2016.07.26

クラブ設立から破竹の15連勝…いわきFCが2017シーズンのトライアウトを実施

サッカー総合情報サイト

 アメリカのアンダーアーマー社とパートナー関係にある株式会社ドームが全面バックアップ。「いわき市を東北一の都市に」とのビジョンを掲げ、福島県2部リーグからスタートした。2015年12月のクラブ設立から半年、チームは公式戦15連勝と波に乗る。もっとも、勝ち続けることがいわきFCのゴールではない。「どのカテゴリーにいるかは関係ない。見ている人をワクワクさせること、感動を与えることを目指している」からだ。船出は万事順調、この勢いを加速させるべく、クラブは2017シーズンに向けた第2回コンバイン(トライアウト)を実施する。クラブが求める人材とは――。スカウトを務める元湘南ベルマーレの田村雄三氏と、元FC東京の平松大志氏がクラブの理念と、理想とする選手像を提示した。

インタビュー=安田勇斗
写真=兼子愼一郎

――クラブ設立から半年が経ちました。改めていわきFCがどんなチームを目指しているのか教えてください

田村 見ている人がワクワクするような、勇気を与えられるようなチームにしたいと思っています。常に攻撃的で、守備でもボールをどんどん奪いに行く。そんなサッカーを見せたいですね。

平松 見る人がワクワクするのは、速いプレーやぶつかり合い、打点の高いヘディングといった勢いのあるプレーだと思います。それを実際にスタジアムで見せて、多くの方に「すごい」と感じてもらえるようなチームにしていきたいと思っています。

――チーム作りは順調に進んでいますか?

平松 まだまだですね。

田村 攻守にアグレッシブに戦うには、やっぱり技術が必要なんです。でも、それがまだ足りなくて、例えば守備ではボールを奪いに行けず、ブロックを作って守ることもあります。監督を含めたスタッフ間で議論しているところですが、それをどう変えていくかが課題ですね。

平松 個々の能力は上がっています。一対一の練習なども採り入れて、守備では粘り強くボールに付いていけるようになってきたと感じています。ただ全体的な戦い方ではまだまだだと感じています。

田村 試合には勝っていますけど、点の取り方もクロスからとかワンパターンなんです。相手がブロックを作るから、外からクロスを入れるという考えは理解できるんですけど、見ていて楽しいサッカーとはまだ言えないですね。

――リーグ戦を戦いながら、Jリーグクラブとトレーニングマッチも行っているそうですね。

田村 はい。春先からここまで湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台、水戸ホーリーホック、モンテディオ山形、栃木SC、ブラウブリッツ秋田などと対戦させていただきました。選手たちは高いモチベーションで臨んでいますし、いい刺激になっていると思います。

平松 やっぱり上のカテゴリーのチームと試合をしないと成長できないですし、本当に良い機会になっていますね。

田村 結果も勝ったり負けたりで、互角に戦った試合もあります。あくまでトレーニングマッチですし、選手たちにはいつも「勘違いするな」と言っていますけど。

――ちなみにいわきFCは、『アンダーアーマー』の日本法人にあたる株式会社ドームの全面的なサポートを受けている点も特徴です。

平松 ウェア一式、スパイク、それにサプリメントも提供していただいています。

田村 サプリメントは、プロテインやゼリーなどいろいろな種類があって、アスリートに必要なものはすべてそろっています。また、トレーニングの面でも週3回、トレーナーに来ていただいて筋トレなどの指導をしていただいています。

平松 筋トレはサッカーに必要なものというより、すべての能力を高めるためのメニューを組んでもらっているんです。

田村 それを半年続けて、実際に効果も出ています。まず体つきが変わってきました。先日、Jリーグのクラブとトレーニングマッチを行ったのですが、フィジカル的には負けていませんでした。技量では劣っていましたけど、体をぶつけられて倒れるシーンはほとんどなかったですね。

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――8月13日、14日に第2回コンバイン(トライアウト)が実施されます。これは2017シーズンの新加入選手を選考する場とうかがいました。

田村 どこよりも早く実施したいという意向があって、この時期に実施することになりました。僕たちはスカウトなので、できるだけ早くたくさんの選手たちを見たかったので。

平松 貴重な場なので、良い選手がいれば何人でも取りたいと思っています。

田村 こういうセレクションでは、僕たちの目が届かないところ、例えばスカウトに行けない地方の選手も来るので、そういった出会いは楽しみですね。

――応募資格として25歳以下という条件があります。

田村 実際のところ、26歳以上だから絶対にダメということではないんです。僕たちが掲げているサッカーや体作りは積み重ねによって生まれるものだと思っています。若くて勢いのある選手がそういうスタイルを身につけて、ピッチ上で戦ってくれたら面白いかなと。それで25歳という基準を設けました。

平松 それぐらいの年齢になると、自分のサッカーというものが固まってくるんです。そういう経験値の高い選手にいわきFCの考えるサッカーを、ゼロからたたきこむのは難しいかなというのはありますね。

――第1回に続き、第2回のコンバインでもフィジカルテストを実施します。具体的にどんなメニューを行うのでしょうか?

田村 今後も継続的にデータを積み重ねていきたいと考えていて、第1回とほぼ同じ内容で行います。第1回の合格者はこのタイミングでもう一度データを取り、どれだけ上がったかを見つつ、今回のコンバイン参加者のデータとも比較しようと思っています。

平松 具体的なメニューは、まず60キロのベンチプレスを何回できるか。これは制限時間を設けず限界までチャレンジしてもらいます。次に立ち幅跳びと垂直飛びで体のバネを見ます。それとスプリントをチェックするため10メートル走と30メートル走を行い、「5・10・5(ファイブ・テン・ファイブ)」で俊敏性も見ます。「5・10・5」は5メートル走って反転し、10メートル走って反転し、5メートル走る瞬発系のメニューです。

――クラブが求めているのはどんな選手なのでしょうか?

