Jリーグ第33節が29日に行われ、サガン鳥栖と浦和レッズが対戦した。
勝ち点61で首位に立つ浦和は勝利を収めた上で、勝ち点59のガンバ大阪が引き分け以下に終われば、8年ぶり2度目のリーグ優勝が決まる。対する鳥栖は、浦和と勝ち点差が5のため、勝利以外で優勝の可能性が消滅する。熾烈な戦いが必死の大一番となった。
4分、那須大亮がハーフウェーライン付近からゴール前にクロスを上げる。梅崎司がヘディングで左に落とし、宇賀神友弥がダイレクトでミドルシュートを放つもクロスバーに直撃する。
鳥栖は11分、林彰洋からのロングボールに池田圭が競りながらヘディングで後ろに流す。キム・ミヌが詰め寄ったがシュートまで持ち込むことはできない。22分、右サイドで水沼宏太が槙野智章からボールを奪取するとペナルティエリア内に侵入し、中央へパスを送る。受けた藤田直之がシュートを放つが、相手DFにブロックされる。
31分、岡本知剛が負傷し、高橋義希と交代する。2分後、右サイドの水沼がゴール前に浮かせたボールにキム・ミヌがヘディングで合わせに行くも、那須が体を張って防ぐ。直後、後方からのロングボールに反応した李忠成がカウンター攻撃を仕掛ける。ドリブルで安田をかわすと、キム・ミヌに体を寄せられながらもペナルティエリア内に持ち込みシュート。しかし、わずか左に外れる。
41分には、藤田が左サイドからロングスローインを入れる。相手DFのクリアボールを、菊地直哉が胸トラップし右足を振り抜いたが、西川周作がキャッチ。両者ゴールを奪えず、スコアレスで前半を折り返す。
後半、立ち上がりから浦和が積極的に攻める。47分、森脇良太が右サイド深い位置から中央に折り返す。宇賀神からフリーで受けた柏木陽介がシュートを放つも相手DFがブロック。跳ね返ったボールに李が反応するも、ネットを揺らすことはできない。
52分、ゴール前でセカンドボールを拾った池田がシュートを放つが、枠を捉えることができない。65分、浦和は梅崎、平川忠亮に代えて、マルシオ・リシャルデスと関根貴大を投入する。3分後、裏に抜け出した李を止めに入った菊池がレッドカードを受け、PKを献上。これを阿部勇樹がゴール左に冷静に沈め、浦和が先制する。
数的不利になった鳥栖を相手に、浦和が果敢に仕掛ける。76分、またもやディフェンスラインの背後に李が抜け出す。左足でシュートを放つが、惜しくも枠を外れる。鳥栖は81分、安田からのロングボールを豊田がヘディングでゴール前に落としたところに、水沼が合わせに行くも得点には至らず。
最後まで気迫あるプレーでゴールに迫る鳥栖はアディショナルタイム、CKから小林久晃がヘディングでネットを揺らし土壇場で同点に追いつく。激しい攻防の末、1-1で勝ち点1を分け合った。
この結果、鳥栖の逆転優勝の可能性は消滅したものの、AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得に望みを繋いだ。また、G大阪がヴィッセル神戸に勝利したため、浦和は得失点差で2位に後退している。