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[前橋育英]強豪ぞろいのブロックへ…キーマンは伝統の“14番”背負う2年生【高校サッカー選手権】

前橋育英のキーマンは2年生の櫻井辰徳だ [写真]=松尾祐希

 2年前の選手権王者であっても、群馬県予選を勝ち抜くのは容易くなかった。
 
 今年は個の力に乏しく、下級生の時からレギュラーを張った選手がほとんどいない。そのため、春先からチーム作りに苦戦。逆に県下のライバル・桐生一はU-17日本代表の若月大和を擁しており、勝負がどっちに転んでもおかしくなかった。それでも、ゲームキャプテンのMF渡邉綾平(3年)や186センチの大型CB松岡迅(3年)らが成長。夏のインターハイ予選は、準決勝で桐生一が姿を消す中で出場権を獲得した。インターハイの本大会は初戦で青森山田に敗れたものの、正確なパスワークで相手を翻弄。0-2のスコア以上に相手を追い詰めた。

 迎えた選手権予選は粘り強い守備と鋭いサイドアタックで順調に勝ち上がる。準決勝では宿敵・桐生一に苦戦しながらも、Bチームで力を付けたボランチの栗原諒(3年)らが活躍。1-0で僅差の勝負を制し、セミファイナルを突破する。健大高崎との決勝では相手の粘り強い守りに手を焼き、カウンターから冷や汗をかく場面が散見。だが、後半終盤に挙げた熊倉弘達のゴールを守り切って6年連続の全国切符を手にした。

 春先の不安を払拭し、見事に出場権をつかんだ前橋育英。チームの核はボランチの渡邉やCBの松岡だが、上位進出を目指す上でキーマンになるのは櫻井辰徳(2年)だ。

 2年生ながらチーム伝統の“14番”を背負うプレーメーカーの武器は良質なキック。とりわけ、ロングフィードは正確無比で、中盤の底からピンポイントで左右にボールを蹴り込む。また、隙あらば見せるミドルシュートやプレースキックも質が高い。今年の攻撃陣は渡邉や熊倉など足元のテクニックや俊敏性に長けた選手が多いだけに、展開力に秀でた櫻井は貴重な存在だ。彼の出来がチームの浮沈を握ると言っても過言ではない。

 今でこそチームの中核を担っている櫻井。インターハイの青森山田戦で自信を深めたことが現在のプレーに繋がっているが、さらに成長を加速させたのがU-17代表の候補合宿だ。インターハイでのプレーが目に止まり、櫻井は8月中旬に世代別代表の活動に初参加。だが、現実はそう甘くはない。寝食を共にし、自身の現在地に気付かされたという。

「代表合宿で自分のレベルが低いと思い知った。インターハイで自信を掴んだけど、常連の選手と戦ったら何もさせてもらえなかった」

 さらなる飛躍を誓い、チームでトレーニングに没頭。しかし、桜井はスランプに陥ってしまう。

「合宿から戻ってきた後は代表に入った満足感もあったけど、その後に怪我をし、チームもプリンスリーグ関東で4連敗。自分の調子が上がらなかった」

 抜け出すために必死にもがいた。24時間サッカーのことを考え、身体を作るために食事量も増加。課題だった守備も球際で戦えるように意識を高めた。そうした積み上げで不振から脱却すると、選手権予選は攻守で奮闘。ゲームメイクに加え、課題だった守備でも成長の跡を見せ、チームの優勝に貢献した。U-17代表候補合宿がなければ、今の成長がなかったのは間違いない。

 初めて挑む選手権。来季のプロ入りを勝ち取るためにも、求められるのは自身の活躍でチームを勝利に導くことだ。

「初戦で負けた夏の悔しさは忘れていない。そこから勝つためにやってきた。色んな人が見にくるし、スカウトに力を証明する機会。強豪校が揃うブロックを勝ち抜けば、アピールになる」

 前橋育英は前回王者の青森山田やインターハイ準優勝の富山一らと同じ山に入った。厳しい戦いが予想されるが、自身の株を上げる絶好の機会。前橋育英の14番は自らの力を示すべく、待ち望んだ舞台に足を踏み入れる。

取材・文=松尾祐希

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