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青森山田、選手権連覇まであと1勝…身体を張り続けた影のヒーローは“2年生CB”

青森山田の藤原優大 [写真]=野口岳彦

 身体を張り続けた2年生CBが影のヒーローだ。

 6対17。青森山田(青森)は帝京長岡(新潟)に倍以上のシュートを放たれた。とりわけ、前半は相手に翻弄され、危険な場面を迎えたのは1度や2度ではない。そうした状況でも最少失点で食い止められたのは、藤原優大の存在があったからだ。

 試合序盤、チームは浮き足立った。対策を練っていたが、晴山岬(3年/町田入団内定)、谷内田哲平(3年/京都入団内定)を擁する帝京長岡の攻撃陣に苦戦。正確なパスワークと縦に速い攻めに後手を踏み、何度も決定機を作られた。藤原は言う。

「相手は足元もあるけど、背後も狙ってくる。本当に色んな攻撃ができるチームで手を焼きましたし、序盤はディフェンスラインを下げ過ぎたんです」

 前半16分に田中翔太(3年)のゴールで先制しても、なかなか落ち着かない。「2-0になっていてもおかしくなかった」と黒田監督が認めた通り、以降も劣勢が続いた。それでも無失点に抑えられたのは、藤原がゴール前で立ちはだかったからこそ。ハーフタイムを迎えるまでカバーリングをしつつ、球際で逃げずに立ち向かった。ピンチになれば、誰よりも声を出して仲間を鼓舞。DFリーダーとして、誰よりも戦った。

 ハーフタイムにチームで話し合い、後半は守備のやり方を微調整。「相手の足元に入る回数が多かったけど、なんとかチームで改善ができた。最後の方は足元にいけたので、自分の中ではうまく守れたと思います」とは藤原の言葉。率先して最終ラインをコントロールし、ボールが入った瞬間に相手へ寄せてピンチを未然に防いだ。後半23分にはゴール前で晴山岬(3年/町田入団内定)にチャンスを与えたが、後方から足を伸ばしてピンチを回避した。

 後半37分に帝京長岡の田中克幸(3年)に鮮やかなドリブル突破からゴールを許したものの、それ以外はタフな守りで奮戦。先制弾を決めた松木も特筆すべきパフォーマンスを見せたが、藤原も勝利の立役者に値するプレーだった。

 試合後、藤原は失点を反省しつつも、瀬戸際でゴールを許さなかった点に胸を張った。

「準決勝では2点を取った後に失点。準々決勝の昌平(埼玉)戦も3点を取って2点を取られた。だけど、今年1年の経験が生きた。3年生が引っ張ってくれて、自分も最後に守り切れた」

[写真]=山口剛生

 振り返れば、今年はチームも含めて浮き沈みの激しい1年だった。藤原は春先から好調を維持。今季からCBのレギュラーに定着した中で手応えを掴んでいた。しかし、夏のインターハイ・3回戦で北越(新潟)にPKで敗れたのを境に急降下。軽率なプレーが増え、チームも終了間際に失点する試合が続き、青森山田らしくない試合が続いた。

「インターハイの3回戦で負けてから、チームが崩れてしまった。そこから勝てなくなり、プレミアリーグEASTでも後半の終了間際に決められる試合が何度かあったんです。今まで積み上げて来たものが発揮できればと思っていたけど、(次は大丈夫だと思って)現状に慣れてしまっていた」(藤原)

 特に藤原が自身の問題点として挙げたのが、ミスをした後のメンタリティーだ。夏以降は失点に絡むと、ネガティブな気持ちが先行。その後のプレーに影響を及ぼし、納得のいくパフォーマンスを発揮できなかった。当時について、藤原はこう話す。

「自分の人間性が大事。それがプレーに影響すると気が付きました。夏のインターハイでも、監督に指摘されたことをやらずに(3回戦の北越戦でPK)を外してしまったんです。自分の人間性や人の話を聞くこと。それが全然足りなかった。開幕前は不安もあったけど、夏前までは自分の中で思った以上のプレーができていた。それが慢心に繋がったんです。あのPKから慢心が出て、(プレミアリーグEASTで)5戦未勝利の時期は自分のプレーで勝てない試合もあり、ファウルを与えてPKになったこともありました。青森山田は人間性を徹底するチーム。1人の人間としてもっと成長すべきだと知りました」

 8月中旬にU-17代表の候補合宿に参加した時も、同様の事を感じさせられた。

「代表で刺激を受けました。何もできなくて、全然ダメだった。周りとの差を感じたし、その時も人間性が出て、ミスした後にプレーが落ちた。自分の中ではメンタルを強く持っていて、『次だ』と思っていたけど気持ちが落ちていた。代表に行って、『まだまだ』だと痛感したし、サッカー選手として見つめ直す必要性を感じました」

 そこから自分と向き合い、改善に取り組んだ。その成果は今大会でも現れている。準々決勝の昌平戦では自らのパスミスで失点に絡んだが、気落ちせずにプレー。この準決勝は苦しい展開でも集中力を切らさず、最後まで懸命に戦った。

 連覇まであと1勝。1月13日に行われる決勝の相手は静岡学園(静岡)。松村優太(3年/鹿島入団内定)らを擁し、攻撃力に定評があるチームで相手に出し抜かれるかもしれない。だが、今の藤原は何が起こっても動じないメンタリティーがある。自身の成長を示すためにも、最後の大一番は負けられない。

取材・文=松尾祐希

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