2016.09.21

東洋大学サッカー部 女子部 監督が語るチーム作り②「研修後、選手間コミュニケーションの量と質に変化がありました」

サッカー総合情報サイト

インタビュー=安田勇斗 写真=小林浩一

 2013年度に新設され、現在は関東大学1部リーグで戦っている東洋大学サッカー部 女子部。初年度からチームの指揮を執っているのが、同大学サッカー部 男子部OBの戸田有悟監督だ。

 現役時代は佐川急便東京SCの一員としてJFLで5年間プレー。引退後は就職し、ビジネスも経験した。指導者に転身してからは自らの経験を選手たちに伝えつつ、選手としての成長はもちろん、“円滑に社会と結びつく人財”になることを求め、日々指導に当たっている。

 関東大学1部は全選手、そして戸田監督自身も初挑戦。伝統と実績を誇る格上のチームを相手に“ジャイアントキリング”を起こすべく、戸田氏はチームビルディング論を学ぶ講座を受講し、チームに持ち帰って研修を実施するなど、様々な取り組みを行っている。

 独自の信念で人間教育、指導に取り組んでいる戸田監督に、日々成長を遂げる東洋大学サッカー部 女子部のチーム作りについて聞いた。

――サッカーキング・アカデミーの短期講座『カリスマ経営者不在、エース不在でも、今いるメンバーの化学反応によって「ジャイアントキリング」を起こすチームへ変身するには』を受講された後、チームで具体的に変化させたこと、チームに施したことはありますか?
戸田有悟 関東大学1部リーグが開幕する2週間前の8月中旬に「チームビルディング研修」を実施しました。組織は「形成期」、「混乱期」、「規範期」「達成期」の4つのステージを経て成長していくんですが、選手を3グループくらいに分けて達成ゲームを行い、この4つのステージを共有していくということを行いました。

――もう少し詳しく教えていただけますか。
戸田有悟 「番号ゲーム」といって、グループで円になって後ろ向きに座り、仲間と被らないよう1から順に番号を言っていくゲームを行いました。目をつぶってやらせるので隣とのコミュニケーションが取れず、さらに時間制限を加えてストレスをかけると、だんだんとイライラしてくるんです。その後、1分間の作戦タイムを与えて達成できるように考えさせると、「時計周りで言えばいいんじゃない?」などの意見が出てくるんです。そうすると最短で5秒くらいで達成できて、喜ぶわけです。そのような体験ができるものを計三つ、実施しました。

※実際の部内「チームビルディング研修」の模様はこちら

――ゲームをやり終えた後、選手たちからはどのような意見が出ましたか?
戸田有悟 どんな感情があったのか、どうしたら良かったのか、何が重要だと思うかをシェアしたところ、「自分の考えを簡潔にまとめて話すことが難しかった」、「与えられた時間が短い中で、自分の考えを仲間に伝えづらかった」、「途中で諦めてしまおうと思った」、「指示を出して成功した時に自分自身が得た達成感は周囲にはない。言った人が満足するだけで、その他はやらされている感がある」といった意見が出ました。チームの解決策を探すことの難しさを感じたようです。これらはサッカーの試合でも起こりうる現象なので、これからリーグ戦で強い相手と対戦する時に、それらの感情を克服していかないと戦っていけないよ、という話をしました。

――研修後、日々の練習で選手たちに変化はありますか?
戸田有悟 コミュニケーションを取る場面が多くなったと思います。例えば、練習が終わって自身のパフォーマンスに納得がいかなかった選手は、今までなら一人でクールダウンをしていましたが、解消したいからと仲間を呼んで一緒に走って「あの場面はどうしたらいい?」、「こうしてほしい」と、選手間で解決策を探るシーンがすごく増えました。試合中の選手同士のコーチングも、今までなら「抜かれるな」だけだったのが「右を切れ、左に行かせろ、追い込め」と、簡潔に伝わり、なおかつ効果的な言葉が増えたと感じます。

――戸田監督の教え子たちは研修内容を十分に消化できたようですが、今の若者たちはみんな同程度の理解力を備えていると思いますか?
戸田有悟 うちの場合も、1回の研修で全員が理解をし、チームのため、組織のために動けるようになったかと言えば、それは疑問符がつくと思います。ただ、“円滑に社会と結びつく人財”を育てることが僕の理想像であり、そこに紐づけてやっているので、今、サッカーで理解できなくても、社会に出た時に分かってくれればいいと思っています。

