6月7日から9日の3日間にわたり、Fリーグ2024-2025 ディビジョン1 第2節の6試合が行われた。
開幕節で名古屋オーシャンズを下し、連勝を目指すしながわシティは、アウェーでフウガドールすみだと対戦。4分、自陣でボールをつなぐすみだに対し、サカイ・ダニエル・ユウジが粘ってボールを奪うと、東出脩椰にパスを出す。藤川侑哉に送ったボールをすみだDFがクリアしようとするが、こぼれたところに東出が詰め先制に成功した。1点を追うすみだがなかなか得点を挙げられない中、12分にはしながわが5ファウル。さらに17分には平田ネト・アントニオ・マサノリがレッドカードの判定を受け、すみだが第2PKを獲得する。これを今シーズン現役復帰を果たした星翔太が沈め、1-1で第1ピリオドを折り返した。
第2ピリオドでは23分、自陣でのキックインから攻撃を組み立てるすみだが中田秀人のゴールで逆転に成功。このまま勢いに乗りたいところだったが、28分には星龍太が退場処分を受けてしまう。数的優位のしながわは、すみだの集中した守備に苦戦しながらもサカイが同点弾。しかし、わずか20秒後には清水誠也のゴールですみだが勝ち越し、シーソーゲームを繰り広げる。33分にはカイオの左CKに新井裕生が頭で合わせて3-3の同点に。さらに38分、FKを得たしながわがカイオのゴールで逆転に成功すると、1点ビハインドのすみだは諸江剣語をGKに置きパワープレーを開始。しかし、ゴールをこじ開けることができず3-4で試合が終了した。
就任初年度で開幕2連勝を収めたしながわの比嘉リカルド監督は「前半いいペースでスタートし先制点を取った。2-0、3-0までいってもおかしくなかったが、ファウルを溜めてしまって退場もあり、追いつかれたところもディフェンスがうまくハマっていなかった。後半も悪くはなかったが相手のリズムになってしまいリードされ、踏ん張って4点目が取れた。この勝利はあきらめずに信じて最後までやったことがポイントだったと思う」と接戦を制した要因を語った。
白方秀和主将は「先制点を取ったあともチャンスがあったが逃してしまった結果、ファウルが溜まってしまい相手のリズムになった。苦しい試合だったが、相手の退場局面やセットプレーで点を取れたのはチームの力だと感じた。本来であれば流れから点を取れるのがベストだが、苦しいときにセットプレーで点を取れるということは勝点3を取り続けるために大事なこと。次は内容でも圧倒して勝てるようにいい準備をしたい」と試合を振り返った。
開幕からホームで2連敗のすみだの岡山孝介監督は「結果は残念だったが、チームの前進は確信している。次こそは必ず勝てるようにがんばりたい」。諸江剣語主将も「しながわはすごくいいチームで強かったが、自分たちにも勝てるチャンスはあった。勝ち点1でももぎ取りたかった。自分は守備の選手なので4点取られたところに責任を感じているし、集中力、準備、コミュニケーションで防げたような後悔の残る失点もあった。ゲーム運びやゲームを読む力をつけていく必要があると感じた試合だった」と言葉少なに語った。
9日には、フットサル日本代表でも活躍した稲葉洸太郎氏が新監督に就任したY.S.C.C.横浜がホーム開幕戦を迎えた。Fリーグ・広島エフ・ドゥなどで活躍した選手を中心に結成された「あしざるFC」も登場し、盛り上がりを見せた湘南ベルマーレとの“神奈川ダービー”。試合は両者ともにチャンスを作り、攻守がめまぐるしく入れ替わる展開となったが、得点には結びつかず0-0で第1ピリオドを折り返す。
第2ピリオドでもスコアが動かず終盤を迎えるが、36分、湘南のシュートをキャッチしたGK井戸孔晟が左サイドにスローを送るとこれを受けた菅原健太が湘南のマークを翻弄しゴール右隅にシュートを突き刺す。1点ビハインドとなった湘南は3分を残し萩原真夏をGKに置きパワープレーを開始。ゴールが生まれないまま時間が経過するが、残り43秒、底辺の計盛良太が放ったシュートが横浜DFに当たりコースが変わってゴールラインを割る。追いつかれた横浜はタイムアウトを取ると、野尻大和をGKにパワープレーを開始。湘南がGKを牛迫蒼海に変えたパワープレーを仕掛けると、横浜が残り5秒でラストチャンスに懸けるパワープレーを仕掛けるなど最後まで見ごたえのある試合を展開したが、1-1のまま試合が終了し、勝ち点を分ける結果となった。
稲葉洸太郎監督は「結果は悔しいが『今年の横浜はこうだ』というアグレッシブさやチームの雰囲気、個性を見せられたと思う。お互いに攻めてチャンスを作り、強度の高い試合だったので、その中でこのスコアというのは課題。絶対に決めないといけないシーンも2、3回あったが、自分たちが取り組んできたことは出せたので、全体としては悲観していない」と試合を総括。開幕2連勝で波に乗るペスカドーラ町田との次節に向けて「町田は結果を出しているチームなのでリスペクトを持って臨みたいが、自分たちらしいプレーをしっかり出せれば流れがくる時間帯は必ずある。そこでどれだけ仕留められるかに懸かっている」と展望を語った。
パワープレーのGKを託された野尻大和は名古屋オーシャンズサテライト出身の22歳。今シーズン横浜に加入したばかりだが稲葉監督の信頼も厚く、この試合でもサイドの仕掛けからチャンスを演出した。「相手を抜くところまでは自分でもよかったと思うが、得点にはつながっていないので次節は得点を取ったりアシストしたりゴールに絡みたい」と自身を評価する野尻。「横浜は明るく熱意があり、優勝を目指せるチーム」と自信を見せ「町田もいいチームだが、自分たちもいいチームだということを見せられるように準備をしたい」と意気込みを語った。
湘南を率いる伊久間洋輔監督は「拮抗した試合になると思っていた。アウェイでもあったのでディフェンシブに戦い、カウンターを取れることは予想していたが、決めきれずに試合を難しくしてしまった」と試合を振り返る。これまでも決定力が課題になることがあったが「いろいろな面で精度を高める取り組みはしているが、たとえば町田のヴィニシウス選手のように出場時間が限られていてもしっかり決めるというのはやはり技術。セッションのすべてをそこにかけることはできないが、一人ひとりの決定力を高めていくことに言及している段階ではある」と課題解消の取り組みを語った。
今シーズン、主将を務める高橋浩大は「キャプテンに指名されなかったら直訴しようと思っていた」と責任感をのぞかせる。その理由は「優勝したいから」。この試合でも攻守にわたる活躍を見せ、これまで以上に勝ちにいく姿勢が窺えた。高橋曰く「それはマストだし、キャプテンになってより一層その姿勢を見せないといけないと思っている」。失点に絡んだことを振り返り「自分がマッチアップしているところで失点をして危ない展開になったのでありえない」と自己を省みて、14日に控える小田原アリーナでのホーム開幕戦に闘志を燃やす。
▼Fリーグ2024-2025 ディビジョン1 第2節 結果
フウガドールすみだ 3-4 しながわシティ
ボルクバレット北九州 0-2 ペスカドーラ町田
ヴォスクオーレ仙台 0-4 立川アスレティックFC
バサジィ大分 1-2 名古屋オーシャンズ
Y.S.C.C.横浜 1-1 湘南ベルマーレ
シュライカー大阪 3-5 バルドラール浦安
By サッカーキング編集部
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