2019.01.14

「何かが足りなかった」…優勝逃した常盤木の2年生MF沖野るせり「来年は2冠を」

沖野るせり
決勝にフル出場した沖野るせり(14番) [写真]=吉田孝光
10年以上にわたり女子サッカーを追いかける気鋭のライター

 第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は13日、兵庫県の神戸ユニバー記念競技場で決勝戦が行われた。

 夏の全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(インターハイ)で優勝した常盤木学園高校(東北1/宮城)と、初の決勝進出で波に乗る星槎国際高校湘南(関東3/神奈川)の一戦は、0-1で星槎国際が勝利を収め、初優勝を果たした。

 試合前は、経験の面からも実績の面からも、常盤木が有利と見られていた。常盤木は45分ハーフのプレナスチャレンジリーグを通年で戦っており、今大会も優勝候補の藤枝順心高校(東海1/静岡)などを下してきた。インターハイとの2冠まで、あと一歩。6大会ぶりの選手権優勝で、名門復活を印象付ける一日にする準備は整っていた。

 しかし、立ち上がりから星槎国際自慢の3トップにボールを持たれた常盤木は、攻め急いで自らボールロストを繰り返す。

 すると23分、5,428人が集まったスタンドから、この試合一番の大きな歓声が挙がる。星槎国際のFW加藤ももが倒されて得たFKを2年生CB黒柳智世が右足で直接狙い、ゴール右上に突き刺した。「(黒柳にとって)ちょうどいい距離。ああいうキックができる選手」と評した、星槎国際・柄澤俊介監督の思惑通りの得点だった。

 常盤木は準々決勝で先制されながらも、その試合をひっくり返して決勝に進んできた。しかしこの日は、星槎国際の集中力の高い守備を最後まで崩すことができず、タイムアップの笛が鳴った。

 その瞬間、常盤木のMF沖野るせりはピッチに座り込んで、とめどなく溢れる涙を必死に拭った。ゆっくりと試合後の整列に最後に加わったが、表彰式でもうつむいたまま。応援スタンドに挨拶をした後、静かにロッカールームに下がっていった。

沖野るせり

[写真]=吉田孝光

「決勝の雰囲気の中、先に1点取られて焦りが出て、簡単に蹴ってしまった。本当ならボールを回していけるはずなのに、決勝は違った」と、試合をうまく運べなかったことを反省した沖野。インターハイ優勝メンバーであるものの、そこでは大会前のケガによって万全の状態で戦うことができなかった。そのため、選手権には一層懸ける想いがあった。

 準決勝では待望の選手権初得点を決めてチームを波に乗せたが、決勝ではミスが目立ち、持ち味であるゴールに直結するパスは影を潜めた。「3年生は最後の大会だったし、試合に出られない選手もいた。ラストパスをくれたのに、自分が決めきれなかった。3年生の想いに応えられず悔しい」と、自らを責めた。

 常盤木を卒業する主将GK今井佑香は「サッカーは強いチームが勝つとは限らない。相手との差は何か分からないけど、何かが足りなかった」と絞り出すように言ったが、その想いは2年生の沖野も同じだった様子。「何かが足りなかった。それをもう一度、一からやっていきたい。来年は2冠を達成するために、すべてをぶつける」と、密かに決心した。3年生の想いを引き継ぎ、名門・常盤木の復活を目指して。

文=馬見新拓郎

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