2018.10.18

DHLでレッツ配達♪ 『浦和レッズ配達バイト』に密着してみた!

海外サッカー専門誌の編集を務めた後にフリーとなり、ライター、エディター、スペイン語の翻訳&通訳、フォトグラファーとマルチに活動を展開中。

 浦和レッズのトップパートナーであり、毎年チームと連動して様々な企画を実施しているDHL。選手がDHL配達員に扮して企業に荷物を届ける企画はおなじみとなっているが、今回は「an超バイト」とのコラボレーションにより、ファンがDHLの“アルバイト配達員”に扮し、レッズの選手たちにゆかりの品を届けて直接、手渡しし、バイト代5万円が支給されるという夢のような企画が実現した。その名もDHLでレッツ配達♪ 『浦和レッズ配達バイト』。その様子をレポートする。

 Jリーグ屈指の人気クラブだけあって、募集開始から応募が殺到。1,111名という何とも縁起のいい応募者の中から“バイト配達員”に当選したのは、平川秋胡さん(19歳/大学生)、栗栖歩夢さん(20歳/大学生)、栗原奈穂さん(19歳)の3人。平川さんと栗原さんは埼玉県出身で、レッズファンだった親の影響で物心ついた時にはレッズを応援していたという生粋のサポーター。栗栖さんは島根県出身で、元々はサンフレッチェ広島時代の森脇良太選手を応援していたが、森脇選手の移籍を機にレッズファンに変身。現在は滋賀県在住ながら、各地のスタジアムに駆けつけてレッズを応援しているという。最初の集合場所であるDHL品川サービスセンターに到着した時はそれぞれ緊張した表情を見せていたが、年齢が近く、全員が大学生、それぞれが熱狂的なレッズサポーターということもあって、すぐに意気投合。熱い“レッズトーク”で盛り上がっていた。

レッズサポーターの3人がDHLの配達員として「超バイト」に臨んだ(左から平川秋胡さん、栗栖歩夢さん、栗原奈穂さん)

「今日までは『ホントにできるのかな?』という感じで半信半疑だったんですけど、今ようやく実感がわいてきました」と平川さん。「採用を聞いた時は本当に驚きました。選ばれたからには責任を果たして、選手の笑顔が見たいです」と栗原さん。滋賀県在住の栗栖さんは「普段、試合は見に行くのですが、選手と触れ合う機会は全くないので、すごく楽しみです」と、顔がほころびっぱなしだ。

 まずは品川サービスセンター内でDHL配達員のユニフォームに着替え、選手に届ける荷物の準備をする。今回、3人が配達するのは、槙野智章選手、西川周作選手、そして武藤雄樹選手。それぞれに何を届けるのかもこの場で発表された。チームとしてのアウェイゲームへの遠征に加え、日本代表にも招集されているため移動の多い槙野選手には、低反発素材のトランジットピローを用意した。新婚さんであることを考慮し、奥様とペアという念の入れようだ。西川選手は最近、キャンプにハマっているということで、大型のクーラーボックス。色はもちろんレッズカラーの赤だ。武藤選手は“寿司キャラ”が定着していることと、1歳のお嬢さんがいるということで、一緒に遊べる寿司をモチーフにした木製のおもちゃをセレクトした。3人で相談した結果、武藤選手の大ファンだという栗原さんが武藤選手、そして平川さんが槙野選手、栗栖さんが西川選手の荷物を、それぞれ担当することになった。

 3人はDHLのロゴが入った配達用の段ボール箱を組み立て、丁寧に梱包していく。西川選手のクーラーボックスはかなり大きな箱に入れなければならないため、3人がかりで梱包する。そして荷物を車に詰め込み、いよいよ配送スタート。お届け先は、レッズの選手たちがトレーニングをしている埼玉県さいたま市の大原グラウンドだ。

「届ける相手が受け取った時の表情を想像しながら作業をするのが楽しかったです」と栗原さん。栗栖さんは「普段、飲食店でアルバイトをしているんですが、今回、西川選手に笑顔を届けられたら、それが今後のモチベーションにつながると思います」と、アルバイトに対する意識の変化を見せ始めている。平川さんは「いざ選手たちを目の前にしたらテンパってしまうと思うんですが、目的を忘れずに、しっかりと届けられたらいいな、と思っています」と、早くも緊張気味だ。

 1時間ほどで大原グラウンドに到着する。本来ならトレーニングが終わる間際の時間だったが、実際はトレーニングの真っ最中。DHLのユニフォーム姿で歩き回るわけにもいかないので、上着で“扮装”し、サポーターエリアで待機する。特に栗栖さんは大原グラウンド初来訪だったこともあり、思いがけずにトレーニング風景を間近で見学できて、目を輝かせていた。

 やがて全体練習が終了し、槙野選手、西川選手、武藤選手の3人は人工芝グラウンドでクールダウンがてらサークルリフティングを始める。いよいよ「配達の時間」だ。平川さん、栗栖さん、栗原さんの表情にも緊張感が漂い始める。上着を脱いで配達員の制服姿になり、それぞれ荷物を持って人工芝グラウンドに歩みを進めていく。

「こんにちは! DHLです!」

 大原グラウンドにDHL配達員の元気な声が響いた。サークルリフティングを中断し、声がしたほうに顔を向ける3選手。「本日は、DHLのアルバイトとしてお届け物に参りました」との言葉で自分たちに荷物が届けられたことを知り、表情が一気に緩んだ。

