

東京五輪出場を目指す小川航基(左)と針谷岳晃 [写真]=J.LEAGUE

 広島戦で途中出場し、左ひざ負傷後初めてリーグ戦のピッチに立ったFW小川航基は、連日のように全体練習後に居残りで、名波監督から細かいアドバイスを送られるシュート練習に大南とともに積極的に参加する。U-21日本代表MF針谷岳晃も、居残りで元日本代表MF中村俊輔とのFK練習を続ける。日本代表で10番を背負ったことがある2人の講師が蒔いた種は2020年、華麗な花を咲かせることができるか。

文=岩田大五

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