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武藤雄樹が見せた今までにない力強さ「もう一つ上に行くためには…」

2017.03.04

C大阪戦で先制ゴールを叩き込んだ浦和FW武藤雄樹 [写真]=JL/Getty Images for DAZN

 FW武藤雄樹は確かな手応えを感じていた。「自分で前を向いて、ゴールに向かっていけた。今までなかった形なので、一つの自信になります」。4日の明治安田生命J1リーグ第2節・セレッソ大阪戦後にこう言って充実した表情を見せた。

 今季のリーグ戦初ゴールは“らしくない”ゴールだった。22分、DF遠藤航の縦パスをFW興梠慎三がスルー。「練習からやっている形なので、僕のところに来るとわかっていた」と構えていた武藤が、相手のマークを振り切ってシュートまで持ち込んだ。その姿に昨季まではなかった気迫と力強さを感じた。


「一度落としたり、展開する」という選択肢もあった。実際、興梠はリターンを受けるつもりでゴール前へと走っていた。それでも「自分で打開していくこと」を意識していた武藤が、ドリブルから思い切り右足を振り抜く。それこそが、今季掲げていたテーマの一つだった。

「浦和に来てからゴールを決めることができていますけど、ワンタッチゴールだったり、ゴール前でのごっつぁんゴールが多かった。選手としてもう一つ上に行くためには、自分で打開できるような力をつけていかないといけない」

 2015年にベガルタ仙台から浦和に加入して以降、2年連続で2桁ゴールを記録している。だが、このままではいけない――。Jリーグ王者を逃した昨季の悔しさが武藤を動かした。「何かを変えないといけない」と出した答えが、個の力を磨くことだった。

 これまでも常に駆け引きをしながら相手のマークを外し、ボールを引き出しながら最終局面で決定的な仕事をしてきた。高さや抜群のスピードがなくとも、縦に突き進む力強さが増せば、相手にとって今以上の脅威になるだろう。「ディフェンダーが嫌がるような選手になっていけたらいい」。今季はひと味違った背番号9を見られるかもしれない。

取材・文=高尾太恵子

By 高尾太恵子

サッカーキング編集部

元サッカーキング編集部。FIFAワールドカップロシア2018を現地取材。九州出身。

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