2014.02.04

「NIKE CHANCE」関東ラウンド。大成高校DF楠本の勝因は「個性」

「NIKE CHANCE」関東ラウンド
「NIKE CHANCE」関東ラウンドで約80名が参加した激戦を制した楠本(右)

 2月1日、ナイキが主催する世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」の関東ラウンドが横浜で行われ、大成高校(東京都)のDF楠本卓海が、約80名が参加した激戦を制した。楠本は関西ラウンドの勝者、履正社高校のFW瀧本高志とともに、3月にイングランドで行われるグローバルセレクションへの出場権を獲得した。

 この日、審査を担当したのは「NIKE CHANCE」のジャパンヘッドスカウトを務める名良橋晃氏(元日本代表DF)を始め、中西永輔氏(元日本代表DF)、長谷川祥之氏(鹿島アントラーズ強化部)、田村圭氏(浦和レッズ強化部)、櫛山匠氏(NIKE FCコーチ)と、そうそうたる顔触れ。だが、履正社高校のFW瀧本が強烈な存在感を示した関西ラウンドと異なり、関東ラウンドは参加者の実力が拮抗し、スカウト陣の意見が分かれる難しい選考となった。

 少人数でのプレーを中心とした第一次審査、プレーエリアを広げたミニゲームで実戦に近い動きを審査した第二次審査、そして11対11のゲームを行った第三次審査を経ても、スカウト陣の意見は一致を見なかった。議論の結果、最終的には8人の最終候補者が選ばれ、その中から「紙一重の差で」(名良橋氏)、対人プレーと足元の技術が光った楠本が勝者に選ばれた。なお、最終候補の8名は以下のとおり。

GK 岡本享也(川崎北高校)
DF 楠本卓海(大成高校)
DF 金子理史(八千代高校)
DF 熊谷崇大(三浦学苑高校)
MF 増田敬介(八千代松陰高校)
MF 渡邊夢大(東海大付高輪台高校)
MF 三村翼(清水桜が丘高校)
MF 伊藤暖希(湘南工科大附高校)

 いずれも積極的にアピールした最終候補者の中で、楠本を勝者に選んだ理由を、名良橋氏は「個性」とうい言葉で表現する。「やっぱり高さ、強さという際立った個性がある。その特長をしっかり出せれば、FWにとっては怖いセンターバックだと思う」。さらに、今回の勝者がグローバルセレクションに参加することにも触れ、「海外の選手は体のサイズが大きい。そうした相手にどこまでやってくれるか、という期待を込めた」と、世界と戦う上での期待値を含めた評価だったことを明かした。

「組織も大事だけど、サッカーの基本はやっぱり一対一。個人があっての組織だと思うので、個性を伸ばしていってほしい」
 名良橋氏のコメントのとおり、「NIKE CHANCE」の目的は単に勝者を選ぶことではないという。セレクションを通じて常に強調されていたのは、積極的に自分をアピールすること、そして自分の個性を発揮することだった。「個の力」を育てることでサッカー界の底上げをうながす。セレクションに込められた、そんなメッセージもうかがえる。

「落ちた選手もここが足りなかったのかな、と考えてくれると思う。それが成長につながる」と名良橋氏は言う。「積極性が一番大切。ミスを恐れないで、失敗してもまたチャレンジすればいい」
 事実、8名のうち、楠本に次ぐ2位の評価を獲得した三浦学苑高校のDF熊谷は「一番を取りたかった」と悔しさをにじませつつ、「もっとやれたと思う。みんな初対面でしたけど、もっと声を出して味方を動かせたはず」と反省の言葉を口にした。次いで3位となった東海大付高輪台高校のMF渡邊も「得意のドリブルが通用した部分と、しなかった部分がありました。少しのミスですぐにボールを取られてしまった」と、セレクションを通じて感じた課題を挙げた。参加者それぞれが個性を出し合い、ハイレベルな競争を通じて貴重な経験を得たことは、確実に次のステップへの糧となっているようだ。

 なお、関東ラウンドの勝者となった楠本と、関西ラウンドを勝ち抜いた瀧本の2人は、3月のグローバルセレクションを勝ち抜けば、THE FA(イングランドフットボール協会)の本拠地セント・ジョージズ・パークを拠点とするナイキアカデミーに参加する権利を得られる。「高さには自信があります。外国人相手でも、フィジカルとヘディングはとにかく負けないように頑張ります」(楠本)。世界とのハイレベルな戦いで、どこまで個性を出せるか。そして、そこから何を得るのか。その体験は彼らをさらに強く、たくましくしてくれるはずだ。

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