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【平畠啓史氏はこう見る!】今開催は終盤戦を占う好ゲームが目白押し!J2リーグ戦がいよいよ“勝負の季節”に突入

2015.09.09

J2第31節で対戦する金沢(上)と磐田(下) [写真]=Getty Images

 J2第30節が開催されたのが8月23日。そして、今節の開催は9月13日(札幌vs横浜FCは9月12日)。天皇杯があったとはいえ、3週間の中断期間。今季のJ2において最初で最後の中断期間。全42節に加えて、J1昇格プレーオフもあるため、そうそう休んでもいられないが、今から考えると、全51節もやっていた2009年のスケジュールはどうなっていたのだろうか。1年365日、52週しかないというのに。そして、残すところ12試合となった。実りの秋を迎えるためにも、ここからが本当の勝負の季節となる。

 そんなラストスパートの初戦、toto対象カードには楽しみなゲームが多くなっている。ツエーゲン金沢vsジュビロ磐田は、今節で注目度の高い対戦の一つだ。磐田ホームで両者が対戦した第17節時点で、磐田が3位、金沢が2位だった。注目の一戦だったが、蓋を開ければ、磐田の今季ベストゲームの一つと言っていいほどの完勝だった。スコアこそ2-1だったが、磐田の出足、攻守の連動は見事で、金沢は窮屈なサッカーを強いられ、ほぼ何もできなかった。そして、ここにきて金沢はリーグ戦11試合勝利なし。となると、今節も金沢が不利なように思えるが、夏場を経て金沢らしさが復調し始めている。


 前節の京都サンガF.C.戦では、後半早々に同点ゴールを奪われて京都ペースになったように思えたが、同点に追いつかれたあとは京都にシュートを打たせていない。天皇杯でも松本に1-2で敗れたものの、J1勢をあと一歩のところまで追い詰めた。そして、このゲームでは守備の要、太田康介も負傷から復帰と明るい材料も多い。得点ランキングトップに立つ磐田のジェイを、金沢の守備が如何にして押さえ込むか。磐田がラストスパートをかけるために良いスタートを切れるか。両チームにとって非常に重要なゲームである。

 その金沢と前節で引き分けたのが京都。ここ最近、京都のサッカーがおもしろい。その中心になっているのが、アカデミー出身の選手たち。宮吉拓実駒井善成伊藤優汰原川力。中盤の右サイドに位置する伊藤のドリブルは魅力的で、カットインして得意の左足でのシュートだけでなく、縦への突破もある。そして、横でもなく縦でもなく45度の角度に持ち込むこともある。このドリブルのスピードと持ち込む角度がおもしろい。そんな京都と戦うのがジェフユナイテッド千葉。そして伊藤とマッチアップする千葉の左サイドバックが中村太亮だ。中村は京都出身で、プロのキャリアをスタートさせたのも京都。どちらが得点に絡む仕事をできるか、このサイドの攻防に注目である。

 現在5位と好位置につけるアビスパ福岡にとって、カマタマーレ讃岐は手強い相手となるだろう。ウェリントンの存在感が増す福岡だが、讃岐のセンターバック、藤井航大エブソンのコンビも対人プレーに優れ、クロスを確実に跳ね返す能力を備えている。このエアバトルは激戦必至だ。福岡が先制する時間が遅くなればなるほど、ゲームがもつれる可能性が高くなる。

 J1昇格争いに目が行きがちだが、これからは残留争いも熾烈を極める。雷雨のため順延になっていた第27節、ザスパクサツ群馬vsFC岐阜の一戦が8月26日に行われ、1-0で岐阜が勝利したことにより、岐阜が21位に浮上し、大分トリニータが最下位に転落した。大分は9月20日、第32節での岐阜との対戦を前に、今節の熊本戦を良い形で終えたいところ。群馬vs岐阜を観戦した後、岐阜のラモス瑠偉監督は私にこう熱く語った。「栃木戦、群馬戦そして北九州戦が本当に大事な試合になると選手に言ってきたんだ!」。そして、アウェーで栃木SC、群馬に勝利。今節、ホームでのギラヴァンツ北九州戦を迎える。技術や戦術を越えた、魂の戦いが繰り広げられるだろう。今年もそんな季節になってきました。

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