ハードワークをベースとする山形 [写真]=Getty Images
■モンテディオ山形 フィニッシュの精度に課題が残る
前節新潟戦はアディショナルタイムに追いつかれ、精神的なダメージの大きいドローとなった。しかし、石崎信弘監督が「暑い中での中3日のゲーム、本当に選手たちはよく戦ってくれた」と振り返るとおり、チームのベースとなるアグレッシブな戦いはできたことは成果ととらえることができる。
その試合でCKから林陵平にゴールが生まれている。前々節横浜FM戦では同じくCKから西河翔吾がゴールを決め、その試合をモノにしている。石川竜也のキックも好調で、ロースコアの競った展開が多い山形としては貴重な得点源になりつつある。
ただし、一方で流れの中からの得点はこの2試合ない。サイドからクロスを上げるなどチャンス創出まではできているが、クロスを含めたラストパスやフィニッシュ精度は一朝一夕には上がらない。連戦の中、練習で重点的に時間を割けない事情もある。
今節の相手はポゼッションをベースにする柏。連動したプレッシングを磨いてきた山形としては戦いやすい相手だ。ただ、運動量が求められる戦術だけに、連戦の疲労が蓄積する中、固定されたメンバーで最後までハードワークできるかどうか。守備の時間が長く続けば、後半早い時間に足が止まることも予想される。また、柏は水曜日のACLで先発メンバーを総入れ替えしている。温存された柏の主力と対峙しなければならず、コンディションの差がどれだけ表出するかも気になるところだ。(totoONE編集部)
■山形予想スタメン
3-4-2-1
GK
山岸範宏
DF
當間建文
西河翔吾
石川竜也
MF
キム・ボムヨン
松岡亮輔
アルセウ
高木利弥
ロメロ・フランク
ディエゴ
FW
林陵平
■柏レイソル ACL主力温存でコンディションは抜群
6日のACLビンズオン戦は、すでにグループリーグ首位通過を決めていたとあって、メンバーを総入れ替えで臨んだ。これによって主力選手を全員温存できたことは、連戦続きだった柏にとっては非常に大きかった。
そのACLは0-1で敗れはしたものの、多くの若手が計算できるレベルにあることを実証し、さらにけがで戦列を離れていた大津祐樹、狩野健太が90分プレーして、少々不安のあった選手層にも厚みが加わった。
ただ、今節対戦する山形と柏の相性は決して良いとは言えない。特に山形のアウェー戦では過去一度も勝ったことがなく、柏がJ1を制した2011年ですら1-2で敗れている。おそらく柏がボールを保持し、圧倒的に攻め込む展開になると思われるが、引いた相手の守備を崩せずに前がかりになりすぎると、その背後をカウンターで突かれるという、最近の柏が敗れるパターンにハマる可能性がある。自分たちが攻撃を仕掛けている時はリスクマネジメントを徹底したい。
前節の清水戦では、守備面の課題は改善の兆しが見られており、ホームで引き分けという結果ではあったがリスクマネジメントの意識が高く、開幕戦の神戸戦以来の完封といったプラス材料も見られた。GWの連戦の最中、ACLを回避してコンディションが復調傾向にある選手たちは、“鬼門”のアウェー山形を攻略できるだろうか。(鈴木潤)
■柏予想スタメン
4-3-3
GK
菅野孝憲
DF
キム・チャンス
鈴木大輔
エドゥアルド
輪湖直樹
MF
武富孝介
茨田陽生
大谷秀和
FW
工藤壮人
レアンドロ
クリスティアーノ