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名古屋準決勝進出ならず…ベスト8で大会を終える/AFCフットサルクラブ選手権

2015.08.06

タシサット・ダリャエイとの準々決勝に臨んだ名古屋 [写真]=名古屋オーシャンズ

 7月31日に開幕したAFCフットサルクラブ選手権イラン2015。グループリーグを2位で通過した名古屋オーシャンズは準々決勝で開催国イランのタシサット・ダリャエイと対戦した。

 タシサットは、現イラン代表や代表経験者が多く在籍し、多くの選手が1対1の突破と強烈なシュートを武器に局面を打開するチーム。ピヴォを使った攻撃を得意とし、特にシャムサイーの得点力がずば抜けている。プレス回避が得意なチームではないため、前から強くプレスをかけること、ボールへの寄せが強い相手を怖がらずに長い距離のフリーランニングをタイミングよく入れ、ボールポゼッションを上げることがゲームのポイントとなると分析。また、会場は間違いなくアウェーの雰囲気であり、声も通らないほどの応援や相手チームが有利になる判定が予想されたため、忍耐強く戦う必要があった。

 これまでの2戦はセットごとに交代をした名古屋だが、今回はセットでの交代はせず、酒井、ペドロコスタ、森岡、吉川、北原、星の6名を中心に中村と前鈍内を投入する形でメンバーを組んだ。予選2試合よりコンディションも回復し、非常にいい雰囲気の中で準々決勝に臨んだ。

 前半開始直後、名古屋の思い描いたとおりにプレスをかけることができ、相手の自由を奪うことに成功。予選とは明らかに違い強度の高い動きを出すことができた。前半2分、森岡薫の敵陣でのカットから酒井ラファエル良男がパスを受けシュート。これがゴール前で相手に当たってコースが変わり先制。その後も、いいリズムでゲームを進める。

 しかし、1度プレスを回避されハーフまで戻されると、押し込まれる状況になる。初めの5分はシュートへしっかりと対応し、いい形で終えることができたが、前半7分、タシサットの左サイドの攻撃から9番シャムサイーにゴールを決められ失点。前半終盤には双方5ファウルになるが、お互い追加点を挙げられないまま前半を1-1で折り返す。

 前半は効果的にプレスをかけ、相手の良さの1つであるサイドでの1対1の突破に対応できていた。タシサットは短い距離のパスによるプレス回避ができていないので、後半はピヴォへの長いボールを多用し、ピヴォを使った攻撃をメインにしてくることも考えられた。そのためハーフタイムでは、相手のピヴォ当てをどうケアしていくのか、ピヴォ当てされた後の対応を確認した。

 迎えた後半立ち上がり、タシサットの1本目のキックインから失点。1点をリードされる。その後、タシサットの選手の動きがやや落ちると同時に、名古屋のプレスに対して長いパスでピヴォを使う攻撃が目立ち始め、やや押し込まれる時間が長くなる。

 34分、相手のミスから森岡が得点し、2-2の同点。長い距離のパスラインを作るという狙いが実を結んだゴールだった。ピヴォ当て、カウンターでゴールに迫るタシサットに対し、名古屋も森岡のピヴォと相手守備の裏を取る攻撃でチャンスをうかがう。37分、森岡がキープし中央へのパス。抜け出した吉川智貴がGKと1対1になるが、吉川のシュートを相手GKがセーブ。直後にタシサットの9番シャムサイーがディフェンスを背負いながらターンしてシュートを放つ。これがファーサイド下に決まり失点。決定機を作った直後だっただけに、非常に悔やまれる失点だった。

 名古屋は残り2分でパワープレーを開始。コーナー付近やゴール手前約10メートルからフリーでシュートを打つものの決めきれず、パワープレー返しから失点。2点差とされる。残り5秒、左サイドからのFKを森岡が直接決め1点差まで詰め寄ると、最後まで全員で1点を取りにいったが力及ばずタイムアップ。3-4で敗戦し、今年のAFCフットサル選手権をベスト8で終えることとなった。高地、低湿度、圧倒的な応援など、満足のいく状況で戦えたとは言えないが、そういった中でも勝ちきるにはやはり、力不足な面があった。

 また、イランにはフットサルというスポーツに熱狂し、応援する文化がある。その力は大きく、こういった応援は少なからずゲームに影響を与えてくるものだ。日本国内のフットサルでもこのような雰囲気を作り出すことができれば、Fリーグもさらなる発展を遂げることだろう。

(取材協力:名古屋オーシャンズ)

▽準々決勝
名古屋オーシャンズ 3-4 タシサット・ダリャエイ(イラン)

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