初めまして、デウソン神戸U-15のコーチをしています、山本尚希です。
フットサルをプレーしている時、どうすればいいのかわからない、なんてことはありませんか? そんな時、助けてくれるのが『戦術』です。そこで、皆さんのフットサルライフがより一層楽しくなる、知っておきたい戦術についてお話をしたいと思います。普段からフットサルを楽しまれている方、これからフットサル始めたい方、知っているだけでもプレーの幅が広がりますよ。ぜひ、チームの戦術に取り入れてください!
▼ファー詰めとは?
第1回目は、フットサルで「ファー詰め」とよく耳にする攻撃のバリエーションです。Fリーグでも「セグンド」と呼ばれ、攻撃で必ずと言っていいほど重要視されています。
言葉の由来は“セカンドポスト”、2本目のゴールポストを指しています。
シューターから近い方「ニアポスト」を1本目と考え、遠い方の2本目のポスト付近にポジションを取る、もしくはそのポジションでシュートを撃つことからそう呼ばれ、ポルトガル語では“セグンドパウ”と呼ばれています。
▼なぜファー詰めが効果的なのか?
フットサルのゴールマウスはサッカーと比べても小さく、ゴールキーパーの守備によってシュートコースが消されてしまい、セービングされてしまいます。
(黒い線で囲われたエリアがゴールキーパーの守備範囲)
相手ゴールキーパーの技術が高ければ得点するのは困難です。ただシュートを撃つだけだと、相手ボールになりカウンターを受けるなど、攻めていたはずの自チームを不利な状況に追い込んでしまいます。
これでは試合運びも上手くいきませんよね。
そこでファー詰めです。
先ほどの状況に緑3番の選手がファー(遠いサイド)ポスト前にポジションを取ることで、ゴールキーパーが守り切れないコースにボールを通すことができるようになりました。
3番の選手は、ガラ空きのゴールにボール流し込むだけ得点ができます。
▼オフサイドがない、フットサルならではの戦術
サッカー経験を経てフットサルを楽しまれている方には、違和感のあるポジショニングですよね。ですが、フットサルはサッカーとは違いオフサイドがありませんので、このポジショニングが可能です。
そして、ファーポストにいるチームメイトを生かすことが重要です。3つのことを意識してシュートを撃ち、仲間を生かしましょう。
・ファーに詰めている選手に向けてシュートを撃つ
“仲間へパスをする”という意識で供給すると、ボールの速度が遅くなり相手に反応されてしまいます。ゴールキーパーやディフェンスの選手が反応できない速度のボールを蹴る為にも、仲間にシュートを当てるつもりで、ファーにシュートを撃ってください。『ゴールから外れても仲間が詰めてくれる』という考えを持つことが大切。
・グラウンダーのボールが効果的
いくら仲間がファーに詰めてくれていても、シュートが大きく上へ反れてしまっては意味がありません。ファーポストまで詰めるプレーにはかなりの走力を要します。仲間のポジショニングを無駄にしない為にも、シューターのキック精度がとても重要。
・シューターのポジション
シュートを撃つ選手が高い位置を取り過ぎると、図の説明の様な位置関係が成立しません。ゴールキーパー、ディフェンスが守りやすい状況を作ってしまうので、45°から60°くらいの角度でシュートを打つことができれば理想的。
実演:デウソン神戸
#1 川崎貴生、#4 三村里来、#7 金尾裕太、#18 牟田口勇人
ファー詰めは、フリーランニングからのシュート、先にポジションを取っておいてのシュートなど、様々な状況で有効に使えるフットサル特有の攻撃のバリエーションです。チームの決まり事として行いたい戦術ですね。
まずはディフェンスのいない状態でゴールキーパーとの2対1。
次にコーンを置いてコースを限定したキーパーとの2対1。
最後にはディフェンスを1人加えて2対2。
というように段階を踏んだトレーニングを行うことで、ファー詰めはより強力な武器になります。チームに合ったトレーニング方法で、戦術に取り入れてみてください!
山本尚希
1983年5月27日生まれ、兵庫県西宮市出身。JFA公認フットサルB級ライセンス。2017年~、デウソン神戸U-15コーチ。2015/16、2016/17シーズン、Fリーグ・デウソン神戸監督。
web FUTSAL COACH NAOKI YAMAMOTO
twitter @Naoki_futsal
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By サッカーキング編集部
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