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まさに壁に耳あり…土壇場の同点弾生んだ首位浦和の抜け目なさ

同点ゴールを挙げるズラタン(21番) [写真]=大木雄介

 時計の針は、間もなく90分を指そうとしていた。

 肌寒さが残る4月12日に行われたJ1・1st第5節。0-1のままタイムアップを迎えれば、開幕から続けてきた無敗が途切れるとともに、首位の座から引きずり降ろされることを意味する。浦和レッズにとって、3年連続で敗れているアウェーでの川崎フロンターレ戦で訪れた正念場だった。

 35分に喫した失点を挽回すべく、サイドからの突破やロングボールと、あの手この手を講じたがどうしても1点が遠い。敗色の影が迫りくる中で迎えた、試合終了間際の89分。相手陣内の右サイドで得たFKの場面で、どこからともなく声が聞こえてきた。

「ああ、これはチャンスだな」と。ゴール前でポジションを争っていた槙野智章が振り返る。

「相手があの瞬間、『ゾーンディフェンス』ということを口に出したので」

 リードを守るべく発したコーチングが失点に繋がるとは、追いつかれた川崎にとっては何とも皮肉である。一方、利を得た側の槙野は続ける。

「相手の間と間に入っていけば、チャンスだなと。あとはオフサイドにならないことだけを注意しながらやっていました。すごく良いボールが来て、まだ映像は見ていませんが3人ぐらいはフリーだった」

 柏木陽介の左足から放たれたボールは、ニアサイドにフリーで走り込んだズラタンの頭にピタリ。今季新加入の大型FWは、ヘディングで移籍後初ゴールとなる同点弾を叩き込んだ。

 川崎にとっては、中村憲剛が「セットプレーは陽介のボールも良かったですけど、あそこでしっかりクリアして1-0で終わらせるのもアリかなと思っていた」と振り返る痛恨のプレー。一方、「選手たちが非常に強い気持ちを持って最後まで戦った結果、同点ゴールに結び付いたと思う」とは、初黒星と首位陥落を辛くも回避した浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督。

「試合全体を通して見れば、我々の方が少し勝ち点3に近かったかなという印象」と指揮官は振り返ったが、「等々力での過去のゲームより、今日はかなり良いゲームができたのではないかと思っている」とも語る。試合後の会見での言葉と饒舌ぶりは、勝ち点2を上積みできなかった悔しさよりも、満足感の大きさを表していると言えそうか。

 新メインスタンドが完成した等々力陸上競技場が、ほぼ満員となる2万4992人を集めた序盤戦の大一番。「試合が拮抗した中で、決めるべくところで決めるということは強み」(槙野)というセットプレーと抜け目のなさで、鬼門での貴重な勝ち点1を掴み取った。

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