――サッカーキング・アカデミーでは、10月から11月にかけて再びチームビルディング短期講座を開催します。前回の短期講座を実際に受講された戸田監督から見て、この講座はどのような方に勧められるものでしょうか。
戸田有悟 指導者や経営者といった組織のリーダーはもちろん、中間管理職の方にとっても非常に役に立つ講座だと思います。

――それ以外、一般の社員の方々が受講した場合、どのようなことを感じられると思いますか?
戸田有悟 会社は今こういう時期だから、自分がこういうことをしないといけないだとか、自分が会社のためのルール作りをしようとか、そのような思考を持てるようになると思います。会社を経営する立場の方々とお話しさせていただくたびに気づかされるんですが、経営する側は社員に対して、支払っている給料を越える価値の仕事をしてほしいと思っているんですよ。これは経営者にならなければ分からない感情です。働く側は給料をもらうことが当たり前だと思っていますが、経営者は身銭を切って雇っているわけで、支払う給料の金額以上のことをやってもらいたいと期待する。それが会社の利益になるのであれば、なおさらです。会社のために努力してくれれば、社長や経営者は悪い気はしないでしょう。講師の仲山進也氏は「楽天にはオリジナルのルールがある」とおっしゃっていたと思うんですが、他のところにはないカラーを発揮し、会社のためにそういったルールを作れる人が多くなればなるほど、その組織は発展すると思います。

――受講を検討している方、興味がある方に向けて、一言お願い致します。
戸田有悟 この短期講座では組織論を体系的に学べますし、他者の協力を得て成果を上げることは、僕のように組織をまとめる立場の人間にとっては必要不可欠なことです。僕にとっては、選手たちにピッチで戦ってもらうために、自分がどのようにサポートすればいいかを学べたので、すごく実りの多いセミナーでした。

――最後に、東洋大サッカー部 女子部の監督として描いている目標や夢を教えてください。
戸田有悟 直近の大きな夢は、今の4年生が来年4月に初の卒業生として社会に出ていくんですが、彼女たちが様々な業界で必要とされる存在になり活躍してくれることです。もちろん今年度は部として創部初のインカレ出場を目指していますし、大学日本一を合言葉に選手たちは一生懸命頑張っています。選手たちがそのような成果を出してくれるよう全力でサポートしていきたいですし、選手全員が卒業後、いつでも気軽に帰って来られる、そんな笑顔の多い価値のあるチームになれたら嬉しいですね。

 常に向上心を持ち、選手たちの成長に繋がりそうなことを積極的に取り入れてきた戸田監督。チームビルディング短期講座の受講もその一環であり、この講座で得たものをすぐさまチームに還元すると、選手たちの言動に変化が表れ始めたという。戸田監督のようにリーダーとして組織を大きくしたい、自分の部下たちを成長させたいと考えている方たちは、このチームビルディング短期講座から多くを学べるはずだ。

東洋大学サッカー部 女子部 監督が語るチーム作り①「組織の成長法則を学んでからは、何が起きても慌てなくなりました」

東洋大学体育会サッカー部 女子部 ホームページ

東洋大学体育会サッカー部 女子部 監督
戸田 有悟(とだ ゆうご)

1979年12月6日生まれ。
保育園の頃からサッカーを始め、大学は東洋大学体育会サッカー部に所属。
2002年に大学卒業後、JFLの強豪 佐川急便東京SCにて5年間プレーし、72試合に出場する。
2006年12月に現役を引退。
引退後、株式会社インテリジェンス、株式会社 船橋屋での社会人経験を経て、2013年4月に東洋大学体育会サッカー部 女子部の初代監督に就任。
創部直後は指導未経験という状況からスタートしたが、2015年には関東一部昇格を果たす。
大学生活の貴重な4年間で「“円滑に社会と結びつく人財”になってほしい」という選手の理想像を掲げ、指導にあたっている。

サッカーキング・アカデミーにて、楽天大学 学長 仲山氏のチームビルディング短期講座を開催!

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