2016.11.09

MARS CAMP創設者・仲島修平氏が語る「スポーツ業界で働くために必要なこと」/後編

1984年10月31日生まれ。山梨県甲府市出身。日本ジャーナリスト専門学校⇒編集プロダクション⇒フットサル専門誌⇒2011年からフリーとなりライター&エディター&カメラマンとして活動。元ROOTS編集長。現在はfutsalEDGE(http://www.futsaledge.jp )などで執筆中。

インタビュー・文=本田好伸
写真=野口岳彦

 スポーツ業界で働きたい――。

 そう思い描く人は少なくない。何となく華やかで、何となく注目を集め、そして憧れの選手に出会えるかもしれないと、学生を始め、社会人にも人気の業界であることは、間違いないだろう。

 ではどうやったら入れるのか? そのヒントや答えを提示するのが、株式会社マーススポーツエージェントが2010年秋から始めた「MARS CAMP」である。スポーツをビジネスにするためのノウハウが詰まった実戦型集中講座は、現在第12期生までが卒業し、約480人の受講者が、スポーツ業界へと足を踏み入れた。

 この既存にはない画期的にして、業界が求めていた「スポーツに特化した人材育成」という業態を築き上げた人物こそが、仲島修平氏である。

 華やかさや注目、憧れは、あくまでも自己の欲求にすぎない。「自分とスポーツの2者間で満足してしまう人は、業界では活躍できない」と仲島氏は言う。考えるべきは、自分とスポーツと、その先にある社会とのつながりである。

 今回、“MARS CAMPの誕生秘話”を中心に、仲島氏に話を伺った。そこには、スポーツ業界の理想と現在地、そして、スポーツ業界で働くことの真意がある。

 スポーツ業界で働くことを目指す人、業界で働く人も必見のインタビューの後編は、スポーツ業界で働くために必要なこととは何なのかを考える。

スポーツはコミュニケーションツール

――ここまで、MARS CAMPの立ち上げにまつわるお話や、スポーツ業界の実情を伺ってきましたが、実は「スポーツ業界」とそれ以外の業界の線引き自体があいまいです。仲島さんが考える「スポーツ業界」とは何でしょうか?
仲島修平 「スポーツ業界」というのは造語だと思っています。メーカーはメーカー、ショップは小売り、施設は不動産であり、いろんな業界を横断したものがスポーツ業界を形成しているので、既存の業態だけではないサービスが増えています。スポーツをソフトとして、その先にいる社会に価値を届けたら、それはもうスポーツ産業であり、スポーツ業界だと思います。

――では「スポーツ業界で働きたい」という人にはどんな人が多いでしょうか?
仲島修平 スポーツを仕事にしたいという人に圧倒的に欠如していると感じるのは、スポーツと自分の2者間の対話で終わっているということです。「携われたら楽しい」ということでは、趣味と変わらないですよね。アスリートはスポーツを通して社会に価値を提供して初めて給料をもらえますが、今までお金を払ってそうした価値を受け取っていたのに、逆に給料をもらって価値を受けようとしている人が多い。それでは採用されませんよね。スポーツ業界に携わるだけで満たされている人は、ある意味では、“携わった料”を払わないといけないくらいです。でも自分とスポーツと、その先の社会への視野を持っていないというのは、実はスポーツがそうさせてしまう部分もあります。

――どういう意味でしょうか?
仲島修平 実際、スポーツは生活をすごく豊かにできるものですが、必需品ではないですよね。それがないと生活できないものではありません。でも、僕たちは生活のためだけに生きているわけではなくて、そこで生活をより豊かにするために、スポーツはすごく重要な役割を果たしています。それで「豊かさ」って何だろうと考えると、スポーツをただ同じような方法で消費しているだけでは、それ以上の豊かさを手に入れられません。

