中心選手となることが期待されているFP清水和也 [写真]＝河合拓
FP清水和也（フウガドールすみだ）は新生フットサル日本代表では象徴となることが期待されている。今年2月に行われたAFCフットサル選手権では、直前の合宿までフットサル日本代表に招集されていたが、FP星翔太（バルドラール浦安）との争いに敗れる形で大会への参加は叶わなかった。
そのアジア選手権で日本は3連覇を逃したばかりか、5位までに与えられる2016 FIFAフットサルワールドカップ・コロンビアの出場権も逃してしまう。アジア選手権のメンバー落選から、W杯出場に気持ちを切り替えようとしていた19歳の清水にとっても、この敗退はショッキングだった。
「日本の敗退が決まるキルギス戦は、（稲葉）洸太郎さんの隣で見ていたのですが、すごく悔しかった。あのピッチに立ちたかったという気持ちが、メンバーを外れてからよくわかったというか…。自分の中に合宿で持ち味を出し切れなかった悔しさもありましたし、現状でベストのメンバーで臨んであの結果だったので、そこに入れなかった自分の不甲斐なさも感じました。ショック過ぎて、その日の練習はあまり入り込めなかったし、（W杯という目標を失い）気持ちの整理もできませんでした。でも、あそこで戦ったメンバーが一番ショックだったと思うし、自分もイチからやり直そうと気持ちの整理をつけました。あとはピッチに立って結果を残すのみかなと思っています」
現在、Fリーグはオフ期間であり、今回の日本代表選手たちも、このトレーニングキャンプから体を動かしている状態だ。「心肺機能とか、まだ少しきつい部分もある」と清水は言うが、オフで負傷を癒すことができたこともあり、この日の紅白戦でもゴールをしっかり決めるなど、力強いプレーを見せて好調を感じさせた。
わずか3日のトレーニングで大会初戦を戦うこともあり、木暮賢一郎監督は前線のピヴォにシンプルにボールを入れていく戦い方を採用している。ケガで代表を辞退したFP森岡薫（ペスカドーラ町田）、星が不在のピヴォにあって、清水は長時間起用されることが予想される。
「僕は（フウガドールすみだのチームメイトである西谷）良介さんと出る時間が長いですし、どういうタイミングでパスを出してくれるかが分かるので助かります。良介さんとの連係をうまく出していきたい。今回の最大のミッションは勝つことで、絶対に勝利するという目的に向けて全員が良い形でやれています」と、手ごたえを口にした。
「僕の中ではベトナム戦も『リベンジ』というより、最大限の力を発揮する場所としか意識していません。100パーセントの力を出して勝利することが最大のミッションだと思うので、しっかり調整して臨みたいと思います」
明るい話題に乏しいフットサル界。昨季、Fリーグで19ゴールを挙げて最優秀若手選手賞を受賞した新星の輝きが期待されている。
文・写真＝河合拓
By 河合拓