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リオ五輪代表の川崎MF大島が豪快ミドル弾…等々力に“キュートな笑顔”が弾ける

2016.07.14

同点ゴールを挙げて笑顔を見せる川崎MF大島僚太(中央)。攻守の活躍で勝利に大きく貢献した [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 等々力陸上競技場に大島僚太の“キュートな笑顔”が弾けた。

 川崎フロンターレがホームにアルビレックス新潟を迎え撃った13日の2016明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第3節。35分に先制を許したわずか3分後、リオ行きの切符をつかんだ若武者の豪快な一発が試合を振り出しに戻した。


「(車屋)紳太郎がボールを持った時に(シュートを)打つつもりでサポートした」という大島がペナルティエリア左で車屋からボールを受けると右足一閃。強烈なミドルシュートをゴール右上角に突き刺した。パスを受ける段階でゴールを視野に捉えていた大島はシュートに集中し、「ボールを持ってから中は特に見ていなかったんですけど、打った時にはいい感触がありましたし、カドのほうに行っていたので、届かないだろうなと思って見ていました」と自身の右足から放たれた弾道を見送った。

 チームは65分にカウンターを狙ったパスが主審に当たり、こぼれ球を拾った相手のショートカウンターから不運な勝ち越しゴールを許したが、ここから途中出場の選手も含めて勝利への執念を披露。大島も中盤の底からゲームをコントロールして勝機をうかがう。

 そして84分、大島が今度は同点ゴールを演出する。

 左CKの流れから左サイドでボールを受けると、縦に抜け出した橋本晃司へスルーパス。この折り返しにニアサイドで小林悠が飛び込み、相手選手のオウンゴールを誘発した。これで勢いづいたチームは試合終了直前に小林の巧みなヒールシュートで逆転に成功。司令塔の中村憲剛が負傷欠場する中、まさに“等々力劇場”と言うべき劇的な勝利でセカンドステージ開幕3連勝を飾った。

 2点に絡んだ大島の攻守にわたる貢献はチームメートも認めるところだ。エースの大久保嘉人は「僚太はディフェンス面で変わった。むちゃくちゃ効いてるし、“チームの心臓”になってますから。体を入れてボールを取れているし、しっかりと予測もできている。もともと攻撃はうまい選手だけど、ディフェンス面も安心して見ていられる。まだ殻がむけたわけじゃないけど、やらなきゃいけないって危機感があると思うし、堂々とやっているのは素晴らしい」と大きな成長を口にする。

 もっとも本人は謙虚な姿勢を崩さない。「先制されたシーンで横パスを通されてしまったし、そのあとのボールへのプレッシャーも甘かったので、そこは修正していきたい」と課題を口にする。

 リオデジャネイロ・オリンピック開幕前に等々力でプレーするのは、この新潟戦が最後。キックオフ前には花束贈呈が行われ、試合後にはスタンドのサポーターから「リオから笑顔を!! 熱い戦いを魅せてくれ 川崎の日本代表!!」という手書きの横断幕が出され、ともにリオへ渡るチームメートの原川力と一緒に大声援を受けた。

 まだ五輪代表合流までに1試合残っていることで景気良くリオでの活躍を誓うことはなかったが、この日はサポーターが歌う「大島僚太、笑顔がキュート 大島僚太、決めろよシュート」という応援のとおりにゴールネットを揺らし、はにかんだスマイルを見せた。そして次節、ジュビロ磐田とのアウェーゲームがいよいよリオ五輪前ラストマッチとなる。チームでしっかりと結果を出すことがサポーターへの何よりの決意表明となるだけに「次もしっかりと勝って五輪に行きたい」と出身地でもある静岡県でのゲームに気持ちを切り替えていた。

文=青山知雄

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