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掲げたスローガンは『奪還』…“古豪脱却”を目指す神村学園が14大会ぶりの優勝に王手

決勝進出を果たした神村学園 [写真]=吉田孝光

 第28回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は8日、ノエビアスタジアム神戸で準決勝の2試合が行われた。

 2回の優勝経験を持つ神村学園高等部(九州1/鹿児島)と、初のベスト4に進出した大阪学芸高校(関西3/大阪)の試合は、左CKから決めた近藤千寛の得点で1-0とした神村が決勝進出を果たした。

 神村は前半から果敢にシュートを放って、快進撃を続ける大阪学芸を押し込むことに成功した。決勝点は75分、左CKを蹴った國生乃愛のボールがこぼれ、途中出場の近藤千寛が押し込んだ。

 14大会ぶりの優勝に王手をかけた神村の寺師監督は、「嫌なくらい『古豪』と言われている。これを変えるために、今季は『奪還』というスローガンを掲げた。ただ、その思いは彼女たちの方が強いはず」と教え子たちに期待をかけた。

 高校女子選手権の奪還に向かって、神村の選手たちも工夫を凝らしてきた。

「特別、遠めからシュートを狙おうとは指示していない」と寺師監督は明かしたが、神村のキャプテン菊池まりあが、「まずはシュートを打って、そのリバウンドも狙おうと選手同士で話していた。そういうところをピッチ上では上下関係なく話せる。うまくいくこともいかないこともすべて共有するようにしている」と話した通り、大阪学芸ゴール前に次々飛んでくるシュートは、スリッピーなピッチも手伝い、大阪学芸の守備陣をたしかに慌てさせた。

 だが、大阪学芸も強豪校を下して勝ち上がってきた勢いのあるチーム。神村の右サイドでチャンスメイクする桂亜依は、「愛川陽菜や自分が攻撃で前を向くと得点に結びつけられるけど、前半は相手の圧で積極的にドリブルを狙えなかったから、面白くない試合になってしまった」と自認したが、奪還のために勝負に徹した。

 “古豪”という亡霊に悩まされながら、“古豪”なりの経験も、この一戦で十分に生かした。

「先輩たちから、ノエスタ(ノエビアスタジアム神戸)は声が通らないと聞いていた。だからなおさら、練習中から選手たちで声を出そうと意識してきた」と菊池。「毎年、『神村は優勝できなかったね』と聞くので、今年こそは必ず、絶対取ろうとも話している」と、過去の栄光が現役選手たちの背中を押して、4大会ぶりの決勝にたどり着いた。

 2005年大会以来となる優勝に向けて、寺師監督は「ずっと得点を取り続けてここまできたのは初めてに近い。今までは粘り強く守備してセットプレーやPKで得点、というパターンだったが、そのスタイルでは厳しいと夏から言ってきた。夏から取り組んできた色は出ている」とうなずきながら、「僕は高等部を6年しか見てないけど、その中では一番、力のあるチームだと自信を持って言える。攻撃力は間違いなくある」と語気を強めた。

 12日(日)の決勝戦で藤枝順心高校(東海2/静岡)を下すことに成功すれば、神村学園は“古豪”ではなくなる。

文=馬見新拓郎

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