――つまりスポーツが「豊かさ」を与えてくれるだけに、非常に盲目になってしまうんですね。
仲島修平 そうです。ただ同時に、スポーツには大きな力もあります。それを僕は、コミュニケーションの活性だと思っています。輪を広めたり、深めたり、きっかけにもなります。部活仲間ってずっと腐れ縁だったりしますが、それはスポーツで一つの目標に向かって死ぬほど頑張ったという共通言語でつながるからです。フットサルを一緒にやるだけで、一気に距離が縮まるということもありますよね。そういった意味でうちでは、人事向けのサービスの一つとして「就活フットサル」をしています。企業の人事と学生が一緒にフットサルをする目的は、人間の素が見られるということです。スーツを着て対面してもそれほど分からないですが、スポーツをすると一発で明らかになったりします。GKでさぼる人だなとか、空気を読まないなとか、バランスを取れるなとか、個人の色も企業の色も見えます。これが実は、活躍につながっていきます。こうした、活躍する人材を採用する手段の一つとして、スポーツを使うこともできるんです。

動いている人にチャンスが訪れやすい業界

――では、スポーツ業界に入りたいという人は実際、どうしていくのが良いでしょうか?
仲島修平 手前味噌ですが、「MARS CAMPに来て」と言いたいですね(笑)。今までの生活動線にあるものからしか選べていない人が多いわけですから、まずは引き出しを増やすことが必要だと思います。もちろん今は、スポーツ業界について学べる場は、MARS CAMPに限らずいろいろとあります。極端に言えば、本当に仕事にしたいのであれば、それら全部に行くのがいいと思います。ただ時間とお金の制約もありますから、どれかを選択して、アクションを起こしていくべきです。

――どうするのが良いかを考えてばかりいるのではなく、まずは行動に移すことが大切な一歩だということですね。
仲島修平 そうですね。そして、行って終わりになりがちなので、きちんと先につなげていくことです。実は、一般の企業よりも、スポーツ業界の企業のほうが入りづらいと思われていることが多いかもしれないのですが、僕はその逆だと思っています。例えば、MARS CAMPからJリーグのクラブに入る人には競合はいません。そこに行って、そこで経験していた後で入るとなるとライバルはいないんです。でも有名企業ともなると、エントリーで2万人とかいますよね。そうなると、確率的には確実にそっちのほうが入れる可能性は低いはずです。つまり、動いている人にチャンスが訪れやすいのはスポーツ業界です。

――確かに、きっちり面接をして入社するわけではないケースも多いですよね。
仲島修平 要するに、一般の業界と違うのは、表に出ている求人の数です。求人を待っているだけでは、チャンスは訪れません。みんな“打席に立たずして打ちたい”と言うんですが、コネクションというのは接点であり、つまり打席に立つ機会です。他の業界よりも打席に立つ機会が少ないのであれば、打席に立てるように自分でどのように動いていくのかというアクションプランが不可欠です。「スポーツ業界で働きたい」と言っているだけで立ち止まっている人はそこが欠けています。そして、業界に行く人と行かない人の決定的な違いは、サッカーキング・アカデミーのセミナーでお話したいと思います。

「スポーツ業界を前に進めていくために」/中編
「社会側とスポーツ側を“翻訳機能”でつなぐ必要性」/前編

株式会社マーススポーツエージェント
スポーツビジネス部マネージャー
仲島修平(なかじま しゅうへい)

1984年5月5日生まれ。専修大学在籍中に、フットサルショップのオープニングスタッフとしてアルバイトで働き、大学卒業後、株式会社ウィルグループに入社。企業の外部人事部機能を担当し、キャリアコンサルタントのノウハウを学ぶ。2008年にマーススポーツエージェントの立ち上げに参画し、アスリートのマネジメント・セカンドキャリア支援、プロチームの人事・事業支援、企業への代理店業などに従事し、10年秋に実戦型集中講座「MARS CAMP」の企画・運営を開始。スポーツに特化した人材発掘、育成、活躍を見据えたサポートを中心に、スポーツと社会を結び付けるあらゆる業態を横断的に手掛けている。

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