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【レポート】サッカーを客観的に分析する!ゲーム分析特別セミナー開催

2017.01.30

 1月12日(木)に東京都八丁堀のFootball★Plazaで、サッカーキング・アカデミーゲーム分析特別セミナー『「ゲーム分析」が日本サッカーを変える!』が開催され、指導者を中心に分析に興味を持つ約50名が参加した。

 講師を務めるのは、アヤックス育成アカデミーユース年代専属アナリストの白井裕之氏。18歳から指導者としての活動を始め、24歳のときにオランダに渡り複数のアマチュアクラブのU-15、U-17、U-19の監督を経験。2011-2012シーズンから、AFCアヤックスのアマチュアチームにアシスタントコーチ、ゲーム・ビデオ分析担当者として入団し、その後、2013-2014シーズンからアヤックス育成アカデミーのユース年代専属アナリストとして活躍中。またその手腕は高く評価されており、2016年10月からオランダナショナルチームU-13、U-14、U-15の専属アナリストとしても活動している。現在は、ワールドコーチングアカデミーにて日本人の選手のスカウティングを行っている。

 まずは指導においてオランダと日本サッカーの違いが解説された。現在日本サッカーのトレーニングは「MTM」(試合、練習、試合)で行われているが、ヨーロッパ特にオランダでは「MATM」(試合、分析、練習、試合)で行われている。また日本でサッカーの「分析」を学ぶためには指導者ライセンスのB級まで取得しなければならないが、オランダではまず始めにサッカーの「分析」から学んでいるという。

 なぜ分析(アナライズ)が必要なのか。それは指導者の主観で分析するのではなく、統一された分析基準が必要となり、言葉の統一、分析する枠組みが統一されるということが重要だと考えているからである。そこからチームの成長と問題を把握することによって、アナライズとトレーニングの関係を密接なものとすることができる。それが「MATM」なのだと白井氏は語る。

 また、「ザ・サッカーアナリティクス」を活用すれば、スタッフ間での誤解がなく、選手とのコミュニケーションの向上ができるという利点が挙げられた。主観的ではなく、客観的にサッカーを分析し現状を評価した成長度をはかり、出来ていないところを修正していく事ができるようになると解説された。

 その後は受講者の方々へ質問を行いながら実際に映像を使って「ザ・サッカーアナリティクス」により、目的と原則を設定し、その試合をどのように分析していくのかが解説された。その中で、ビルドアップについて「ボールを前に運び、相手のゴール前まで進めて、シュートチャンスを作ること」と定義し、選手と指導者との共通目的と、原則の枠組みを決めていくことが分析を進めるために必要になってくる。目的を事前に設定していれば、目的が達成することが出来たのかがわかり、問題を可視化することができるなどの具体的な分析論が解説された。

 終了後のアンケートで参加者からは「戦術論に触れる機会は多いのですが分析論の説明を受けるのは初めてなのでとても新鮮な講義でした」や、「考え方、枠組みの設定という考え方が面白かったです。サッカーの見方が変わる気がしました」などの感想が挙がった。

 講義終了後には懇親会が行われ、白井氏と参加者とで交流を深めた。懇親会終了時間まで質問の列が途切れることなく、和やかな雰囲気の中セミナーは幕を閉じた。

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