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【ライターコラムfrom仙台】昨年とは違う“1-0スタート”となったか…永戸勝也の見た仙台と開幕2連勝

開幕連勝に貢献した永戸勝也 [写真]=J.LEAGUE

 スタートダッシュ、と言うにはまだ早い。しかし、いいかたちで2018シーズンを始められたことは間違いない。ベガルタ仙台は明治安田J1リーグの開幕2節を、ともに1-0で勝利。昨季に続いて、無失点で連勝スタートを達成した。

 柏レイソルとFC東京という手強い相手を破っての結果だったが、渡邉晋監督は「去年も開幕2試合は1-0でしたが、その後は全然だったので、それで満足することなく、次に向けて粛々と準備していきたい」と、開幕戦同様に勝って兜の緒を締めた。

 この2連勝を左サイドで支えた一人が、DF永戸勝也だ。プロ2年目で、昨季の開幕2連勝も、今季の開幕2連勝もピッチの上で経験した。

 法政大学を出て仙台に加わった2017年は、開幕戦から先発出場して活躍。その後も3-4-3の左ウイングバックで主力に定着した。サイドを勢いよく上下動し、左足からのクロスで決定機を演出する。プロ初アシストは同年のJ1第9節・清水エスパルス戦で、「もっとペースを上げないといけませんね」と話した後、さらにアシストを3に増やした。だがJ1第17節・ガンバ大阪戦で大ケガを負って、そのシーズン後半には出場できなかった。

 永戸は長いリハビリを経てピッチに戻り、今季の開幕戦のピッチに帰ってきた。「ケガをした次の試合で、会場にサポーターが復帰を待つメッセージを横断幕に書いて掲げてくれたんです。あれが復帰に向けて大きな支えになりましたし、またピッチでサポーターの声を聞いて少し『うるっ』となりました」。永戸は今季のJ1第1節・柏戦で相手のMF伊東純也らと同サイドで火花を散らしながら攻撃の糸口を探ったが、この試合の前半は不完全燃焼に終わる。しかしチーム全体がポジショニング等を修正してからは、永戸も勢いよく相手陣内に攻め入って試合を支配し、1-0の勝利に貢献した。

 そして迎えた第2節のFC東京戦。相手のトップ下からは永戸らウイングバックの裏へのパスが繰り出され、前半は苦戦。しかしピッチ内での選手の話し合いとベンチの指示が合わさって、3-4-3から開幕戦同様の3-5-2にフォーメーションを修正し、守備から攻撃への切り替えがスムースになった。

 そして生まれた仙台の先制点で、永戸は今季初アシストを記録する。新加入のFW阿部拓馬が右サイドから送ったクロスが相手に当たって左に流れると、すでにベストなポジションを取っていた永戸は「あそこでうまく拾えたのが点につながった」と、素早く体の向きを変え、「相手のセンターバックが強いので、下がり気味の位置で受けようとしていた」というFW石原直樹にパスを送る。石原が見事なボレーシュートで決め、これが決勝点となった。

永戸勝也

FC東京戦では今季初アシストを記録 [写真]=J.LEAGUE

 永戸は左サイドから巻いて落ちるクロスを上げるのが得意だが、このアシストの場面のような短いパスも、プロ初アシストの時のような相手の足下を抜くグラウンダーのクロスも、状況に応じて繰り出せる。左足を防がれても、右足から無回転シュートを打つこともできる。こうした選択肢の多いプレーを素早い状況判断のもと使い分けるという永戸の良さが、復帰した今季のピッチでさらに磨かれた形で発揮された。

 そして、この永戸だけでなく、一緒に組む選手たちも状況に応じたポジショニングや戦い方を素早く判断し、そのイメージが合ったところで、攻守の組織の機能性は格段に増す。ゴールシーンはまさにその連動性向上の成果だが、それ以外の戦い方の成長も、昨季の同時期との違いとして永戸は実感している。

「チームとして、ボールの動かし方や、攻撃へのつなげ方が合ってきています。去年は試行錯誤の中で、耐えて、耐えて…という試合だったと思うので」。耐えている時間も、試行錯誤ではなく、前述のフォーメーション変化など、組織として柔軟に対応して耐えることができている。それが、まだ2試合とはいえ、昨季の1-0との違いだ。

 仙台は次節に、昨季連勝を止められたヴィッセル神戸と、同じ第3節で対戦する。相手のチームカラーは昨季とはかなり変わったとはいえ、雪辱を果たし、成長を示すには絶好の機会といえる。永戸は昨季の第3節で、相手にマンマークをつけられて思うようにプレーできず、悔しい思いをした。

「1-0で満足せず、2-0、3-0で、早い段階で決められるような試合もそろそろあった方が気持ち的にも楽になります」。昨季を超える強さを身につけるために、永戸はチームとともにさらなる成長を誓った。

文=板垣晴朗

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