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ミズノ担当者が語る、「日本人に愛され続けるためのマーケティング戦略」/前編

2016.06.14

日本のスポーツ界とともに発展し、2016年4月に創業110周年を迎えた総合スポーツ用品メーカー、ミズノ株式会社。サッカー、野球、陸上、バレーなど、競技スポーツ全般を長きに渡りサポートしてきたメーカーの、日本人に愛され続けるためのマーケティング戦略、そして創業から変わらないものづくりへのこだわりについて、ミズノ株式会社コンペティションスポーツ事業部 事業企画部で、競技スポーツマーケティングの担当責任者を務める高橋誠氏と二ノ宮健次氏に話を伺った。

インタビュー・文=福馬俊太郎 写真=CORACAO 齊藤友也

――大学卒業と同時にミズノ株式会社に入社されたお二人ですが、これまでの経歴を教えていただけますか?

高橋誠 1987年に入社後、デパート部という部署に配属となりゴルフ関係の営業を7年半担当し、29歳の時に広報宣伝部に異動してから広報と宣伝の仕事を約19年していました。2年半前にコンペティションスポーツ事業部に異動となり、今は主に競技スポーツ全般のマーケティング担当責任者をしています。

二ノ宮健次 私は1991年に入社してから、約14年トレーニングウェア関係の商品管理を担当していました。在庫や予算管理などが主な業務で、ずっと内勤をしてきた中で、その後法人営業部に異動。スポーツクラブやフィットネスクラブといった得意先様への営業活動をしていまして、2013年にコンペティションスポーツ事業部の立ち上がりと同時に異動してきました。

――現在の仕事内容について教えてください。

高橋誠 まず、我々が所属するコンペティションスポーツ事業部の中には、事業企画部、スポーツプロモーション部、事業管理部の3つの部署があります。そして3つそれぞれに各競技スポーツの担当者がいるのです。サッカープロジェクトの際には、この3部署に加えて、商品企画・開発・営業・広報・宣伝のそれぞれの部署のサッカー担当者が集まって事業を動かしています。そのプロジェクト全体のリーダーが私で、二ノ宮がサブリーダーという立場です。

二ノ宮健次 具体的な仕事でいうと、サッカー、陸上、バレー、バスケなどの競技スポーツのマーケティングを担当しています。主に関係部署の方向性を我々で決めて、全体のベクトルを合わせていく役割を担うディレクション業務が中心です。

――これまでの経験を踏まえ、創業者の有名な言葉である「ええもん作んなはれや」については、ご自身の中ではどのように根付いていますか?

二ノ宮健次 「ええもん作んなはれや」は、簡単なフレーズに聞こえますが非常に深い意味が込められていると思っています。私の解釈としては、スポーツをされる方全員が一番大事な時に選びたい商品を作ることじゃないかなと。この「ええもん作んなはれや」という言葉を、社員全員がそれぞれの解釈で日々チャレンジしてきたからこそ110年続いてきたのだと思います。

高橋誠 私なりに感じているのは、スポーツをする人、楽しむ人にとってミズノの製品がどのように使われ、どんなふうに役立つべきか。常にそういう視点がものづくりの中にあり、より良い物を作ろう、もっと競技が盛んになる方法はないかと考えようという意味が込められていると思うんです。そのアイデンティティが会社に浸透しているからこそ、日本スポーツの発展とともに歩んでこられたのだと思います。

――マーケティングについて、競合他社と差別化するにあたりどのような戦略をとっていますか?

高橋誠 サッカーという競技の中で、ミズノがこれからどういう役割を担っていくべきかについては、2016年春夏から「JAPAN SPIRIT.」というキーワードを打ち出しました。これは外資大手や国内のライバル会社さんがいらっしゃる中で、ミズノとはどういうブランドなのかを示す言葉。我々としては、やはり日本のサッカープレーヤーを誰よりも理解して寄り添えるメーカーでありたいと考えています。例えば、「海外のビッグプレーヤーが履くスパイクもいいけど、俺が最後のインターハイで履くのはミズノのスパイクだ」と言ってもらえるように。この「JAPAN SPIRIT.」には、日本の部活生を一番近くでサポートしていくという意味も込めています。この言葉を掲げて、現在いろいろな営業活動やマーケティングをしています。

――では実際、営業とマーケティングの部署では、どのような連係を図られているのですか?

二ノ宮健次 現在、営業部隊は野球やサッカー、ゴルフなど、いろいろな商品を売る機会を得ています。弊社商品をいかに店頭でお客様に選んでもらえるか、販売につながる売場作りの為、お客様と接する販売店様の要望を営業とマーケティング部門ですり合わせます。

――現場と連係して行った仕事で印象的なエピソードはありますか?

高橋誠 2014年の世界大会の時に、本田圭佑選手は優勝したいという思いを込めてスパイクはゴールドの『IGNITUS』を履かれました。我々も本田選手の思いをもっと多くの方に知ってもらい、応援する気持ちにつなげようというプロモーションで、すごく大きなスパイクのオブジェを作り、みんなで記念写真を撮れるようにしたんです。もちろん近隣のサッカーショップにもゴールドのスパイクを飾って連動させました。我々は大きな流れを考える部署。店頭で商品をどう扱うかは営業がしていることなのでそこは常に連係しています。

ミズノ担当者が語る、「日本人に愛され続けるためのマーケティング戦略」/後編

ミズノ株式会社
コンペティションスポーツ事業部
事業企画部 部長
高橋 誠(たかはし まこと)

1987年にミズノ株式会社に入社後、デパート部に所属しゴルフの営業を担当。その後、広報宣伝部に異動し、広報と宣伝業務に計19年間従事する。2013年からコンペティションスポーツ事業部に籍を置き、現在は競技スポーツ分野全般のマーケティング担当責任者を務める。

ミズノ株式会社
コンペティションスポーツ事業部
事業企画1課 課長
二ノ宮 健次(にのみや けんじ)

1991年にミズノ株式会社に入社。トレーニングウェアの商品管理を約14年担当。法人営業部を経て、2014年にコンペティションスポーツ事業部に籍を移す。現在はサッカー、陸上、バレーボールなどの競技スポーツのマーケティング担当責任者を務める。

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