興梠慎三が貴重な同点弾 [写真]=2023 Asian Football Confederation (AFC)
2022シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝戦・第1戦が29日に行われ、浦和レッズ(日本)とアル・ヒラル(サウジアラビア)が対戦した。
アジア王者を懸けた“180分間”の前半が始まる。浦和は大邱FC(韓国)、ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)、山東泰山(中国)と同居したグループFを2位で通過した。決勝トーナメント1回戦でジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)を5-0で撃破すると、続く準々決勝のBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)戦も4-0で快勝。準決勝では全北現代モータース(韓国)と対戦し、2-2でPK戦までもつれ込んだ“死闘”を制して、2019シーズン以来となる決勝戦に駒を進めた。
一方、前回大会の覇者であるアル・ヒラルはグループAを首位で突破。決勝トーナメント1回戦ではアル・アハリ・ドバイ(UAE)を3-1、準々決勝ではフーラード・フーゼスターン(イラン)を1-0で下した。準決勝では元柏レイソルのFWマイケル・オルンガが所属しているアル・ドゥハイル(カタール)と対戦。7-0と圧巻のゴールショーを披露し、決勝戦行きの切符を掴み取った。
浦和にとっては2019シーズンの“リベンジ”を目指す決勝戦ともなる。当時は2戦合計0-3で敗れ、涙を飲んでいた。だが、2017シーズンの決勝戦ではアル・ヒラルを2戦合計2-1で下しており、クラブ2度目のアジア王者に輝いたこともある。歓喜に酔いしれた当時の経験を知る選手は西川周作、興梠慎三の2名のみとなっており、今回はクラブの新たな歴史を刻む一戦としたい。
サウジアラビア・リヤドの『キング・ファハド国際スタジアム』で開催される第1戦に向けて、浦和はアレクサンダー・ショルツ、酒井宏樹、大久保智明らがスタメン入り。一方のアル・ヒラルはチャン・ヒョンス、サレム・アル・ドサリ、オディオン・イガロらが先発に名を連ねた。
試合は早い時間帯に均衡が破れる。13分、アル・ヒラルは敵陣に押し込む時間の中で、右サイド開いた位置でサウード・アブドゥルハミドからのパスを受けたミシャエウが縦へ突破。切れ味鋭いドリブルから最終ラインとGKの間に低弾道のクロスボールを送ると、ファーサイドで待っていたアル・ドサリが押し込んだ。アル・ヒラルが幸先良く先手を取っている。
1点ビハインドとなった浦和は18分に反撃へ。ショルツの放ったロングフィードを興梠が胸で落とすと、前を向いた小泉佳穂が対峙した相手をかわして背後のスペースへ浮き球のボールを送る。だが、飛び出した興梠は寄せてきた相手に倒され、フィニッシュまでは持ち込めない。28分には敵陣でボールを奪った伊藤敦樹が持ち運びから相手を引き付けて横へ繋いだものの、興梠は足を滑らせてシュートとはならず。その後は手に汗握る展開が続いたものの決定的なシーンは生まれず、前半はアル・ヒラルの1点リードで終了した。
後半に入ると浦和が反撃へ。53分、敵陣中央に絞って斜めのパスを引き出した大久保が左足でスルーパスを狙う。相手DFが先に触ったこのボールは、GKアブドゥラー アルマユーフの予測に反した方向へ向かい、ポストに直撃。跳ね返りを狙っていた興梠が左足で押し込み、浦和が試合を振り出しに戻した。
その後の浦和は徐々に主導権を握って敵陣に押し込み続ける展開に。64分には左サイドから仕掛けた関根貴大がマイナス方向へ繋ぐと、パス受けた岩尾憲がペナルティエリア右へと展開。待っていた大久保がダイレクトでの折り返しを狙ったが、相手DFに阻まれてフィニッシュまでは持ち込めなかった。
直後のプレーではアル・ヒラルに決定機が到来。自陣でのボール奪取からアル・ドサリが巧みなターンで前を向くと、モハメド・カンノを経由してボールはムサ・マレガへ。ポストプレーから右へと叩き、相手を引き寄せたミシャエウがマイナスへ落とすと、カンノがペナルティエリア右へ角度をつけたパスを付ける。最後はマレガが右足を振り抜いたが、シュートはGK西川の指先をかすめてゴール左へ外れた。
その後も浦和ペースで試合が進むと、88分には岩尾との交錯プレーで倒れ込んだアル・ドサリに、報復行為によりレッドカードが提示される。浦和は数的優位となっただけでなく、アル・ドサリは第2戦出場停止となった。
試合はこのままタイムアップ。浦和は敵地で勝利こそ飾れなかったものの、ホームでの第2戦に向けて貴重なアウェイゴールを獲得。クラブ3度目のアジア制覇に向けて十分な結果を残したと言えるだろう。なお、第2戦は5月6日の18:00より、浦和の本拠地『埼玉スタジアム2002』で開催される。
【得点者】
1-0 13分 サレム・アル・ドサリ(アル・ヒラル)
1-1 53分 興梠慎三(浦和レッズ)
【スターティングメンバー】
浦和レッズ(4-2-3-1)
GK:西川周作
DF:酒井宏樹(81分 荻原拓也)、アレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテン、明本
MF:伊藤敦樹(85分 柴戸海)、岩尾憲;大久保智明(81分 早川隼平)、小泉佳穂(67分 安居海渡)、関根貴大
FW:興梠慎三(67分 ホセ・カンテ)
By サッカーキング編集部
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