2018.01.12

万年下位からの脱却…Fリーグ・湘南ベルマーレがクラブ史上初のプレーオフに臨む

サッカー総合情報サイト

「力以上のものを出してくれたので、リーグ戦には必ずつながると思います。本当に素晴らしかったので。讃えてあげてください、選手たちを」

 5月に行われたFリーグ オーシャンカップ2017。湘南ベルマーレは、3位決定戦で前年度の王者、シュライカー大阪にPK戦の末、敗戦。奥村敬人監督は、涙をこらえながら冒頭のコメントを残した。その3週間後から始まったリーグ戦で、湘南は言葉どおりの快進撃を見せた。

 開幕戦でヴォスクオーレ仙台に6-0と完封勝利。つづく第2節のフウガドールすみだ戦でも、格上相手に堂々たる戦いを見せ、5-2で勝利した。1巡目の11試合では、8勝3敗という好成績。しかし、9月に北海道で行われた6クラブ共同開催で2連敗を喫し、ここから調子を落としていくのでは、との声も囁かれた。実際、プレーオフ出場を決めた試合の後、奥村監督は「10年間“弱い湘南”だったので、『いつか湘南は落ちるだろう』とみんなが思っていたと思う」と話している。

 2009シーズンにも指揮を執った奥村監督は、監督復帰1年目。昨シーズンまでおよそ2年半、監督を務めた横澤直樹前監督は、現在選手兼コーチとしてピッチに立っている。常々「信頼関係を築いている」と話す2人だが、1年前までベンチから指示を飛ばしていた監督が、選手としてピッチに立つことでの難しさはなかったのだろうか。奥村監督はこう話す。

「クラブ自体、横澤がブラジルで学んできたものを還元してほしい、と彼を呼んだので、彼のメソッドを継続してやっていく、というのが既定路線としてありました。彼ももちろん選手なので、ミスをすることもあるし、そのミスで失点することもあります。それはどの選手でも同じですが、他の選手たちは『なんだよ』って思うシーンも、もしかしたらあるかもしれない。それに対して、チームがまとまるようにするのが僕の仕事ではないのかな、と思います。彼とは本当に色々話をして、妥協点も見つけながら夢を語ったり、現実を見つめて今何十パーセントくらいまで達成できている、と話したりしながらやってきました」

 その横澤は開幕戦で鮮やかなアシストを見せたほか、ホーム開幕戦の終了間際に得点を挙げるなど、活躍を見せた。チームの成績と比例するようにサポーターも増えていき、Jリーグ・湘南ベルマーレと共同で盛り上げ施策を行ったトッケイセキュリティ平塚総合体育館でのホームゲームには、湘南カラーをまとった観客が詰めかけた。長年Fリーグを観戦している記者やファンが「ここまで盛り上がった試合は初めて」と口を揃えたこの試合は、対戦相手の選手でさえもその雰囲気を賞賛した。

 12月8日の第29節では、名古屋オーシャンズに次ぎ、2番目にプレーオフ出場を決めた。その試合は奇しくも、オーシャンカップの3位決定戦で敗れた相手、シュライカー大阪との対戦だった。昨シーズンまでの10年間では、Fリーグ初年度の8チーム中5位が最高位。決してプレーオフ出場を争えるチームではなかった。その湘南が、リーグ戦の上位を狙い、プレーオフ出場の手応えを感じ始めたのはいつ頃なのだろうか。奥村監督はこう話す。

「いけるんじゃないかな、と思ったのはオーシャンカップが終わってからです。今年は今までとは違うシーズンを過ごせるのでは、と思いました。プレーオフが明確に見えたのは第3クールですね。5位、6位を行ったり来たりしている中で、自分たちにはここからは下はない、という意識が出てきました。選手たちも何が変わったか、と言ったらそんなに変わったことはないんですけど、今までは惜しい試合で勝てなかった時、『やっぱり勝てないのか』となっていたところが、『もっと上にいきたい、もっと強くなりたい、もっといい環境を手に入れたい』という気持ちが生まれてきた、と練習を見ていても感じます」

 わずか数年前は、FP7、8人で1試合を戦うこともあった湘南だが、今シーズンはその選手層の厚さも魅力だ。下部組織の育成にも力を入れており、P.S.T.C.ロンドリーナ、同U18を含む全カテゴリで同じメソッドを実践し、トップに選手を上げていくという目的を持っているのだという。「誰が出ても同じフットサルができる、というのがクラブの在り方としていい形だと思っています。他から来るいい選手ももちろんいますが、メソッドを吸収するまでには時間がかかってしまう。(下部組織の)若い選手はその時間を既に過ごしているので、トップからユースまで50人以上でひとつのチームを成しているのかな、と。そこで切磋琢磨して誰が出てくるのか」

 クラブ史上初のプレーオフも目前。まずは1回戦で、フウガドールすみだと対戦する。この1回戦を勝ち抜くと、ペスカドーラ町田対シュライカー大阪の勝者と準決勝を戦う。2戦を勝ち抜けばいよいよ、今シーズンリーグ戦1位に返り咲き、王座奪還を狙う名古屋オーシャンズとの対戦だ。リーグ戦最終節で名古屋と対戦した際には、6-1で大敗している。

 奥村監督は初めてのプレーオフを「分からない部分もある」としながらも、「今までも自分たちのやることを当たり前にしっかりやる、ということを積み重ねてきたので、気負うことなく、当たり前のことを当たり前に。気持ちは熱く、頭は冷静に、それしかないと思います」と話している。自身も子どもの頃からサッカーをプレーしてきた奥村監督は、昔から「強い相手に勝ちたい」「勝って自分たちが上に行く」という思いが強いのだと言う。

「ぜひ決勝まで進んで、名古屋に勝って優勝したいと思います」と、力強い決意をのぞかせた湘南の躍進に注目だ。

■試合日程
1月13日(土)
DUARIG Fリーグ2017/2018 プレーオフ1回戦
14:30 ペスカドーラ町田 vs. シュライカー大阪
17:30 湘南ベルマーレ vs. フウガドールすみだ

1月14日(日)
DUARIG Fリーグ2017/2018 プレーオフ4位/5位決定戦
14:30 1回戦の敗者 vs. 1回戦の敗者
DUARIG Fリーグ2017/2018 プレーオフ準決勝
17:30 1回戦の勝者 vs. 1回戦の勝者

チケット情報はFリーグ公式サイトまで
http://www.fleague.jp/ticket/central/playoff/

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