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清水、ピッチ内外で迷走した末のJ2降格…左伴社長「重みを受け止めている」

降格決定後に記者団の取材に応じる清水の左伴繁雄社長 [写真]=田丸英生

 Jリーグ「オリジナル10」の名門・清水エスパルスのJ2降格が17日、決まった。ホームで午後2時キックオフのベガルタ仙台戦に0-1で敗れた後、田坂和昭監督は「勝てなかった原因を根掘り葉掘り言うよりも、何も言い訳はしない。力がなかった」と覚悟を決めた口ぶりで話した。この時点で降格は確定していなかったが、午後6時半開始の試合で年間15位のアルビレックス新潟松本山雅FCを2-0で下し、3試合を残して残留の可能性がなくなった。

 仙台とは過去ホームで8勝2分け(ヤマザキナビスコカップを含む)と相性は良かったが、前半4分にあっさりと先制された。警戒していたCKでカルフィン・ヨン・ア・ピンがマークしていたハモン・ロペスに頭でたたき込まれ、出鼻をくじかれた。その後も効果的に攻撃を組み立てられず、後半17分にピーター・ウタカを投入。押し込む時間帯こそ増えたが、田坂監督は「地上戦でいきたかったが、選手が判断して犬飼(智也)と本田(拓也)(のポジション)が変わった。パワープレーっぽくなったが相手は待ち構えているし、それではウタカの良さが生きなかった。そこが想定外だった」と説明。今季を象徴するようなちぐはぐな戦いぶりで4連敗となり、田坂監督の就任後は9戦勝ちなしとなった。

 今季31試合で4勝という成績だが、低迷のきっかけはアフシン・ゴトビ監督を解任した昨年の夏に遡る。7月23日にガンバ大阪に0-4と完敗し、ブラジル・ワールドカップによる中断明け2連敗となった試合後だった。選手を発奮させるため「俺を辞めさせたいのか!」とゲキを飛ばすと、それまでも決して良好とは言えなかった選手との関係は修復不可能となった。移籍をほのめかす選手まで現れ、クラブ関係者は「成績面(6勝3分け8敗で12位)は問題なかったが、代えざるをえなかった」と明かす。

 オフに契約を2年延長しながら、わずか半年で解任に踏み切ったフロントの「賭け」は凶と出た。後任はプロの指導経験がないユースの大榎克己監督。厳しい状況で4勝3分け10敗と泥沼にはまり、最終節で辛うじてJ2降格を免れた。今季も悪い流れは止められずファーストステージは最下位に終わり、クラブは8月1日に辞任を発表した。火中の栗を拾う形で後を継いだ田坂監督は守備組織の立て直しを期待されたが、攻撃的な指針で編成されたチームを立て直すには、あまりにも時間が足りなかった。

 降格が決まった午後8時半すぎ。左伴繁雄社長がクラブハウスで報道陣の取材に応じ、サポーターや関係者に対し「オリジナル10の中で唯一の市民クラブである清水エスパルスがJ2に降格するという重みをひしひしと受け止めている」と頭を下げた。

 低空飛行が続いた今季の戦いぶりについては「エスパルスのサッカーをベースから見つめ直そうということで『気迫を持とう』『球際にこだわろう』『90分走り切ろう』『怖いサッカーをしよう』と公約したが、結果として4つ全てが相手を上回ることができず、それが今回の結果だと受け止めている」と総括。さらに来季、1年でJ1復帰を果たすための約束事として「主軸の選手が残ること」「強化費の予算規模を落とさないこと」「トップが『絶対に戻る』と言い通すこと」という3点を挙げた。

 来季まで契約を残す田坂監督は「進退問題については会社が判断すること」と去就をクラブに一任したが、左伴社長は「私を含めて責任の所在、あるいは人事等については残り3試合が終わったところでつまびらかにしたい。今回はコメントを差し控えさせていただきたい」と話すにとどめた。主力の多くが複数年契約を結んでいるため大量流出は避けられそうで、夏に加入したベテランの鄭大世と角田誠は残る見通しとなっている。

 また、2011年から在任している原靖強化部長は「このような成績になってしまったのは100パーセント以上、僕の責任と痛感している」とコメント。2年連続でシーズン途中の監督交代に踏み切りながら、そのたびに成績が下降した原因については「僕の見立ての甘さ」と述べたが、自身の進退については「社長と話して、しかるべき時にお話ができれば」と明言を避けた。

 降格は決まったが、リーグ戦は残り3試合。大前元紀は「応援してくれるサポーターのために戦うのがプロ」と必死に気持ちを切り替えた。

文・写真=田丸英生(共同通信社) Text and photo by Hideo TAMARU(KYODO NEWS)

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