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【予想スタメン】“守備職人”土屋が復帰の甲府、長身FWシモビッチ以外にも要注意

2016.05.13

和泉が負傷中ということもあり、名古屋FW川又堅碁に期待がかかる [写真]=Getty Images

ヴァンフォーレ甲府 ドロー決着の横浜FM戦から若手の熊谷が台頭、土屋の復帰で失点減なるか

 災い転じてと言うのか、けがの功名と言うべきか。負傷者やアクシデントが重なった前節、窮余の一策で1トップに起用した2年目のDF熊谷駿が、リーグ戦初出場で初ゴール。その活躍もあって、チームは勝ち点1を持ち帰ることに成功した。


 ベルギー国籍取得のため、離日していたチュカの再来日が当初の予定より遅れることになり、今節もベンチ入りが難しい見込み。大型選手の居並ぶ名古屋が相手とあって、身長190センチの熊谷が再び最前線で先発起用されそうだ。ホーム、山梨中銀スタジアムでの公式戦は自身初めて。突如高まった周囲の注目を重圧に感じることなく、のびのびプレーしてほしい。

 警戒の対象はFWシモビッチ。先月20日のナビスコ杯には出場しておらず、その高さは未体験。とはいえ、佐久間悟GM兼監督は「ゴール近くへのクロスボールは注意すべきだけど、(ロングボールを)入れさせるところは、入れられて構わない。むしろシモビッチに行き過ぎて、他の選手が余るほうが怖い」と、彼を経由したボールの行方を重視する。

 前節の両チームのスタメン選手の平均身長を算出すると、甲府の「179.4」センチに対し、名古屋が「181.9」センチ。イメージほどの大差はない。右ふくらはぎの負傷で欠場していた土屋征夫の復帰も心強い。空中戦の強さや駆け引き、的確なコーチングで、ここ3試合連続で複数失点を喫しているチームを引き締める役割が期待される。

 また、失点の多さは名古屋も変わらず。甲府と同じく、リーグ戦の無失点試合は開幕戦のみだ。より多くの隙をのぞかせたほうが、勝ち点を失う試合になりそうだ。(渡辺功)

■甲府予想スタメン
5-4-1
GK
河田晃兵
DF
松橋優
土屋征夫
山本英臣
畑尾大翔
田中佑昌
MF
稲垣祥
黒木聖仁
河本明人
クリスティアーノ
FW
熊谷駿

名古屋グランパス 守備陣では高橋やオーマンが躍動、けがの和泉に変わり川又が先発濃厚

 GWの連勝はかなわなかった名古屋だが、試合内容自体はそれほど悲観視するようなものではなかった。13本のシュートを放ち、惜しかったチャンスを含めて決定機は10回以上。それだけに決定力不足が叫ばれるところではあるが、主体性を持って多くのチャンスを生み出す試合運びにはチームの成長が感じられた。特に左サイドバックのスタメンを勝ち取った高橋諒を起点とした左サイドの崩しが最近では活発で、クロスだけでなく楔のパスも巧みな新人の勢いが、新たなオプションを生み出している。セットプレーの守備は相変わらずの脆さを隠し切れないでいるが、逆に攻撃面ではオーマンが力強いプレーで試合ごとにゴールへ近づいている印象。守備でも安定感が出てきたスウェーデン出身のDFは、プレーする喜びを全身で表現しているかのようだ。

 一方で、攻撃の中心人物になりつつあった和泉竜司がヴィッセル神戸戦で負傷。診断結果はまだ出ていないが、本人談では右太もも裏からでん部に痛みがあるとのことで、甲府戦の出場は微妙になってきた。代役には川又堅碁、野田隆之介、小川佳純あたりが考えられるが、このところのパフォーマンスを踏まえれば、川又がファーストチョイスか。得点ランク2位のシモビッチとの2トップはほぼ初の試みだが、普段から仲の良い選手だけに息の合ったプレーを披露してくれる可能性は十分。盟友、永井謙佑らとのコンビネーションも確立されてきたストライカーは、巡ってきたチャンスを待ち構えていることだろう。

 だが、不安要素もないわけではなく、引いた状態からロングカウンターを狙ってくる甲府に対しては、持ち前のハイプレスが機能しない恐れもある。守備のリズムがつかみにくい相手へどのように対応していくかという部分については、チームとしての共通認識を徹底させる必要がある。長いボールを跳ね返し、セカンドボールを拾って自分たちの攻撃につなげる着実さが、試合の流れを左右する要素となりそうだ。(今井雄一朗)

■名古屋予想スタメン
4-4-2
GK
武田洋平
DF
矢野貴章
オーマン
竹内彬
高橋諒
MF
古林将太
イ・スンヒ
田口泰士
永井謙佑
FW
シモビッチ
川又堅碁

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