 まずは平川さんが槙野選手に荷物を手渡す。箱を開け、中身がトランジットピローであることを確認した槙野選手が一気に笑顔になる。「移動や遠征の際、リラックスできるようにお使いください」と平川さんがメッセージを添えると、「ありがとー!」と絶叫した。「これ、ほんまにうれしいわ。自分で買わんけんね。ありがとうございます!」。

 続いては栗原さんから武藤選手へ。おもちゃが入った外箱に書かれた「SUSHI」の文字を見つけた武藤選手は「SUSHIって書いてある! 何だろう?」と目を輝かせる。栗原さんから「武藤選手といえばお寿司のイメージがあるので、娘さんと遊べるお寿司のおもちゃを用意しました」というメッセージを受けると、武藤選手は「ありがとうございます! 娘と遊ぶのが一番の楽しみなんで、早速、今日から遊びます」と笑顔を見せた。

 最後は栗栖さんから西川選手へ。栗栖さんは大きな段ボールを抱えたまま待機していた。西川選手はもちろん、槙野選手、武藤選手も中身が気になる様子。

 注目が集まる中、西川選手が箱をオープン。「クーラーボックス! やった~ありがとうございます!」とトレードマークの笑顔を見せる西川選手。「キャンプがお好きだとうかがったので……」と来栖さんが説明すると、槙野選手、武藤選手からも「何で知っているんだよ~!」と感嘆の声が上がる。「最近ハマっているんですけど、クーラーボックスなかったんですよ。ありがとうございます! しかもレッズカラー! 使わせてもらいます」と、相好がさらに崩れた。

 無事に荷物を届けた後は、クラブハウス2回のサポーターズカフェに移動しての交流タイムが設けられた。レッズファンの3人から3選手に対して、次々に質問が浴びせられる。昨年AFCチャンピオンズリーグを制した時の心境や、セカンドキャリアをどのように考えているか、といった質問に対し、3選手は丁寧に答えていく。その中で、栗原さんは3選手がDHLとのコラボレーション企画でDHL配送員として荷物を届けた経験があることに着目し、こんな質問を投げかけた。

「3人ともDHLの制服を着たことがあると思います。今までは配達する側だったと思いますが、今回、受け取る側に回ってどう感じましたか?」

これに対し、3人はこのように答えてくれた。

「そうだね、確かに受け取る側に回ったことはないよね。やっぱり中身を知らない中で待つドキドキ感と、開ける時のワクワク感、子供の時に誕生日プレゼントをもらった時の感覚を楽しめたのは、嬉しかったよね」(槙野選手)

「プレゼントをもらえたのはすごく嬉しかったですし、僕の“寿司キャラ”が定着しているな、と感じることもできました。早く娘と遊びたいなって思っています」(武藤選手)

「最近、涼しくなってきて、家族でキャンプに行くんですけど、クーラーボックスだけが家になかったので、よく知ってたな~って。すごく嬉しい」(西川選手)

 楽しいひと時はあっという間に過ぎ去り、アルバイト終了の時間となった。と、ここで3選手から3人に対し、配送のお礼にとサプライズが。レッズのレプリカユニフォームがプレゼントされ、それに3人がサインを入れてくれたのだ。笑顔を届けるつもりが、逆に大きな喜びと驚き、そして感動を与えられて、3人の超バイトは終了となった。

 最後に、3人はこの日の感想を、それぞれ次のように語った。「an超バイト」を通じ、DHL配達員として経験したことは、彼らにとってきっと人生の糧になることだろう。

「最初はめちゃくちゃ緊張しましたが、楽しくできて、いいバイトでした。レッズへの愛もさらに高まりました。一生、自慢できると思いますし、これからもっともっと応援したいと思います。応募しないとこういう経験はできないですし、応募してみた結果、こんな素晴らしい経験が得られたので、素晴らしい企画だったと改めて思います。この経験を生かして、これからいろいろなことを頑張っていきたいです」(平川さん)

「喜んでくれるかどうかちょっと不安だったんですが、すごく喜んでくれたのでホッとしました。西川選手はいつも以上の笑顔だったので、僕も嬉しくなりました。採用された瞬間から『自分でいいのだろうか』という思いもありましたけど、通常では味わえない経験をさせてもらい、本当に有意義な時間を過ごすことができました」(栗栖さん)

「武藤選手の笑顔が好きなので、たくさんの笑顔が見られて嬉しかったです。こちらまでプレゼントをいただいてしまって……夢のようなバイトでしたね。普段、アルバイトをしていて、嫌なこともあるんですけど、今日はすごく楽しかったので、これからはアルバイトも、将来、就く仕事も、楽しめるように自分で工夫しながらやっていきたいと思いました」(栗原さん)

 そうそう、気になるバイト代5万円の使い道は? 栗栖さんは「新しいスパイクを買いたい」、栗原さんは「レッズのアウェイゲーム観戦の遠征費ですね」と、それぞれ自分のために使うようだが、平川さんは「ゼミの合宿費用などを父に立て替えてもらっているので、それを返します」とのこと。レッズファンのお父様の勧めで応募し、採用されたということなので、ある意味、最高の父親孝行になったのかもしれない。

写真=鷹羽康博
文=池田敏明

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