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【土屋雅史氏のJ2展望】好調を維持する横浜FCの清水撃破に期待…東京Vはサイドを制して白星を挙げると読む

2016.08.19

4連勝中の横浜FCは今節、ホームで清水と対戦する [写真]=Getty Images

 今節は、四国のクラブを史上初めてJ1というカテゴリーへ導いた強化部長と指揮官が、敵味方に分かれて対戦する90分間が実現します。そのカードは横浜FCと清水エスパルスが激突する一戦です。

 時は2008年。大塚製薬時代に自らもプレーし、引退直後にはコーチも務めた経験を持つ徳島ヴォルティスへ強化部長として招かれたのが、ミロシュ・ルス監督の体調不良による退任を受けて、チームを率いることになった横浜FCの中田仁司監督。2年連続でJ2最下位という苦境に喘ぐ徳島の強化トップを託された中田氏は、美濃部直彦監督の招聘に成功。初年度こそ3年連続最下位という不名誉な結果を突きつけられますが、徐々に戦力を整えながら順位を上昇させていくと、2011年シーズンには柿谷曜一朗を中心に最終盤まで昇格争いに食い込み、最後は4位という成績で昇格への道は絶たれたものの、クラブもJ1を現実のものとして捉えるまでに成長します。


 そのラストピースとして、2012年に中田氏が徳島へと呼び寄せたのが、大分トリニータとモンテディオ山形にJ1昇格をもたらした経験を有し、現在は清水の指揮官を務める小林伸二監督。こちらも就任初年度は15位とまったく振るわなかった中で、着々と力を蓄えていたチームは翌年にブレイク。リーグ戦を4位で切り抜けると、昇格プレーオフを制してとうとう悲願達成。徳島の地にJ1という新たなステージをもたらした強化部長と監督として、2人はクラブ史に名を刻むことになりました。ただ、実際に昇格したトップディビジョンは茨の道。結果としてホームでは1度も勝利を挙げることができず、中田強化部長はシーズン終了を待たずに退任が発表され、再昇格を掲げて翌シーズンも続投した小林監督も、まさかの14位に沈む格好で2015年限りで退任。J1昇格の立役者たちは、それから2年も経たずに揃って四国を離れることになりました。

 今シーズン1度目の対戦となった第18節では、清水がホームで3-0という快勝を収めましたが、当時の横浜FCはルス監督が休養中だったために増田功作コーチが指揮を執っており、その次の第19節から正式に中田監督が就任したため、まだこの両者の指揮官としての直接対決は実現していません。お互いに絶対負けたくないであろうこのゲームは、自動昇格を狙うセレッソ大阪と北海道コンサドーレ札幌相手の勝利を含み、現在4連勝中と絶好調の横浜FCに分があると予想し、「1」で勝負したいと思います!

 前々節でツエーゲン金沢をホームで4-1と撃破したものの、前節はまたもホームで迎えた横浜FC戦に0-2で敗れ、今シーズン8度目となる連勝のチャンスをモノにできなかった東京ヴェルディ。そんなチームの中で確かな存在感を放っているのが、下部組織出身、22歳のレフティ安在和樹です。

 5月以降、スタメンでの起用が続いている安在は、手倉森ジャパンへの招集歴もある実力派の左サイドバックですが、とりわけ彼がハイパフォーマンスを見せたのは、前述した金沢戦。デザインされたショートコーナーから井林章の先制ゴールをアシストすると、終盤にも左サイドを駆け上がって2つのアシストを記録するなど、1試合3アシストという圧巻の出来。試合後はその3アシストを問われて、「珍しいですね(笑)。やっときたというか、アシスト未遂からやっと解放されたのかなと。数字的なところで目に見える結果が出たのは嬉しいです」と笑顔を見せつつ、「今季はチャンスの数を多く創れているので、そういうところでも自分自身の成長を感じています」と手応えも口に。ユース時代から彼を指導している冨樫剛一監督も、「しっかりと追い越す形、深いところまで侵入してクロスでのゴールは久しぶりだったのではないかと思います」と言及するなど、教え子の活躍に一定以上の評価を与えていたように見えました。前節の横浜FC戦も、2度のセットプレーから惜しいチャンスを創出しつつ、終盤の76分には必死に戻って決定機をタックルで回避するなど、「後半はいったりきたりが多くなるので、そこでパワーを出せるようにというのは考えている」という自らの言葉を証明するような活躍を披露。チームに欠かせないピースであることは間違いありません。

 今節の対戦相手、徳島の右サイドでは、広瀬陸斗という活きの良いサイドアタッカーの起用が濃厚であり、安在にとってみればユース時代から対戦経験のある一つ下の後輩に負けるわけには行かないところ。その逆サイドで起こりそうな同級生対決となる安西幸輝と内田裕斗のマッチアップにも注目しつつ、ここはサイドで優位性を取りそうな東京Vがそのまま試合も制するという予想から、「2」で勝負します!

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/top/)』にて、『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第30節
2016年8月21日(日)18時キックオフ
横浜FCvs清水エスパルス(ニッパツ三ツ沢球技場)

■明治安田生命J2リーグ第30節
2016年8月21日(日)18時キックオフ
徳島ヴォルティスvs東京ヴェルディ(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)

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