平松 攻守にアグレッシブに戦える選手ですね。体の大きさは関係なく、戦えるかどうかです。

田村 戦うというのはマインドの部分です。小手先の技術を磨くのではなく、体をぶつけられても踏ん張って相手を置き去りにするぐらい勇敢に戦える選手。そういう人材を求めています。

平松 今いわきFCに所属している選手たちもここ半年で成長しています。いわきFCの選手はサッカーの練習や試合をしながら、仕事もしているんです。僕たちは「仕事の取り組み方は、サッカーにも影響する」と伝えているのですが、実際仕事で手を抜いている選手はプレーにも表れます。ある選手はそれが身に染みてわかったようで、最近は仕事をしっかりやるようになり、サッカーも試合前のアップから集中してやるようになったんです。

田村 サッカーって結局最後は「人」なんですよ。手を抜こうと思えばいくらでも手を抜ける。普段からだらしない生活を送ってる選手は、ピッチ上でもやっぱりダメなんです。

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――「仕事」という話がありましたが、いわきFCの選手たちは日頃、どういう生活を送っているのでしょうか?

田村 練習は毎日朝8時から11時までで、仕事は水、木、金、土の14時から19時まで、基本的に日曜に試合を行っています。完全オフになるのは月か火で、月に1度は2連休を取れるようにしています。春先から少しずつ変わってきて、仕事の時間はかなり減り、よりサッカーに集中できる環境になったと思います。

――職場は「ドームいわきベース」です。選手たちはどういう作業を行っているのですか?

田村 ドームいわきベースは倉庫で、ベルトコンベアで運ばれてきたものの箱詰め作業や、商品の在庫補充などを行っています。

平松 実際に僕たちもやりましたけど、結構キツいです(苦笑)。例えばいわきFCの選手のように、サッカーをやるために仕事をするという明確な目標があればがんばれる気がするんですけど、目的もなく何も考えずにやるのは大変ですね。

――練習環境をより良くするために、グラウンドの整備とクラブハウスの建設も進めているそうですね。

田村 グラウンドは11月に、クラブハウスは来年4月に完成予定です。新しくできるグラウンドはヤシの実を使った天然素材の人工芝でサッカーコート1面と、フットサルコートも併設しており、サッカーだけでなく走り方教室など様々なスポーツで活用できればと考えています。クラブハウスは……日本一のクラブハウスになると思います(笑)。

平松 商業施設も入るクラブハウスにしようと思っています。3階建てで、グッズショップや飲食店、トレーニング施設、パーティー会場などが入居する予定です。

――最後に今シーズンの目標と、数年後を見据えた中期的な目標をお願いします。

平松 今シーズンの目標はJFL昇格です。かなり困難な道ですが、飛び級のチャンスもあるので可能性がある限りはそこを目標にしていきたいと思います。

田村 クラブに関わっている以上は、今狙える一番上の目標を目指すべきかなと。JFLの入れ替え戦にたどり着くのは相当過酷ですが、条件はどこも一緒ですから。まずは8月上旬の東北大会で3連勝を目指します。数年後の目標は、アカデミーを作ること。しっかりとしたベースがあれば、チームはより強くなっていきますし、理想とするチームにも近づけるはずなので。

平松 ここ2、3年はやっぱりベース作りになるかなと。地盤を固めて、そこから今後につなげていければと思っています。

――J3、さらにはJ2昇格という目標は?

平松 どのカテゴリーにいるかは、クラブの目標ではないんです。もちろん上のカテゴリーにいることは大事だと思いますけど。

田村 僕たちのイメージとして、やろうとしているサッカーが実際にできるようになったら、自然と上のカテゴリーにいると思うんです。前に行かず守りきるサッカーでは、上に行けないでしょうし、プレーしている選手たちも面白くないし、いわきも盛りあがらない。それじゃあダメなんです。

平松 今は目指すサッカーを実現するためのベース作りです。魅力的なチームのベースができあがれば、良い選手が集まってくる。一方でグラウンドやクラブハウスなどのハード面も整えておけば、そういう選手たちを迎え入れられる。そして数年後には自分たちが掲げるサッカーで成績を残す。それができれば、自然といわきが盛りあがると思っています。

いわきFCコンバインへの参加はこちらから

■コンバイン申し込み概要
日時:2016年8月13日(土) 終日、2016年8月14日(日)AM
会場​:いわき市内
選考方法​ 1次選考:書類選考
※8月9日(火)までに、合格者へ2次選考の案内をメールにて送付。
2次選考:技能選考 8月13日(土)ゲーム形式、フィジカルテスト
3次選考:技能選考 8月14日(日)ゲーム形式

申込方法:公式ページ下部の応募フォームより。
​応募資格​:ドームいわきベース(物流倉庫)で働きながら、プロを目指せる25歳以下の男性​
応募費用:無料(2次選考に進んだ者のみ、コンバイン参加にかかる交通費、宿泊費は自己負担)
備考​:スポーツ傷害保険には弊社にて加入する。
※ケガの際は、上記の保険の適用範囲内での保障となる。念のため、当日は自身の健康保険証も持参。
・当日は報道関係者からの取材、また映像や静止画が報道される場合がある。​
応募締切 2016年8月5日(金)18:00

問い合わせ先​:株式会いわきスポーツクラブ​
〒972-8322 福島県いわき市常磐上湯長谷町釜ノ前 1-1​
TEL:03-6757-6666
E-mail:iwakifc@domecorp.com

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