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互いの知将が認めた好ゲーム…柏対浦和で勝敗を分けた僅かな差

熱戦の末、ホームの柏が勝利を手にした [写真]=清原茂樹

 気温は23度を超えていたが、ピッチ上の熱量は春の陽気というレベルを遙かに上回っていた。

 ゴールデンウイーク初日の26日に組まれたJ1第9節の柏レイソル浦和レッズの一戦は、試合後に両監督が「良いゲームだった」と口を揃える充実の展開となった。

 序盤から互いにチャンスを作ると、24分に原口元気のペナルティエリア内での鮮やかな反転シュートにより浦和が先制。ホームの柏も、後半から投入された茨田陽生が60分に豪快なダイレクトボレーを叩き込み、試合を振り出しに戻す。同点後は、柏がPKで、浦和がCKから得点したことで、後半アディショナルタイムを迎えて2-2。実質的なラストプレーで、田中順也が勝ち越しゴールを挙げ、柏が打ち合いを制した。

「今年の9試合で一番戦い合った」とは、競り勝った柏のネルシーニョ監督。「最後まで闘志と集中力を切らさず、我慢した」と激闘をものにした選手を称えた。一方、敗れた浦和のペトロヴィッチ監督も、「試合を通して選手達は良いプレーをしてくれたと思うし、最後まで勝利を目指して戦った結果」と潔い。

 気になってくるのは勝敗の分かれ道だが、「2-2の状態で相手のポゼッションの時間が増えていた時でも、奪ってからのチャンスというものは作れていた」とネルシーニョ監督は語る。「どういう状況でも選手たちが攻撃に出た時はやってくれると信じて、得点を願うもの。その中で90分間戦ってそのご褒美として順也の決勝ゴールがもらえたと思う」と振り返った。

 恩恵にあずかり損ねたペトロヴィッチ監督は、「我々のシュートがクロスバーに当たったシーンもあったし、それが入っていれば勝敗は変わっていたかもしれない」と言及。実際、浦和の柏木陽介らのシュートは金属音とともに跳ね返されたことに対して、決勝ゴールとなった田中のシュートは、ポストに当たりながらもゴールに吸い込まれていった。

 ペトロヴィッチ監督の言う通り、僅かな差が勝者と敗者を分ける厳しさを思い知らされる一戦となったが、同時に選手達はその僅かな差を追い求めているのである。

 強烈な左足のシュートが持ち味の田中だったが、決勝弾は右足から。利き足かのように巻き込んだシュートを、「練習の成果が出た」と胸を張る。度々好守を見せながらも3失点を喫した浦和のGK西川周作も、ノーチャンスかと思われた茨田のボレーを「素晴らしかった」と認めながらも、「ああいうシュートを止めると、勝ち点が取れる」と悔やんだ。

 もちろん、向上心ではチームを束ねる指揮官も負けてはいない。

 ペトロヴィッチ監督が、「引き分けで終われて勝ち点1があったかもしれないが、勝ち点3を目指した結果。我々は引き続き、攻撃的なサッカーを続けていきたいし、どこかでこの失った勝ち点を取り返していければと思っている」と言えば、ネルシーニョ監督も「まだ伸びしろのあるチームだから、もっと質が上がってくる、上がり続けると思う」と続いた。

 互いに尊い勝利を目指した結果、今回は柏が勝ち点3を手にした。助っ人ブラジル人を欠く中、好調のチームを激戦の末に下したことで、勝利とともに勢いも手にしそう。ただ、一方の敗れた浦和に、何も残らなかったわけではない。

 試合後のサポーターへの挨拶で、4連勝を逃したことを咎められることはなかった。頭を下げる選手達には、戦いぶりを称えるかのように大声量でクラブ名を叫ぶコールが降り注がれた。勝利に届かなくとも、ピッチ上の確かな熱量は伝播していくのである。

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