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史上初の3年連続得点王に輝いた大久保、来季も得点量産へ「まだまだ負けない」

2015.11.22

今季23得点を挙げて、史上初の3年連続得点王に輝いた

 史上初の3年連続得点王が誕生した。

 ここまで22ゴールを挙げて、得点ランキングで首位に立つFW大久保嘉人川崎フロンターレ)は22日、明治安田生命J1リーグ・2ndステージ最終節でベガルタ仙台戦に臨んだ。試合前には、川崎フロンターレの選手が練習でピッチに入ってくるなり、サポーターの大久保に向けた熱いコールが響き渡った。得点ランキング2位の宇佐美貴史ガンバ大阪)とは3点差。前人未到の記録を決定付けるゴールに期待がかかった。


 試合は均衡した状態が続いたが、大きなプレッシャーの中でもゴールを決めるのが大久保の強さ。80分、MFエウシーニョからパスを受けた大久保はペナルティエリア手前から右足を一閃。「得意なパターンだし、練習通り」という豪快なミドルシュートを決めて、チームを勝利に導いた。ゴール後はサポーターのもとに猛ダッシュで駆け寄り、「ホーム最終戦で決められて嬉しかった」と喜びを分かち合った。

 初めて得点王になった2013年は自己最多の25得点を記録。翌年は18得点を挙げて、単独では初の2年連続得点王を獲得した。そして、23得点で3年連続の得点王に輝いた大久保は「嬉しいですけど、実感は湧いていないですね。帰ってから受け止めます」と笑顔を浮かべながらも、偉業達成に実感がない様子。それでも「一度得点王になったら、もっと得点を取らなければいけないと思ってやってきた。ゴールや攻撃のパターンも研究されているので、その裏をかいて決めるのがやりがいでもあります」と得点王の貫禄を漂わせた。

 この大記録をチームメイトも祝福した。主将のMF中村憲剛は「ただただ素晴らしいよ。本人にも『本当にすごいね、君は』って(笑)。3年連続で得点王を取れる選手は世界を見渡してもそんなにいない」と脱帽。風間八宏監督もまた「彼は1年を通してトレーニングができるし、その精神力が備わっている。類稀なストライカーであることは間違いない。若い選手はどんどん盗んでいってほしい。とにかく3年連続得点王はとんでもないこと」とチームのエースストライカーを褒め称えた。

 J1通算得点を156ゴールに伸ばした大久保だが、中山雅史(現アスルクラロ沼津)の最多得点記録には一歩及ばす。さらに、他会場で湘南ベルマーレ戦に出場していたサンフレッチェ広島のFW佐藤寿人が1得点を挙げて通算157ゴールとし、最多得点記録に肩を並べた。大久保は悔しさを見せながらも、「先に抜こうが、後に抜こうが、寿人さんと2人で記録を伸ばせたらいいと思います。誰が先に抜こうが、そこに行った人を目標にします」と頼もしい言葉を口にした。

「長い間、得点を取り続けるためには気持ちを切らさないこと。これはやっぱり大変でした」と語るように、3年連続、3度目の得点王獲得は簡単に成し遂げられることではない。有終の美弾でタイトルに花を添え、日本屈指のストライカーとして歴史に名を刻んだ大久保は「この状態を維持して来年ももっと点を取っていきたい。まだまだ(若手には)負けないよ」とこれからも貪欲にゴールを狙い続ける。

文=高尾太恵子

By 高尾太恵子

サッカーキング編集部

元サッカーキング編集部。FIFAワールドカップロシア2018を現地取材。九州出身。

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