ACLベスト8で対戦するG大阪(上)と全北現代 [写真]=Getty Images
文=下薗昌記
2008年以来のアジア制覇を目指すガンバ大阪が準々決勝のファーストレグで相見えるのは2006年大会のグループリーグで苦杯を舐めた全北現代だ。当時はグループリーグ1位のみが決勝トーナメントに進出するレギュレーションだったが、ガンバ大阪は全北現代に1分1敗と遅れをとり、グループリーグ3位に終わっている。
ともに優勝経験がある日韓の名門対決は激戦が必至だが、ガンバ大阪は敵地で攻撃的に戦いを挑むつもりだ。
ノックアウトラウンドは言わずと知れたホームアンドアウェー方式。2試合を通じた180分の戦いではあるものの、重要なのはアウェーゴールをめぐる攻防となる。
ラウンド16ではやはり韓国勢のFCソウルを相手に、敵地でのファーストレグで3-1で勝利。圧倒的なアドバンテージを得たことが勝ち上がりを後押しした。
「出来れば勝って帰りたい。アウェーゴールは当然狙う」。本来は手堅い戦いを志向する長谷川健太監督ではあるが、ACLのノックアウトラウンドではアウェーゴールへのこだわりを強く持っている。
ラウンド16のファーストレグでは3-0のリードから、終盤に1点を献上。本来の指揮官ならば、不用意な失点を悔やむところだが「2-0で終わるよりも、3点取りたかったので3-1は悪くない」と言い切ったほどだった。
そんな強気な指揮官の思いは全州ワールドカップスタジアムのピッチに送り出される布陣に現れるはずだ。
やや波に乗り切れていない明治安田生命J1リーグ2ndステージではここ2試合、バランス重視の[4-2-3-1]を採用。宇佐美貴史を左のサイドハーフで起用してきたが、全北現代戦では宇佐美とパトリックの2トップで是が非でもアウェーゴールをもぎ取りに行く可能性が高い。
ただ、Kリーグ首位の全北現代はイ・ドングッやイ・ジェソンら新旧の韓国代表を擁する上に、元ガンバ大阪のイ・グノも加わり、破壊力のある陣容を揃えている。ハイプレスをベースにする激しいサッカーのクオリティーはやはりKリーグで首位を走るチームのそれだ。
ガンバ大阪は球際の強さなど対韓国勢にはうってつけのスタイルを持つ今野泰幸が累積警告で出場停止。その不在は痛手だが、代役は2008年にアジアの頂点を経験した明神智和が濃厚だ。「アウェーなのでむずかしい試合になるが引分けを狙いに行って引分けに出来るほど甘くはない。勝ちに行くつもりで戦ってその中で状況に応じて戦いたい」(明神)。
ただ、チーム最年長の明神は37歳、そして清水戦ではハードワークし切ったが故に疲弊感は否めない遠藤保仁も35歳。試合終盤でのスタミナには不安が残るだけに、スルガ銀行チャンピオンシップのリバープレート戦で後半ボランチとしてプレーし、指揮官からの評価を高めた井手口陽介の投入のタイミングもポイントになるはずだ。
「アウェーゴールを奪えば有利にセカンドレグを戦えるし、FCソウル戦でもそうだった」とエース宇佐美は自らの得点に意欲を燃やすが、あくまでも準々決勝は2試合トータルでの戦い。いかなるスコアであろうと、勝利が最良のシナリオだが、アウェーゴールを奪っての引き分けも勝ちに等しい意味を持つ。
アウェーゴールを目指してアクセルを積極的に踏む一方で、致命的な大敗をしないためのブレーキも不可欠。「清水戦で出来たようにしっかりと守備から入って、手堅くゲームをコントロールしながらやりたい」と丹羽大輝が言うように、180分間の神経戦が敵地から始まる。
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